アリーナ・チャンピオンシップ4参戦記~はじめてのプレミアプレイ~


●はじめに

はじめまして。じむ(ナガミ タカヒロ)と申します。
大阪北部在住の、今年で30代も折り返してしまったおじさんプレイヤーです。普段はスタンダードを専門にプレイしています。

この投稿は、10月7日(土)~10月8日(日)に行われたアリーナ・チャンピオンシップ4(以下、AC4)に参加した筆者の日記レベルのメモになります。
本当にはじめて投稿しますので、体裁、文章等、ご容赦下さい。

●予選ウィークエンド

筆者のAC4参加資格は、予選ウィークエンドのリーダーボード上位によるものです。

去る8月14日に行われた予選ウィークエンド2日目(エクスプローラー)にて5勝の成績を残すことが出来ました。このときはリーダーボードのボーダーラインがわからなかったため、AC4に参加出来たことは晴天の霹靂でした。

※AC4のボーダーラインは5勝。5勝を挙げても参加出来なかった選手が3名いることを考えると、確定ラインは6勝。恐ろしい。。。


●結果

全体成績としては5勝4敗で11位にてフィニッシュ。
選ばれた一流プレイヤー(自分を除く)の中で勝ち越すことができ、上々の出来ではあります。しかし、その実はトップ8を賭けたバブルマッチでの敗北。大変悔しい内容でした。

8位入賞のTaylor Cobb選手に最終戦で敗北。悔しい。。。


 1)ドラフト

緑黒にて2-1。
筆者はドラフト、というかリミテッドがあまり得意ではありません。
その中で並のデッキを作り、勝ち越すことが出来た。これは嬉しい意味での想定外でした。
1R:青白タッチ赤 ○×○
2R:白黒     ○××
3R:白黒     ○×○

<フォーン忌みのトロール>、<眠らずの小屋>、<お菓子を狩る者>
全部、上家からのプレゼントです


 2)ヒストリック

サムワイズフードにて3-3。こっちはトントン。
後述しますが、安定性より爆発力を取ったデッキ選択であり、可もなく不可もなく。
4R:サムワイズフード(Brian Heine選手)  ××
5R:青黒コントロール(Thierry Ramboa選手)○○
6R:ヨーグモス医院(Michael Meier選手)  ××
7R:ケシスコンボ(Pascal Vieren選手)   ○×○
8R:緑タッチ白信心(Michal Guldan選手)   ○×○
9R:ケシスコンボ(Taylor Cobb選手)    ×○×
対戦した6人中5人がトップ8。とんでもない当たり方だと思っています。

ヒストリックにおけるサムワイズフードは構築が固まっていないように思えます。


●本戦に向けて

本戦に向けた準備の前提として、筆者自身は大変な人見知りです。
ですので、AC4に参加している他3名の日本人プレイヤーのような調整チームにも参加していませんし、入れてほしいとも言えません。
(本当は混ざりたかった。。。)

また、AC4に合わせるかのように仕事も忙しくなり、平日は昼休みの数十分程度しかプレイ出来ませんでした。
その中で取り組んだ内容を記していきます。


 1)ドラフト

筆者はリミテッドが得意でないと述べました。
しかし、このフォーマットは地力が物を言うフォーマット。環境知識の習得と地道な練習をこなすしかありませんでした。

基本は通勤時間中の環境記事の読み込みとアリーナ(プレミアドラフト)での練習です。
マジックオンラインでの練習も考えましたが、時間がなく断念しました。

練習時の方針は
・赤、もしくは黒から参入。
・赤、黒、緑を軸にしてデッキを組む。
・青、白はレアから参入する。
を基本方針に、
・青、白が軸になる場合を想定し、積極的に取り組む。
でした。
これはプレイヤーの間で色に対する共通認識があることを前提としているためです。各プレイヤーが赤、黒、緑を取り合い、青、白を押し付けられた場合を想定する必要があると考えました。また、青、白を押し付けるために流すカードを理解する必要もありました。

