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星野リゾートのマーケティング思考

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星野リゾートのマーケティングに興味がある方へ|星野リゾートに入社して12年。これまでに学んだマーケティング思考について語っています。※あくまで個人の経験と見解です
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記事一覧

今すぐできるマーケティング活動

こんにちは、あんでぃです。 島根県の温泉旅館にて、旅行者の方々と繋がり始めて12年になりました。 エキサイティングな日々を送れているからかもしれません。 長いようで短くも感じます。 さて、この12年間、ずーっとやり続けている、自分なりのマーケティング活動があります。 それは、お客様にこのような問いを投げかけることです。 「何がきっかけで島根にいらっしゃったんですか?」 「何がきっかけで界 玉造を選ばれたんですか?」 理由には大きなヒントが隠れている なぜこのような

美味しくなかったら全額返金するおいしさ保証戦略。想定外の展開が…

本日は私の大好物、マーケティングのお話し。 「ひと口食べて満足できなければ全額返金です」 そう、高々と宣言し、自信を持った「おいしさ保証付きカレー」なるものが存在する。 提供しているのは、星野リゾートが運営するスキーゲレンデ「ネコママウンテン」のレストラン。 満足できなければ返金 と聞いて、変な言いがかりで返金が相次ぐのでは? なんて性悪説よりな考えをしてしまう方も多いのではないだろうか。 返金と売り上げのバランスが大切だ その問いに模範解答を示してくれる本をたまたま

OMOが界のブランド戦略へ与えたインパクト

こんにちは、あんでぃです。 前回は星野リゾートスタッフのブランド意識について綴りました。 今回も引き続きブランディングに関して。 OMOブランドの展開が星野リゾートに与えた影響について考察していきます。 星野リゾートの新たなブランド「OMO」 2018年に展開を開始したOMOブランド。 寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル をコンセプトに、記事執筆時点で17施設展開しています。 私も3施設利用したことがありますが、印象的だったのは先日訪れ

今更ですが、、、テレビ出演しました

こんにちは、あんでぃです。 今日はちょっとしたお知らせです。 実は昨年より、星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」のテレビCMが放映されていたのですが、皆さんご覧になりましたでしょうか? 往年の名曲「いい湯だな」 現代風にアレンジされた軽快な音楽とともに、画面からはちきれんばかりの勢いで飛び出してくるのが、界の各施設が提供する滞在演出です。 それでですね、実は私がこちらの動画に出演しておりまして・・・ この映像を撮影する日のこと。 朝からなぜか体が徐々に大きくなりまして、

星野リゾートはスタッフのブランド意識をどう高めたか?

こんにちは、あんでぃです。 突然ですが、質問です。 あなたは星野リゾートと聞いて、どんなイメージが浮かびますか? 変わった会社。 おもてなしが素敵。 いろんなブランドがある宿泊リゾート。 人によっても様々なイメージが浮かんできたことでしょう。 ○○と聞いて連想するもの。 それがまさにブランディングの本質と言えます。 例えば、 【旅を楽しくしてくれる会社】 というイメージが浮かんでいれば、 「ちょっと旅行にいきたいな」 という気持ちになった時に、星野リゾートをスマホで検

競争嫌いな私が競争戦略を学ぶわけ

突然ですが、あなたは人と競うことが好きでしょうか? ライバルに打ち勝つ、ということにワクワクする人もいるでしょう。 逆に、人と競うことはなるべく避けたい、と思う方も多いのでは。 私はどちらかというと後者です。 もちろん競争することで自分を成長させるきっかけになった経験もありますが、総じて考えると精神がすり減っていたな、ということが多い。 ましてや、 「人を蹴落としてでも目標を達成してやる!」 なんて考えたことはあまりないですし、そういう人はすごいな、と思えどちょっと苦手。

なんとなく旅行したいわ、というぼんやりさんのお話し

先月、4月にリニューアルした星野リゾートのコーポレートサイト。 ここに、星野リゾートの強い意思を感じました。 そこで私なりの妄想を含めた考察をシェアしたいと思います。 【施設】中心の過去のコーポレートサイト 今回のリニューアル前のコーポレートサイトでは、星野リゾートが運営する【施設】が中心でした。 閲覧者側の視点で言えば、 コーポレートサイトの中から気になる施設をチェックし、 その施設へのアクセス、客室やお食事、アクティビティーといった基本情報に触れ合う。 またその施

旅館スタッフがなぜ田植えをするのか?

こんにちは、あんでぃです。 突然ですが、みなさん田植え体験はしたことがありますか? 普段当たり前のように口にしているお米を一から作る。 自分で植えて育てたお米なら、その味わいもひとしおではないでしょうか。 数年前より、界 玉造のスタッフはそんな田植えをしています。 しかしながら、その田植えは食べるお米のためではありません。 なんと、お酒を作るための酒米なのです。 日本酒がテーマの界 玉造 今年も、日本酒BARを考案したお酒大好きな女性スタッフから田植えのお誘いが社内

地方宿泊業の競争が激化していく件について

前回の記事では宿泊業の市場において、需要が高まり、供給が応じた分増えていないことから、ホテル代が高騰していることを綴りました。 そんな中で、宿泊業界に携わる身として、魚の目が必要なんではない?というあんでぃなりの提言。 ちなみに魚の目とは、 流れをつかむ、時流を読む、タイミングをはかる といった意味で使われます。 これはデータや数値だけでなく、実際の現場にいて感覚的に感じとることにも注目すべきだと思うのです。 今回は【都会ー地方】といった観点から考えてみます。 旅行する

東京のホテル代高騰!市場原理を思い知る

先日、事業家の友人から興味深い話を聞きました。 彼は親子三世代で宿泊できるような一軒家を1棟貸しのゲストハウスとして運営しています。 運営当初、『親子三世代」というニッチなニーズに答えられるゲストハウスはありませんでした。 強気の価格設定でも予約が入っており、まさに一人勝ちの状況でした。 しかし、数年もすると状況は一変します。 似たようなコンセプトのゲストハウスが続々と立ち上がり、価格は一気に下落してしまいます。 彼曰く、他施設と差別化するのが難しいから、いずれは撤退するだ

「競合」について考える

こんにちは、あんでぃです。 今日は「競合」について考えてみます。 正直なところ、私は星野リゾートに入社するまで、競合について1ミリも考えたことがありませんでした。 事業部長クラスの上の人が考えることだろう、と。 しかしながら、星野リゾートの特徴はフラットな組織。 「上の人だけが考える」 という意識は全くもってありません。 全てのスタッフが日常的に同じ目線で競合を意識します。 何か企画を考える時も、 競合に比べて何が特徴的なのか? と、マーケティング思考を働かせることが求

炎上は素晴らしい価値です!と言い切るブランディング手法

こんにちは。あんでぃです。 『おもてなし産業をかっこよく』 を合言葉に、星野リゾートの働き方や戦略の特徴であったり、 現場で働いていて感じることなどをお伝えしていきます。 私あんでぃ、個人的にブランディングやマーケティングに非常に興味がありまして、関連書籍やYouTubeなどその手の情報にはかぶりついております。 先日もYouTube動画をチェックしていたところ、 「ブランディングの鍵はサザンオールスターズ」 なんて見出しを見て、おぉ、っと思って試聴していたら星野リゾー