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ゲーム感想記⑨ ゼルダ無双 厄災の黙示録

ゼルダ無双は本作で二作目である(ただし前作は3DSとSwitchに違うバージョンのものが発売された)。
 前作は基本的にゼルダシリーズのオールスターであった。つまりシリーズから様々なキャラが登場し、ゼルダだけでなくガノンドロフ等の敵を含めゼルダシリーズでは使えなかったキャラが使い敵をバッサバッサ薙ぎ倒していくのが大きな魅力であった。

ストーリー重視の「無双」


 本作もバッサバッサ薙ぎ倒すのは同じだが、2017年にでた「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」(以下Bow)のみの無双版である。それ以前にいたキャラ(雑魚敵含む)は基本登場しない。そして本作における大きな特徴の一つはストーリーがあることである。ストーリー自体は前作にもあったし他の無双シリーズにもあるが、基本は味付けみたいなものであった。だが今作はゼルダシリーズのシナリオとして一から作られていて、本格的にゲームに組み込まれているのである。Bowは厄災後の世界だが、本作は厄災前を舞台にする、前日譚的な内容である。(実際は違うのだが、ネタバレのために書かないこととする)

多様で意外な操作キャラ、逆に敵は結構単調

ゲームとしては当たり前といえばそうだが、Bowの要素が出来る限り出そうとしている(料理要素、フィールドでの素材集め、そしてピタロックといったアイテム等々)。何よりBowでは大きな役割を持つものの使えなかった個性豊かな四英傑をつかえるのは大きい。それ以外にもゼルダ(三種類の武器がある)もやはり使えるし、他にも使えて意外なキャラもいる。キャラは皆Bow限定だが、それでもここまでバラエティを出せるのはすごいと言えるだろう。他方、敵キャラはあまり多様とは言えない。おそらく本作の無双としてのオリジナルキャラを極力出すわけにはいかず、属性を変えたボスキャラが目立つ(「雷のガーディアン」「白銀のライネル」等々)。だから後半になるにつれ同じような敵とひたすら戦うことになる。
 また、仕方のないことかもしれないが、Bowの開放感はあまりない。つまり崖を上ったり、敵から身を隠して草原を進み未知なる大地を進んでいくような要素はないし、無双のサクサクさではBowの厳しいながらもゆったりした世界観はあまりマッチしていない。だからBowそのものを求めるべきではない。(そもそもBowでは敵に何度も殺され、一撃死することもザラであった)

ゲームとしては、やはり無双なだけ爽快感があり、絶妙な中毒性がある。基本的にはひたすら敵を薙ぎ倒していき、ボスキャラのゲージを削りスマッシュ攻撃を当て、そして必殺技を放つというような一種の作業プレイだが、私はその作業からどうにも抜け出せず、嫌になりながらも嵌って一気に完全クリアしてしまった。
また本作の最大の特徴は前作にもあった神獣を操作することができることにもある。あの巨大な風体で蟻のような敵を文字通り蹂躙していき、確かにその様は「無双」として相応しい。しかしながら本当の意味で無双できるとも限らず、敵側も数に任せた結構熾烈な攻撃をし、落ちる時はあっさり落ちたりする。ただメインはやはりキャラを操作した今までの「無双」で、それがプレイの大半を占める。

今作もエキゼビジョン・パスとしてDLCが二回にわたって行われた。キャラ、武装、ステージやシナリオが追加され、ボリューム満点だった本作がさらに拡張された。基本はやることは同じで飽きる人もいるだろうが、ツボにハマればどこまでプレイできるゲームである。



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