見出し画像

シティリーグシーズン6 優勝構築紹介~VIPでぶん回せ!アルセウス雷バレット~

 おはこんばんにちわ。あんでぃです。
 今回は久しぶりにシティリーグで好成績を残せた「VIPパス入りアルセウス雷バレット」を紹介します。

 今回のレシピはポケカ仲間内で共有して使用していたため、遅れての掲載となりました。

1.現環境メタゲームとデッキ使用理由

 環境の考察にあたり、おすぎさん(@osgggg)の環境自動分析システムのデータベースを参考にさせていただきました。掲載させていただき、本当にありがとうございます!

 当時の環境は「ミュウVMAX」「パルキアVSTAR」の2つの勢力が隆盛しており、その次に「アルセウスジュラルドン」などの多数のデッキが存在している分布となっています。このため、上位2デッキに有利~5分をとれるデッキを使用したいと考えました。
 上位2つのデッキの弱い部分を考えたところ、以下のことが挙げられます。 

・「ミュウVMAX」は《アルセウスVSTAR》などの高耐久ポケモンを連続して出されると、《パワータブレット》が切れてサイドレースが不利になることがある
・「パルキアVSTAR」は雷弱点であり、雷デッキには不利がつきやすい

 この部分が比較的わかりやすい弱点となると考えて、耐久に優れた雷デッキであれば抗える可能性があると考えました。
 実際、「パルキアVSTAR」がメタゲームに上がってきたときには、「カプ・コケコVMAX」の勝率と採用率が上がる傾向がみられました。 しかし、それでも雷系統のデッキは上位2デッキに追い付くまでの採用率にはなっていませんでした。

 当時の雷系統のデッキの弱い部分として、

①雷タイプのVポケモンは、攻撃面では優れているが耐久が低い
②《モココ》の採用によりベンチの枠が潰れるため他のシステムポケモンが採用しにくく、〔裏工作〕が絡むデッキに比べると安定性と展開力が劣る

の2つが考えられました。
 ①に関しては「ミュウVMAX」が〈テクノバスター〉で出してくる210ダメージラインを耐えられないため、そのままでは「ミュウVMAX」に不利になり、②に関しては安定性の低さで「パルキアVSTAR」にも負けうる可能性があるのが問題となります。逆に考えれば、この2点を克服できれば、雷系統のデッキは環境の立ち位置としてはかなり良くなると思い、雷系統のデッキを調整し始めました。

2.「アルセウス雷バレット」へ至った理由

 前項で「耐久と安定性のある雷系統デッキを使用する理由」について記したので、次に「VIPパス入りアルセウス雷バレット」に至った理由を解説します。 
 まず、当時の雷デッキで一番「ミュウVMAX」に抗えそうなデッキとして、「アルセウスライチュウ」に注目しました。「アルセウスライチュウ」は、序盤は《アルセウスVSTAR》でエネルギーを加速し、中盤~終盤の《ライチュウV》の〈ダイナミックスパーク〉の弾丸にすることで、相手ポケモンをワンパンするデッキです。この「アルセウスVSTARで攻める」と「ライチュウVでワンパンする」部分が「ミュウVMAX」に抗える部分になると考えました。

元になったレシピ ポケカ仲間に貰って調整開始

 しかし、このままの型では耐久面が不足しており、特に《ライチュウV》のHP200という部分が「ミュウVMAX」相手に致命的となります。そこで、《タフネスマント》を多数採用し、《ライチュウV》を耐えやすくする構築にしました。

 これにより、「序盤に《アルセウスVSTAR》を攻めさせて《パワータブレット》を消費させ、終盤の《タフネスマント》付き《ライチュウV》が《パワータブレット》不足で耐える」というゲームプランを形成することができる「耐久のある雷デッキ」となりました。

  次に、事故率低下のために行ったことについてです。この部分に関しては、「ミュウVMAX」に事故負けし過ぎてヤケクソになって《バトルVIPパス》を4投したのが始まりです。

 つまり深い考えは特になく、上振れ運ゲーして誤魔化すしかねぇだろこんなもん!と半ギレになりながら採用したら、うまく行った感じになります。
 現スタンダードは「ミュウVMAX」によって高速で展開することを強要されていると言っても過言ではなく、展開速度が元々遅かったり、事故って展開しにくくなるデッキは、環境に残ることすら許されないと考えています。《バトルVIPパス》をフル投入するアプローチは、多少強引ではありますが序盤の展開力が上昇し、展開できなくてそのまま負けるといったことを防ぐことができます。これに加えて《クイックボール》や《ハイパーボール》を可能な限り投入し、1ターン目にいかに展開しやすくなるかに比重を置いて、安定性を獲得しました。
 《バトルVIPパス》のフル投入のデメリットとして、2ターン目以降は完全に腐り札になる部分があります。しかし、今回のデッキはドローをサポートに依存しているため、《博士の研究》や《マリィ》などの腐り札を切って手札を増やすサポートを多数採用していることから、《バトルVIPパス》の2ターン目以降に腐り札になるデメリットを緩和できていると考えられます。実際に使用するまでは、腐る部分を嫌って採用を考えていませんでしたが、使ってみると腐ったことによって敗北することはあまり実感しなかったため、本採用しました。

