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誰にでもドラマがある。

 長引くコロナ禍のなか、方向転換をためらっていた私たちも、生き方を見つめ直す時期に入ってきたように思います。大切にしたいことが明確になってきた今、発信の方向性を一から変えたいという自社サイトの更新依頼が増えています。

「ほかのサイトと同じような言葉の羅列で、上っ面な感がある」「今の自分の思いとかけ離れてしまってしっくりこない」「時代や実体と合わなくなった」など理由はさまざま。

 既存サイトを読ませてもらうと、なるほど、デザインが垢抜けていて目を引くわりに、引っ掛かりがなくて、ざらっとした触感が残らない。「入ってこない」というやつです。

価格やサービスや技術だけをアピールしてもなかなか情熱が伝わらないのはなぜなんでしょう。それは「選ばれる理由」は「人」にあり、「継続する理由」もすべて「人」にあるから。その人にしか為し得ないドラマの文脈が抜け落ちていると、#ハッシュタグと変わらない箇条書き的な印象を受けるのですね。

その人のバックボーンを知らず選んだ言葉からは、結局のところ、ぼんやりとしたイメージと記号が伝わるのみ。反対に、心を通わせて作った文章には、たとえその人について一行も触れなくても思いが伝わるものなのです。

だから、「それいる?」と思われるような余計なことまで聞いてみることをおすすめします。余談・雑談のなかにこそ、その人の本音が滲み出します。特にクローズドな人から、過去や内面を引き出すのは難しい。書く力より聞く力のほうがよほど必要なのはそういうことです。



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