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思い出のコラム

タイ人のキャッシュレス化への対応力には感心する。デパートやスーパーはもちろんだが、タイの名物である屋台街や市場の店主までが素早く対応していた。先日は天秤棒を担ぎながらお菓子を売っている高齢の女性が、籠に銀行のQRコードを張り付けているのをみて、キャッシュレスの波もここまできたかと驚いた。

話は変わるが、とある講座でお世話になった先生と、先日久しぶりに話をする機会をいただいた。先生と会話を交わす中で、そういえばその講座の課題で、タイのキャッシュレス化についてのコラムを書いたなぁと、ふとを思い出した。

pressfoto/Freepik

そのコラムは、思いがけず先生にみんなの前で褒めていただいて、とても嬉しかった思い出がある。大人になって何かを褒めてもらうことがこんなにも嬉しいとは…!当時の私はかなりの落ちこぼれだったけど、ちょっとだけ自信がついて、ついでに涙も出た。

そんな思い出のコラムをここに出したいと思います。2022年5月に執筆したものです。全国紙のコラムという設定なので、文体はクソ真面目です(笑)

コロナ禍で変化が進むタイの小売り
 
タイの名物ともいえる屋台街。安くておいしい食事を求めて多くの人が集まるその光景は、何十年も前から変わらない。そんな屋台街にコロナ禍以降大きな変化があった。キャッシュレス決済の導入だ。

 コロナ感染対策として接触機会を減らすべくタイ政府が主導で進めたキャッシュレス決済の波は、想像をはるかに超えた速さで進み、古き良きタイの台所である屋台街にまで到達した。今や店主のほとんどがスマートフォンを持ち、専用の口座とQRコードを用意している。100円ほどの総菜をビニール袋に入れて売る伝統的な姿と、それをスマートフォンひとつで買う現代的なシステム。新旧が交錯する風景は、私たちが大きな変化の渦中にいることを実感させられる。

 もう一つ、タイ国内で急増しているものがある。自動販売機の設置だ。人件費の安いタイでは小売りは対面で行うのがスタンダードだった。しかしコロナ禍で店舗の営業時間が規制されたこと、加えて非接触販売が求められたことで自販機の設置が急増した。今では商業施設やオフィスビル、病院などで必ず一台は見かけるようになった。飲料やスナック菓子、弁当にマスクなど品数も豊富だ。もちろんキャッシュレス決済にも対応している。

 コロナ禍でタイの小売りはキャッシュレス化と非接触販売が急速に進んでいる。古くから繰り返されてきた人間同士のダイレクトなやり取りを懐かしむ日が来るのも近いかもしれない。(586文字)

来月からまたこの先生に付いて新しい学びが始まります。結構厳しめの講義内容らしいので付いていけるか心配だけど、過去の栄光(笑)はここに成仏させて、新たな気持ちで頑張りたいと思います。


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