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ドラマは世の中の鏡 人間観察のススメ

吉高由里子主演のドラマ『知らなくていいコト』を見ていてふと思った。「あれ?吉高が演じる主人公の恋愛って、前のドラマもこんな感じじゃなかったっけ?」と。

前のドラマとは、『わたし、定時で帰ります。』のこと。二つのドラマに共通していることは、主人公の吉高が、”仕事ができるキャリアウーマン”ということ。そして、ドラマスタート当初は、年下もしくは年齢は同じぐらいで少し頼りない彼氏がいるのだが、次第に職場の少し年上で仕事のできる先輩に惹かれていくというもの。

これって、もしかして世の中のアラサーで、シングルで、仕事頑張ってる女子の”理想の姿”なのかもしれない。

女だからといって仕事は腰掛けではなく、それなりに結果を出したい。できれば男性社員にも負けたくない。仕事で気を張ってる分、プライベートでは気を使いたくないから、彼氏は自分がコントロールできる年下か、年は近くても少し頼りない感じがいい。優しくて自分のことをいつも大事にしてくれる彼氏のことは、好きなんだけどちょっと物足りない。できれば、癒しキャラをそのままに仕事はできる人になってもらいたい。そう、職場の仕事のできるあの先輩みたいに。

でも、それはなかなか難しいわけで、そんな彼氏にとりとめのない不満を抱きながら過ごしていたある日、とあることをきっかけに職場の先輩と近づき、どんどん惹かれていく。そんな先輩には彼女(もしくは奥さん)がいて、このままいっても決して幸せにはなれないんだけど、そういう恋愛はスリリングでやめられない。とまあこんな感じだろうか。

同じくドラマで、『病室で念仏を唱えないでください』では、アラフォー男性の願望が投影されている。何ごとにも一生懸命で、熱い主人公の医師。同僚にはクールで仕事のできる同じくアラフォー女性医師。二人の恋愛感情は描かれない。なぜなら、アラフォー男性は同年代の女性には、それほど興味がないからだ。アラフォー男性が興味あるのは、アンダー30の若くてかわいい女の子だ。

ドラマでは、仕事にプライベートにひたむきな主人公の傍らには、淡い恋心を抱く若い女性医師がいる。この二人にも明確な恋愛感情は描かれないが、若い女性の密かな恋心はちょくちょく描かれる。そう、おっさんは若い子とのおもむろな恋愛はしんどいので、相手から淡い恋心を抱かれる程度がちょうどいいのだ。

こうしてドラマには人間の欲望が投影されている。ドラマは人間観察にもってこいの題材なのだ。

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