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【統計調査】インバウンドは増えているの?

新型コロナの影響でほぼゼロに近くなった訪日旅行者(以下:インバウンド)ですが、観光の現場での感覚では徐々に戻ってきているように感じています。

でも、実際のところどうなのだろう?
と思い、統計調査をチェックしてみることにしました。

チェックしたのはJNTO(日本政府観光局)の統計データから。

旅行業界、特にインバウンドに興味ある方、是非覗いてみてください。
統計って聞くと、ややこしそうに思われるかもしれませんが、各国の訪日旅行の状況を、わかりやすい言葉で説明してくれているのでおすすめです。

で、インバウンド増えてるの??

以下は、JNTOが2023年3月15日発表したデータ。
左側は2023年1月、2月の訪日外客数です。

結論からいうと、2019年のコロナ前と比較すると、5割弱。
この5割というと、まだまだだなぁ、と思われるかもしれません。
でも全く外国人をみかけなかったあの数年間を考えると、戻ってきたなぁ、と私は感じていますし、実際は、かなりの回復傾向にあります。

そしてこの5割という数値。
とある国の影響が大きいんですね。

下の表は2023年2月の実績です。
こちらからどの国が大きな影響を及ぼしているかわかりますか??





答えが見えないように少しあけました。

そう答えは「中国」です。
2019年、コロナ前を思い出してみてください。
観光地の至る所に、中国人旅行者をたくさん見ませんでしたか?
団体ツアーで連れ立って来られる方が非常に多かった。
上記表にあるように、韓国と中国でそれぞれ全体の3割ほどを占めていたのです。
(260万人に対して、いずれも70万人超!)

現在では、韓国はなんとか80%程度の56万人に戻ったものの、
中国はいまだにわずか5%の3.6万人。。。

中国人訪日客の減少が日本のインバウンド市場に大きな影響を及ぼしていることは間違い無いでしょう。


中国インバウンド市場が回復しない理由

中国インバウンド市場が回復しない理由として、
1月の旧正月の反動(旅行需要減)があるとするものの、
それ以上に大きいのは、日本行きの海外旅行商品の販売禁止措置が継続されていたからです。
また、日本国内でも水際対策として陰性証明と入国時検査が求められていました。

「日本行くなよー」
「日本くるなら厳しくチェックするよー」
と互いの政府が言っていたわけです。
それは皆さん躊躇しますよね。


これからのインバウンドどうなる?

ただですね、「〜されていた」と書いたように、この規制は過去形なのです。
3月1日から直行便の規制も廃止され、入国時検査もサンプル検査へと変わりました。
つまり、3月以降は少しづつ回復していくのは間違いありません。

コロナが落ち着いてきた?という事情と、
円安という追い風もあるので、
今後はインバウンド市場はますます活気を帯びていくのではないでしょうか。

ただしかし、
一度コロナを経験した世界中を旅した私たち。
旅に求める価値観は確実に変わっています。
もしかしたら、都会への旅行よりも、
自然あふれる地方への旅行が増えるかもしれないですね。

私達、観光業界に携わるものが、その市場の変化をしっかりキャッチしていく必要があるなぁ、とデータを眺めながら感じた次第です。


『おもてなし産業をかっこよく』
あんでぃでした。


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