和歌山免許合宿

私の父は熱心な自動車愛好家です。実家のガレージには一家に2台しかない車に対し2,30個のタイヤが積まれ、何に使うか分からない部品が専門店のように並べられています。そして時間があればそこでずっと車をイジっているのです。

趣味を持つ事自体は素晴らしい事ですが、それを押し付けるのは良くないですよね。父は当時5,6歳の僕と弟に車のタイヤの交換を無理矢理手伝わせていました。「嫌だ」と言ったり不機嫌そうな顔を見せたら怒号と鉄拳が飛んでくるので僕たち兄弟はさも喜んだフリをしながらタイヤ交換やバッテリーチェックをしたものでした。僕達兄弟はそういう訳で車が小さい時から嫌いでした。

「早めに免許は取っておいた方がいいよ」大学生活の中で何度も人から言われたこのセリフを無視し続けたのも幼少期からの車嫌いが原因でした。もし免許を取れば父が毎度助手席に座り僕の運転に対し「こうしろああしろ」と罵詈雑言の限りを尽くすのは目に見えていましたので。

しかしながら

来年から働く会社の人に「業務で車を使うから自動車免許を取っておいて」との連絡が届きました。いつかは向かい合う必要のあった事。長い因縁に向き合う覚悟を一人決め免許合宿に申し込みました。

そういう訳で和歌山の自動車学校に合宿で免許を取りに行ってまいりました(ソロ)。

前置きが長くなりましたが今回は自動車嫌いの私が自動車免許合宿に行って良かった事3つを紹介したいと思います。

1. 生活リズムが戻った

コロナ自粛で1日という概念が崩れかけ、生活リズムが狂いまくっていたのですが、合宿中は朝から講義や実技がある為嫌でも生活リズムが正されました。久しぶりに人間らしい生活が出来てとても嬉しかったです(合宿終わりの次の日からまた狂いました)

2.しっかり食事を取れた。

自粛してるのであまりお腹も空かず、料理を作るのも面倒になってしまい1日1食生活が長く続いていました。元々痩せ型ですが現在170cm/体重47kgというミランダカーも驚く体型にまでなってしまいました。シルエットは完全にエヴァンゲリオンです。合宿はご飯付きだったので久しぶりに3食取ることができました。(合宿の次の日からまた1食)

3.新しい視点を得ることができた

自動車学校に行ったので当たり前ですが初めて自動車を運転しました。思ったより自転車や歩行者は車を気にしてないなぁと公道を走って実感しました。また僕は親の車に乗っている時、電車に乗っている時は横の窓から景色をぼんやり見るのが好きですが、流れる景色と同様に迫ってくる景色も意外と良いものでした。運転中はぼんやりなんて出来ませんが笑

仮免、卒業検定ともに無事合格。二週間はあっという間に過ぎ去り、僕は寄り道もせず、そそくさと下宿先に帰りました。

最寄り駅からトボトボ歩いて下宿先のアパートの前まで到着した時、アパート前の道に30と書かれた丸い看板が目に入りました。速度制限の標識です。1年以上も住んでいるのに初めて家の前の制限速度を知りました。どうやら免許を取った事で新しい視点が一つ増えたみたいです

運転中も目に入りやすいよう道路標識って結構高い位置につけられてます。

目線を下げて歩くより上を見上げながら歩く方が素敵ですね

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