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ゲーム感想記⑩ ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom

 『ゼルダの伝説 Breath of the Wild(以下『BoW』)』が発売されてから六年後に本作『ゼルダの伝説 Tears of Kingdom』が世に出された。不滅の名作としての評価を受けていた『BoW』の続編ということで、本作に対しては相当高い期待を寄せられていたが、その出来は充分に応えるものであった。

 まずベースの部分としては『BoW』と同じである。オープンワールドであり、雰囲気は変わっていない。素材を集めて料理をすることにより回復し、祠をクリアすることによりハートの最大値を上げる。メインストーリーとして四つの大きなダンジョンをクリアすることになり、それが最終戦闘を大いに楽にさせる。そしてこの四つのメインイベントも別にクリアする必要がないというのも同じである。

本作の宿敵ガノンドロフ。『トワイライトプリンセス』以来の登場

膨大な収集要素


 だが『BoW』から濃密度が大幅に上がった。まず地上世界の他、空の世界と地下の世界も加わり、特に地下は広大な地上と同じ大きさである。そして真っ暗な状態の中、アカリバナを駆使して周りを明るくし地上の祠に相当する「根」を見つける。これを見つけると周囲広範囲が明るくなり、ワープポイントとしても活用できるようになる。
 そしてアイテム数も増大した。料理のための素材、そしてそこから作れる料理、過去作の衣装も含めた多種多様な服装、これらが大きく増え、フィールドにおけるイベントもかなり盛り込まれるようになった。また収集要素も莫大な数になり、コログ、各地洞窟に棲息するマヨイ、井戸、馬宿での調査、エノキダ看板、古代の碑文、アイテムや魔物の図鑑完成、とにかく膨大な数があり、これらをコンプリートするにはとんでもない時間がかかる(コンプリートせずともクゲームクリアには問題ない)。

各地の洞窟に棲息するマヨイを倒して手に入れるマヨイの落とし物。集めてアイテムと交換できる

動画映えもする「クラフト」


本作で追加された大きな要素として「クラフト」がある。これは部品をくっつけることによって装置を作ることができる。例えば下の動画のようにトロッコに扇風機をつけて移動させることができる。他には気球で空高くにまで上がったり、飛行機っぽいものにやはり扇風機をつけて空を飛んだりすることができる。ゲームクリアにおいても使う必要が時々ある。クリアするだけながら独創的なクラフトアイディアは必要ないが、動画が当たり前になっている昨今ではユニークな装置を作って動画で見せるという時流に適った要素でもある。


前作に比べて大幅にパワーアップしたが、私が唯一不満なのは四英傑である。正直四英傑は前作の方が良かった。風格的にもそうだし、あまり性能的に助けてくれてるという感じもしない。前作では一回だけ無敵ガード、死亡から回復、その場で空高く舞い上がるといった戦闘に限らず大いに助かる面もあったが、今作ではあまりそんな感じはしなかった。ただ最終戦闘での演出は熱い。

 正直言うと、前作は名作であることには同意しながらも、どこか「薄いな」と思う部分もあった。アイテム数は思ったりより少なく、広大なマップなのに思ったよりイベントがない。だが今作ではそれらのボリュームが大幅に増えたのだ。前作が0を1にしたとするならば今作は1を100にしたという感じである。
  はっきり言えば、本作は日本のオフラインゲームとしては最高傑作だと思っている。もちろん私は日本のゲームを全てをプレイしたわけではないし、何が最高傑作かは人それぞれだというのはわかっているが、それでもなお最高傑作だと断言できるくらいの完成度を持っている。ぜひプレイして欲しい。





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