幸せの記憶①

ふと頭をよぎる幸せの記憶がある。繰り返し思い出すから書き記すことにする。こういうのが枕草子になったりするのかもしれない。ならない。

小学生の頃の、土曜日の昼の記憶。午前中に学校に行って、午後に遊ぶ約束をして家に帰る。父親が用意したと思われる、お皿の半分に焼きそば、半分にごはんが乗ってるのとか、カップラーメンとか(我が家は母親が食生活にうるさくジャンクフードの方が子供心にごちそう感が残っている)を、吉本新喜劇を見ながら家族3人で食べる。吉本新喜劇は、小学3年生で同じクラスになったみゆきちゃんの影響で私が家庭に持ち込んだ文化だ。やはりテレビ文化にもうるさい母は、私が何か言わない限りNHKしか選ばないタイプだった。母は一生懸命だったんだと思う。ごはんを食べ終わった後、リビングに貼られたクラス連絡網を見ながら、友達の家に「今から行きます」みたいな電話をかけて、自転車で出かける。幸せな記憶だ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?