「放置少女」をプレイしてみた

こんにちは。あんでぃです。ブログを書こうとすると毎回前置きに困るんですが、誰かいい書き出しがあったら教えてください(ただしオモコロのアレを除く)。

さて、近頃、スマホゲームをする上で避けては通れないあるものが社会問題になっています。

そう、広告です。

基本無料ゲームが主流の今、広告はそうしたゲームの主な収入源であり、大抵は5〜15秒程度の短い広告がゲーム内の様々な特典と組み合わさって出現します。

しかし、現在のゲーム広告の質は目を覆うばかりであり、棒を引き抜くパズルでおなじみ、ゲームの中身と広告の内容が違う「詐欺広告」をはじめ、×印が反応しないもの、30秒近くかかるものなど、ありとあらゆる害悪広告が市場に蔓延しています。スマホゲームをプレイしたことがある方なら誰しも端末を叩き割りたくなった経験があることでしょう。

そして先日、Googleが「スキップできない広告」に対する規制を発表し、大きな話題となりました。Googleくんはまず自社のYouTube広告をなんとかしてください。

そんな広告ですが、僕はこれについて一つの持論があります。

クソゲーっぽい広告だからといって、中身がクソゲーとは限らない


先ほども軽く触れた通り、近頃ではなぜか、ゲームの内容とは違う広告を流す例が多くなっています。しかし、これは同時に、広告だけでは中身を判断できない、ということを意味します。すなわち、どう見てもクソゲーだと思ったゲームが入れてみたら神ゲーだった、ということが起こりうる、ということです。

実際に、僕はこの手で神ゲーを引き当てたことがあります。
その名は「Endless Frontier」。

このゲームはいわゆる放置ゲーですが、要素が多くユーザーを飽きさせない作りになっており、また放置ゲームの肝である「インフレ」部分もしっかりしているため、僕は実に3年近くこのゲームを楽しむことができました。

そして、重要なことはこれが「広告」発のゲームだったということです。まあこれは詐欺広告を出しているゲームではないのですが、正直なところ、広告だけ見ればそこまで面白そうには見えませんでした。しかし、「とりあえず入れてみよう」がこうした成功につながったのです。

とまあ、長々と前置きをしましたが、こんな感じの思想に基づいて、今回はかの有名な「放置少女」を入れてちょっとプレイしてみたので、その感想を書き綴っていきます。ちなみにこいつはそこそこえっちな広告で釣ってくるタイプですが、中身は別にエロゲーでもなんでもないいわゆる「放置ゲーム」です。


結論から述べます。

クソゲーです。


以下主な問題点として、
・放置ゲームとしての微妙さ
・重課金前提の作り
・ストーリーの適当さ
・システムの煩雑さ

あたりを順番にレビューしていきます。
かなり酷評しますので、楽しくプレイされている方はブラウザバックをお願いします。


・放置ゲームとしての微妙さ

まず、一般に「放置ゲーム」というジャンルで大事になってくるのは「インフレの快感」「要素の多さ」です。

一つ目ですが、これについては言うまでもないでしょう。何時間も放置してあまり効果が実感できなくては、放置した甲斐がないというものです。が、この点において放置少女というゲームはかなり微妙と言わざるを得ません。

このゲームの流れは、ざっくり言うと各ステージのボスを倒す→ドロップ品を用いて仲間や装備を強化する→次のステージのボスを倒す…という感じです。放置している間は自身の最高到達ステージにおいて自動戦闘が行われ、次にアプリを開くまでに自動で経験値・装備品・アイテムが手に入る、という仕組みです。

しかし、こちらの強化ペースがそこそこ遅いのに対して、相手ボスのHPは飛躍的に上昇していくため、チュートリアルを終えてステージ40(当然ですが、序盤も序盤です)辺りにたどり着く頃には、数時間放置してもその間に手に入った資源で1ステージ進むのが精一杯、という有様。

ゲームの進行に合わせて徐々に厳しくなっていく、というのであればもちろん理解はできますが、最序盤からこれではプレイヤーのやる気を削ぎにきているとしか思えません。

これに追い打ちをかけるのが二つ目の「要素の数」です。放置ゲームはその性質上、メインの部分がかなり単調になりがちです。そのため、サブ要素が充実していることはほぼマストといって差し支えないでしょう。

放置ゲームとして大成功した「Cookie Clicker」を例にとれば、メインのクッキー作りのほか、農場、株、ランダム要素かつインフレ誘発要因であるゴールデンクッキーなどのサブ要素に加え、ババアポカリプスや季節イベントなど、メイン要素を彩るフレーバーも充実していることがわかります。
また、放置少女と同じ育成・戦闘系である先述の「Endress Frontier」も、こちらの兵士のパフォーマンスに大きく影響する「ペット」や「秘宝」、本筋と全く違うミニゲームが並行して楽しめ、同時に育成上のリターンもある「飛行船バトル」、いわゆるPvPにあたる「アリーナ」、チャレンジ枠的な「ワールドボス」「試練の塔」などの多数のサブ要素を取り揃えており、ギルドに関連する要素もまた多彩でした。