この練習は、下家に青白を促すことが出来たことから、一定の成果をもたらしたと考えています。
以下に、主に目を通させて頂いた記事を挙げます。
※改めて挙げさせて頂くのも申し訳ないものですが、感謝の意を込めて。


 2)ヒストリック(デッキ選択)

フォーマットがヒストリックとわかったとき、愕然としました。
筆者はスタンダードを専門にしており、また、権利もエクスプローラーにて獲得しました。そのため、ヒストリックの知識はほぼゼロの状態です。
その上、調整チームもないため、1人で切り開く必要がありました。

さらにアリーナ限定フォーマットという特性が状況を悪くします。
それはデジタルイベントの減少に伴う参考情報(メタゲーム、サンプルデッキ)の少なさです。

melee上の直近1か月のイベント。心折れた。。。

辛うじてmtgdecks.netやUntapped.ggにはあったため、記載されたリストとにらめっこ、一つずつ実践していきますが、2週間かけてもイマイチ琴線に触れません。

そこで取り組み方を変更します。
①モダン環境に存在するデッキを見る。
②マナ基盤を除き、ヒストリックで再現可能なデッキがないか探す。
というアプローチに変えました。
これは、
・モダン/ヒストリック共に、モダンホライズン(アンソロジーシリーズ)と指輪物語のリリースが大きな影響を与えたフォーマットである。
という仮定から、環境人口と試行回数の多いフォーマットの知識を参考にすることが出来ないか考えたためです。

結局これ。記事を書いている最中にナーフされるとは。。。

このアプローチからピックアップしたのが
・ヨーグモス医院
・サムワイズフード
の2種類でした。
この2種類からサムワイズフードを選択した理由は、
「反則技があるか」
という点でした。

「反則技」と言う表現が正しいかはわかりませんが、
簡単に言うと「揃ったら勝ち」があるかどうかです。
ヨーグモス医院のループは直接的な勝ちではありません。(勝つパターンもある)
それに対してサムワイズフードのループはそのまま勝ちます。
この差は大きな差で、環境知識、デッキ精度、果ては実力も足りていない自分にとっては「揃える」だけで勝てるんだから眉唾物です。上の条件がある限り、安定性を捨ててでも取るべき選択だと思いました。

Day2の勝ちは全部これ。ループを早く行う練習もした。


 3)ヒストリック(デッキ構築)

デッキ構築もデッキ選択と同じアプローチで、モダンの構築から参考にしました。
3つのループコンボを同時に組み込めないか、という思いで作っています。
4枚入っているカードや説明不要なカードは説明を省きます。

再掲

・<大釜の使い魔>メイン3枚
猫フードループ(<大釜の使い魔>+<サムワイズ・ギャムジー>+サクリ台)のキーパーツ。本当は2枚まで落としたかった。
ブロックも出来ないため、カードとしてはとても弱い。ただ、コンボの確率を上げたいのと、「ファイレクシアの塔」と相性がいいため3枚。

・サクリ台(<悲哀の徘徊者>3枚、<スランの医師、ヨーグモス>1枚)
猫フードループのキーパーツその2。1スロット(4枚)以上のサクリ台を準備したかった。
<スランの医師、ヨーグモス>である理由はないように聞こえるが、
・<アガサの魂の大釜>を一定レベルで無効化出来る
・リソース回復も可能
・相手の<スランの医師、ヨーグモス>に耐える
と、<集合した中隊>で出せないとしても価値があると判断。

単純に強い

・<ペレグリン・トゥック>、<実験的な菓子職人>メイン2枚
エルドレインの森で参戦した<実験的な菓子職人>による、ネズミループセット(この2枚が場に揃った状態で<ペレグリン・トゥック>の能力を起動し続け、<ネズミトークン>を無限に生成するループ)。
<ペレグリン・トゥック>はこのループ専用カードではなく、<食物トークン>の供給とリソース源でもあり大事なカード。
尚、ネズミループが成立する=無限に<食物トークン>が生成出来るであるため、猫フードループも可能。