 最終的に以下のレシピとなり、シティリーグに望みました。

シティリーグ使用デッキ

3.採用カード解説

ここからは、各カードの採用理由について記します。

ポケモンたち
・《アルセウスVSTAR》ライン 2-2

 スターバースによる安定化と序盤のエネルギー加速要員です。このデッキは、《アルセウスVSTAR》の〈トリニティノヴァ〉でエネルギー加速を始めるのが基本的な動きとなります。 序盤には使いたいけれど、終盤は必要なさそうだったので控えめの2ラインになっています。今回のレシピでは《クイックボール》と《ハイパーボール》、《バトルVIPパス》がかなり多く採用されているため、1枚サイド落ちくらいなら序盤に用意することは可能です。(2枚落ちたら死にます)

・各種雷アタッカーたち

 当初は《ライチュウV》が2枚入っていましたが、対「パルキアVSTAR」においては《ライチュウV》はエネルギーロスが大きいためあまり出したくはないポケモンです。そこで、《ライチュウV》1枚を《カプ・コケコV》にして、逃げ0とパルキア攻撃要員としました。
 《クワガノンV》は現環境における〔裏工作〕ラインを〈パラライズボルト〉で縛って優位に立つための採用となります。〔裏工作〕に依存しているデッキは、《ジメレオン》や《メッソン》を《ボスの指令》+〈パラライズボルト〉の動きで気絶させるだけで壊滅することも少なくないため、非常に強力な1枚です。
 非エクのポケモンとしては、《ゼクロム》、《レジエレキ》、《サンダー》、《ゼラオラ》が挙げられます。このうち、《ゼクロム》と《ゼラオラ》、《レジエレキ》は《こだわりベルト》が無いと《パルキアVSTAR》をワンパンできない部分が弱みとなり、他のデッキ相手でもアタッカーとして運用することがほぼありませんでした。このため、《アルセウスVSTAR》で削ったVポケモンを狙撃するために、サンダーのみを採用しました。

・《モココ》ライン 3-3

 《アルセウスVSTAR》に次ぐ第2のエネ加速要員です。こちらは《アルセウスVSTAR》で加速した後にトラッシュに送られるエネルギーを再利用するために採用しています。《モココ》がいることで、盤面に新たに出したアタッカーにエネルギーを供給してすぐにワザを使用したり、《ライチュウV》の〈ダイナミックスパーク〉の打点を増加させたりすることができます。3-3ラインではありますが、序盤は《アルセウスVSTAR》でエネルギー加速を行うため、《アルセウスV》に次いで用意する形で運用します。(HP60《メリープ》が1枚あるのは足りなかったからです)

・《クロバットV》、《ネオラントV》

 1ターン目の事故率軽減と、終盤に《ボスの指令》などの詰め札を引き込むのに使用します。このデッキは継続的なドローエンジンポケモンを採用していないため、この2体は両方必要であると判断しました。出すことによって負け筋になる可能性は上がりますが、《タフネスマント》を付けて耐久上昇をしたり、《崩れたスタジアム》でトラッシュしたりするなどを行い、負け筋になることを防いでプレイを行うと良いです。

・《マナフィ》

 対《かがやくゲッコウガ》用防衛ラインです。ベンチの《モココ》を守ります。それだけです。それ以外ではベンチ枠を潰してしまうため、あまり出したくはありません。

・《かがやくサーナイト》

 Vポケモンからのダメージをベンチも含めて-20させます。シティリーグの日程がダークファンタズマの発売日翌日であり、入手が間に合ったため入れてみました。このカードについては採用によりどのような効果があるか未知数でしたが、今回のデッキコンセプトである「耐久の高い雷デッキ」に特性がマッチしていたため、ある程度は活躍が期待できると予想して採用しました。実際、対「アルセウスV系統」において、このポケモンの採用でこちらのVポケモンがワンパンされる可能性を落とすことができたため、本格的に採用する価値はありそうです。

トレーナーズたち
・ポケモンサーチカード

  序盤の《アルセウスV》を呼ぶために、《バトルVIPパス》4枚、《クイックボール》3枚、《ハイパーボール》4枚の計11枚を採用しています。また、《モココ》と《アルセウスVSTAR》を呼ぶために、5枚目の《ハイパーボール》として《進化のお香》を1枚だけ入れてあります。