それでは、放置少女はどうか。メインの戦闘が行き詰まった時にできることといえば、PvPにあたる「闘技場」、仲間を派遣して報酬を得る「遊歴」、それにいくつかのギルド内要素くらい。ギルド内要素についても強いギルドに加入していなければそもそもやれることが少なく、初心者向きのサブ要素としては微妙もいいところです。結果として、数時間おきにアプリを開いては成長の乏しさに落胆し、できることを秒速で片付けてまた閉じる、ということになるわけですが、字面だけでもそのつまらなさは伝わるでしょう。確かに、放置ゲームはある程度「怠惰な」人を対象としたジャンルではありますが、それにしても限度があります。開いた時には
ある程度継続してプレイを楽しめる程度のバランスでなければ、電車内の暇つぶしにさえなりはしません。

・重課金前提の作り

開発にかのDMMが関わっていることもあってか、このゲームは至る所で課金を要求してきます。プレイを快適にするために課金が必要なのは基本無料ゲームの定めですが、どうもこのゲームは一線を超えているような気がしてなりません(そのための難易度の高さなのかな、と邪推したくもなります。サモンライドか?)。逐一例を挙げているとキリがありませんので、その最たる例を一つ紹介するに留めておきます。

一般に、この手のソシャゲ的なゲームには「初心者ガチャ」と呼ばれるシステムがあります。初心者に「SSR確定の無料ガチャ」のような特典を用意することで、滑り出しを順調にすると同時に、課金要素である「ガチャ」の効果を実感させるシステムです。このゲームにも例に漏れず「初心者ガチャ」という項目は存在するのですが、その中身を見てみましょう。

そもそも竹中半兵衛だけ明らかに浮いている

¥12000で1回購入。

初心者ガチャが無料ではなく、普通のガチャと同じ経費でいいものが出やすくなっている、というような例は多数ありますが、初心者に5桁の課金を要求してくるゲームは流石に前代未聞でしょう。ついでに、このゲームにおける任意のガチャは
「当たりを引けばキャラが手に入る」ものではなく、たまに3個か10個手に入る「欠片」を100個集めてキャラを解禁するシステムであることを付言しておきます。

・ストーリーの適当さ

放置ゲーは通常「ストーリー」とは無縁のものですが、「放置少女」にはメインストーリーが実装されています。しかし、残念ながら鑑賞に値するレベルのものではありません。

あまり知られていませんが、このゲームは「三国志」をベースとしています。が、開発陣に三国志に対する愛があるかといったらおそらくゼロに近いでしょう。

まず、こちら側は三国志における主人公サイドな訳ですが、劉備も張飛も関羽もいません。ストーリーは大筋として原作通りに進むのに、なぜ一番大事な主人公たちをカットしたのでしょうか。

そして、ここまでくるとギャグですが、ログインボーナスで一番最初に手に入るSSRキャラは「董白」、すなわち主人公たちの序盤の大敵であるはずの董卓の娘です。他にも、黄巾討伐で退場するはずの張角がしれっと対董卓連合軍に混ざっていたりと、最序盤を読んだだけで突っ込みどころには事欠きません。原作レイプをしてまで放置ゲームに本来不必要なストーリーを実装したのか、理解に苦しみます。

・システムの煩雑さ

先ほど要素は多ければ多いほどいい、と言いましたが、もちろんなんでもてんこ盛りにすれば良いというものではなく、ある程度の簡潔さは必要です。「楽」を売りにしている放置ゲーである以上、余計なところを必要以上に煩雑にすべきではありません。

が、この放置少女というゲームはそこにも問題を抱えています。先ほども述べましたが、このゲームはシステム上「味方を強化して相手ボスを倒す」ことで進行していくゲームです。つまり相手ボスを倒すことが本質なわけで、むしろその前提である「強化」のフェーズは簡素であるべきでしょう。

このゲームにおいて仲間の強化に用いられる手段は主に「装備」「育成」「訓練」の3つです。が、まず後者2つは使用するアイテムが違うのみで、素材を消費して強化するという点は全く同じです。したがってここを分割する意味はほぼなかったと言って良いでしょう。
また、装備の強化には「素材を消費してレベルを上げる」「宝石を装着する」の2つの方法がありますが、後者はまだしも、前者については装備スロットが仲間1人に対し6つあるにもかかわらず「一括強化」に当たる項目がないため、強化上限が上がるたびに、自分と仲間の全装備を一つ一つクリックしてレベル上げをするという非常に面倒な作業を強いられることになります。

そして、先述のように相手ボスの成長速度の方が遥かに速いため、ここまでしても全くボスに歯が立たない、ということは珍しくなく、徒労感を何度も味わうことになるのもまた問題です。こんなところに手をかけるくらいなら、ワンクリックで強化を済ませられるようにして、戦闘以外のサブ要素を増やすのに力を注ぐべきです。明らかに充実させるべきところを間違えています


ということで、「放置少女」のレビューでした。まあ、ここまで語ってきた通り、おすすめはしません。が、キャラはちゃんと可愛いので、そこだけを目的とするなら手を出してみるのもありでしょう。知名度はある一方、プレイしたことがあるという人は限られるので、話のネタにはなるでしょうし。

では今日はこの辺りで。

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