・<リスの将軍、サワギバ>3枚、<無慈悲な略奪者>1枚
リスループパーツ。(この2枚が場に揃った状態で<リスの将軍、サワギバ>を起動すると<リス>トークンと<宝物>トークンが生成されることで、無限に<リスの将軍、サワギバ>を起動するループ)
干渉手段がない場合、相手のクリーチャー全滅+無限マナに到達します。これに<ペレグリン・トゥック>と<大釜の使い魔>を加えることで猫フードループへ。
<リスの将軍、サワギバ>は<スランの医師、ヨーグモス>と合わせて除去スロットに充てるため合わせて4枚としています。
忘れがちですが、<リスの将軍、サワギバ>は森渡りを持っています。相手の場のショックランドをよく見てプレイしましょう。

大好きなカード

・<残忍な巡礼者、コー追われのエラス>1枚
ネズミループでの無限ライフ、リスループでの無限ドレインを同時にこなす器用貧乏カード。
<血の芸術家>と<裕福な亭主>を同時に採用する枠もなく、また、両方<オークの弓使い>の的であるため、これらの代替カードを探した際にたどり着いたカード。除去されても歴史的なカードのため、<サムワイズ・ギャムジー>での回収も出来ます。

結構探しました

・<オークの弓使い>メイン2枚、サイド1枚
コントロール、指輪、オークが入っているデッキ用。デッキの中では浮いているカード。本当は全部サイドにしたかったが、必要悪としてメインへ。
当たり前だが、解決時に軍団が生成出来ると<リスの将軍、サワギバ> 、<ペレグリン・トゥック>の置換が成立する。サイズより数が欲しいときに大事な小ネタ。

・<夜に歌う神の信奉者、ヴィコニア>サイド1枚
対ケシス、イゼットウィザード、青黒コン。
<漁る軟泥>の入れ替え枠。無色マナでも墓地対策出来る、<サムワイズ・ギャムジー>で回収可能、な点から採用。専門化はしません。

・<ドラーナとリンヴァーラ>サイド2枚
対ケシス、サムワイズフード、ヨーグモス。
<真髄の針>や<ファイレクシアの破棄者>では<アガサの魂の大釜>に追いつかないため、まとめて封じる。4マナなのが玉に瑕。

<静寂の守り手、リンヴァーラ>でもよかったけど
さすがに上位互換

●最後に

まず、ここまでお読み頂きありがとうございました(途中から筆者もめんどくさくなってきました)。また、配信等にて応援頂いた方には感謝しきれません。

何一つわからないフォーマットの競技イベントに自分の力だけで挑戦する。これは過去に経験したことがない挑戦でした。とても新鮮な経験でしたが、正直もうしたくはありません。
今回の経験から実感したのは
・思考の重要性
・チームプレイの重要性
でした。

筆者は普段、いわゆる「tier1デッキ」の中で「自分が気に入ったデッキ」を使っています。これは、
・多くのプレイヤーが使用することで洗練される速度が速い
 (自分が取り組めなくても)
・強いデッキであっても、面白くなければ続かない
 (続けられないと身につかない)
の2点のためです。
しかし今回は
・「tier1デッキ」どころか環境にあるデッキがわからない
という、普段ではあり得ない状況からスタートしています。
その状況を「選択・構築の方法」を考え、「アプローチを変える」ことで乗り越えました。これが「思考の重要性」だと思っています。

しかし、この「思考の重要性」も独りよがりで誤ったものだった時には誤った方向にしか結果が出ません。そこで必要なのは「一緒に考える人」の存在です。
三人寄れば文殊の知恵、とは言ったもので、「一緒に考える人」がいるだけで思考の方向の修正に限らず、思考速度も倍になります。

今回、「チームの重要性」を実感することは叶いませんでした。
マジックに限りませんが、この記事をお読み頂いた皆様には「考えること」を大事にして、「一緒に考える(挑戦する)人」を大事にして頂ければと思います。


●おまけ

※以下愚痴です

なんで記事を書いてる最中にナーフ発表されるかな!?しかも新カードと一緒に!
AC4って何だったんや。。。

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