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ゲーム感想記⑪ イース フェルガナの誓い

「Ⅲ」リメイク


『イースⅥ』の次の作品として発売された『イース フェルガナの誓い』は、『イースⅢ』のリメイク作品である。
 元々『イースⅢ』はイースシリーズとは関係ない別のゲームとして出す予定だった。だが色々あって『イースⅢ』として発売されることになったのだが、元々別ゲームだったため『イースI・II』とは大きくゲーム性が異なった。その最もたるものが、『I・II』ではFC・SFCの『ゼルダの伝説』シリーズのような四方向に進められるものではなく、2Dマリオのように横スクロールになっていることである。ファルコムとしても『イース』の外伝のつもりで出していて、サブタイトルも「Wanderers from Ys」である。
 正直言えば、『イースⅢ』はあまりいい出来ではなかった。悪くはないが、伝説的名作の最初の二作には及ばない、かなりの凡作ゲームという感じだった。
 だがそのリメイクの『フェルガナの誓い』では大きく化けることになった。

リメイク作品として順当

 変化としてはまず『VI』と同じく3D化したということ。これだけでも横スクロールゲームとして異端児だった原作が、イースらしいゲームとなった。
 薄味だったストーリーもベースとなる部分は変わらないまま、大小様々な点においてアレンジされている。原作では単なるボスキャラだったデュランが結構大きな活躍をしたり、メインキャラの敵役でありながら戦うことはなかったチェスターともストーリー上二回戦うことになる。細かいイベントも当然色々追加されている。
 総合的に見ればかなり密度は高くなっており、『Ⅲ』は結構すぐにクリアしてしまったが、今作ではクリアまでに20時間くらいかかった。(下に述べるように戦闘が高難易度だということもあるが)

デュランとチェスター。『イースⅢ』に比べて出番が大きく増えた。

高難易度


 難易度は全体的に高い。ダンジョンを進めていきながら倒していくことになる雑魚敵に関してはそこまでではないが(それでも結構な頻度でゲームオーバーになる)、ボス戦がやばい。
 最初は攻略方法がわからずなす術もなく死んでいくことが多く、何回も死にながら攻略方法を見つけていく「死にゲー」としての要素が強い。アクションゲームのボス戦は基本そういうものといえばそうだが、今作では特に顕著で正しい攻略方法を見つけるために何度もゲームオーバーしては再開することになる。特に最終ボスがかなり酷い。最初は本当に瞬殺されてしまう。最後の最後の球の応酬も結構エグい。(他方で攻略法が分かれば、結構あっさりと勝ててしまうが・・・)

 総合的に見れば高い完成度である。それまでのイースシリーズに比べて相応のボリュームになり、ストーリーもブラッシュアップ、雑魚敵を倒していく爽快感、歯応えのあるボス戦、突出した点はないかもしれないが、バランスがよく基本的に高水準である。シリーズファンはもちろん、歯応えのあるアクションゲームを求めている人におすすめしたい。

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