・《ポケモンいれかえ》

  今回のデッキは《タフネスマント》をはじめとしたポケモンの道具が複数採用されています。このため、バトル場にいるアタッカーポケモンをベンチに下げるために《ポケモンいれかえ》を多めに3枚採用しました。《風船》をアタッカーにつけると、《タフネスマント》を付けて耐えるゲームプランが遂行しにくくなると考えられます。

・ポケモンの道具

 《タフネスマント》は今回のコンセプトであり、2枚採用しています。当初は3枚でしたが、《アルセウスVSTAR》に《大きなお守り》を付けたい場面があったため、1枠を《大きなお守り》に譲りました。《こだわりベルト》は、《アルセウスVSTAR》の〈トリニティノヴァ〉でVポケモンをワンパンしながらエネルギー加速を行うために1枚だけ採用しました。

・サポート

 システムポケモンによるドローができないため、《博士の研究》4枚と《マリィ》2枚でドローを補います。《博士の研究》が多いため、序盤にトラッシュすることを考慮して、《ボスの指令》を3枚にしています。小回りの効くデッキではなさそうなため、サポートはシンプルにしています。

・スタジアム

 《嵐の山脈》は、雷デッキであれば入れ得と思えるくらいには強力なカードです。特に今回のバレット系だと、序盤の展開から中盤~終盤に必要なピン指しポケモンを連れてくるのに使えます。《崩れたスタジアム》は、相手の《頂への雪道》破壊と《パルキアVSTAR》の打点低下、こちらの《クロバットV》と《ネオラントV》をトラッシュに送って負け筋を潰すのに使います。また、当初は《頂への雪道》が1枚入っていましたが、「ミュウVMAX」相手にもあまり有効的に働かない場面が多かったため、相手の《頂への雪道》破壊の意味も込めて《トレーニングコート》と入れ替えました。

エネルギー

 《ダブルターボエネルギー》は、ほとんど《アルセウスV》専用エネルギーですが、後攻1ターン目にトリニティチャージを使うことを狙ってに3枚にしています。基本雷エネルギーは、《ライチュウV》のダイナミックスパークで6枚トラッシュできるように8枚にしています。

4.デッキの使い方

  基本の動きは
①序盤に《アルセウスVSTAR》の〈トリニティノヴァ〉でエネルギー加速をしながらサイドを取る
②終盤に《ライチュウV》で加速したエネルギーを射出して高耐久VMAXやVSTARを一撃で落とす

の2つとなります。
 中盤は、《アルセウスVSTAR》や各種Vポケモンで攻めてサイドを詰め、終盤に繋げるように動きます。このとき、Vポケモンたちには《タフネスマント》を付けて、相手からの《ボスの指令》+Vポケモンワンパンプランをできるだけ回避して、サイドレースで不利にならないように動きます。相手はVポケモンワンパンを前提に、サイド2-2-2取りのプランを狙ってきます。このため、こちらは《タフネスマント》によってワンパンを回避して攻撃回数を多く要求できれば、終盤に《ライチュウV》の〈ダイナミックスパーク〉で相手のVSTARやVMAXをワンパンすることで、サイドを詰められても1手差で勝利できます。

 「ミュウVMAX」と「パルキアVSTAR」に対しての立ち回りは以下の通りです。私はそんなにプレイはうまくないので、簡単なことだけ記します。

・対「ミュウVMAX」
 《アルセウスVSTAR》の押し付けと《タフネスマント》を多用して耐久し、《パワータブレット》の枯渇を狙います。このプランを遂行するためには《メロエッタ》の〈メロディアスエコー〉と《こだわりベルト》付き〈テクノバスター〉の「《パワータブレット》を使わずにVポケモンをワンパンする動き」に注意します。《こだわりベルト》付き〈テクノバスター〉は回避しにくいですが、《フュージョンエネルギー》4枚〈メロディアスエコー〉は盤面に《フュージョンエネルギー》が残る状態が必須となるため、《フュージョンエネルギー》付きポケモンを倒して絶対に回避するようにします。

・対 「パルキアVSTAR」
 《クワガノンV》が死神レベルに強いマッチアップです。可能であれば《タフネスマント》付きの《クワガノンV》をすぐに用意して、相手の《ジメレオン》を〈パラライズボルト〉で倒しまくります。「パルキアVSTAR」はデッキ回転を〔裏工作〕に強く依存しているため、〔裏工作〕の《インテレオン》に進化できないように立ち回るのが良いです。こちらはベンチをできるだけ絞り、《パルキアVSTAR》の火力を落として攻撃回数を稼げば、かなり有利に戦えます。

5.シティリーグ当日のマッチアップ

予選は3-1で6位抜け、本選トーナメントで優勝しました。

予選
1回戦:アルセウス裏工作 後攻 負け
 〔裏工作〕ラインを多用してくるデッキではありますが、《アルセウスVSTAR》でダメージを稼いでくるため、《クワガノンV》を出しにくいマッチでした。《アルセウスV》で後1〈トリニティチャージ〉はできましたが、中盤に《チェレンの気配り》で《アルセウスVSTAR》を回収されて攻撃回数を稼がれ、1手差で負けました。

2回戦:連撃テンタクル  先攻 勝ち
 個人的には当たってはいけないタイプのデッキです。順当に殴り合うと普通にサイドレースで負けます。今回は相手が後1で展開があまりできなかったことで実質1ターン貰い、そのまま押しきって1手差で勝ちました。

3回戦:ミュウVMAX  後攻 勝ち
 仮想敵その1ですね。先攻1ターン目でミュウVMAX側はブンブン展開してベンチを全て埋めて来ましたが、こちらは後1〈トリニティチャージ〉で追い付きました。その後は当初の計画通り、《大きなお守り》付き《アルセウスVSTAR》を《かがやくサーナイト》をそえてぶつけ、《パワータブレット》を枯らして勝利しました。

4回戦:パルキアVSTAR  後攻  勝ち
 仮想敵その2ですね。先攻を取られましたが、こちらは《タフネスマント》付き《クワガノンV》を後1で用意し、2ターン目からスターバースで《ボスの指令》を2枚持ってきて、〈パラライズボルト〉で《ジメレオン》を2ターン連続で倒しました。これで相手は展開が一切できなくなったため、そのまま押しきって勝ちました。

本選トーナメント
1回戦:アルセウス裏工作(予選1回戦の方) 先攻 勝ち
 予選で当たった方でした。予選で対戦したためデッキのカード配分は大体わかっていたこともあり、ゲームプランは容易に組み立てられたと思います。とりあえず《チェレンの気配り》を使われないように、《ライチュウV》で《アルセウスVSTAR》を一撃で倒し、盤面に《アルセウスVSTAR》が1体になるように立ち回りました。

2回戦:パルキアVSTAR 後攻 勝ち
 地獄のクワガノンゲーム、再び。予選と同様に《タフネスマント》付き《クワガノンV》を最速で用意して、《ボスの指令》で《ジメレオン》を〈パラライズボルト〉で倒して事故らせて勝ちました。

3回戦:アルセウスVバレット 後攻 勝ち
 《ガラルサンダーV》に警戒するマッチです。こちらを奇襲して一撃で倒せるポケモンは《ガラルサンダーV》だけであるため、《ガラルサンダーV》の攻撃の後に、《ガラルサンダーV》を倒せる盤面の形成を意識しました。そこを乗り越えれば、相手がワンパンしてくることはある程度はなくなるため、こちらの基本プランである《ライチュウV》で《アルセウスVSTAR》のワンパンを狙いました。結果として、プラン通りにゲームを進行して勝ちました。

6.最後に

 今回のシティリーグは「アルセウス雷バレット」という、シェア率としてはあまり高くはないデッキを使用しました。それでも、構築の時点で策を練り計画通りに遂行できれば、環境上位デッキたちに一泡吹かせることが可能であるという証拠になってくれたかなと思います。
 私自身はプレイングがあまりうまくないため、環境上位デッキを握るとボロ負けをします。今回優勝できたのは、調整をしっかり行って構築がうまくできていたことが大きな要因だと考えています。このため、今回もデッキの調整につきあってくれた「三色拳/3shock(@3syokukenn)」、「Mt.fuji(@l_nihamakene)」には感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。

 これからも今よりもさらに良いデッキを作成して、ポケモンカードを楽しみたいと思います。

 最後になりますが、ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!

(もしご質問・ご連絡等がございましたら、「あんでぃ@andytorekamin」までDMやリプライをよろしくお願いいたします。記事が気に入ってくださいましたら、スキやお賽銭箱へのシュートをお願いします!)

この記事の筆者:あんでぃ
~過去のポケモンカード戦績~
・シティリーグシーズン1 
本選トーナメント ベスト8位 ピカゼクワガノン使用
・シティリーグシーズン3 
本選トーナメント ベスト4位 悪パーフェクション使用
・ポケモンカードPJCS
予選28位 本選ベスト16位 白馬スイクンインテレオン使用
・シティリーグシーズン6 
本選トーナメント 優勝 アルセウス雷バレット使用

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?