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「ラグビーのまち」とは何か – 東大阪市

#まちづくり 、という言葉があります。
もしかして、まちづくりとは、役所が生み出した虚構かもしれません。

本記事では、「ラグビーのまち」を材料として、まちづくりへの問題提起をします。

次の文章は、「 #ラグビーのまち 」を標榜する #東大阪市 役所が、私の意見に対して回答をしたものです。

 本市は、高校ラグビーの全国大会の開催地である花園ラグビー場を保有していることから、認知度がある「ラグビー」というキーワードを基礎とし、あらゆるスポーツ活動を通じ、魅力やにぎわいの創出をめざしております。
 ラグビーはもちろんのこと、サッカーや野球、ウィルチェアスポーツなど多種多様なスポーツ活動を推進する施策の推進や、ラグビーのまち誘導区域の設定により、市内外からの来訪者拡大を目的とした各種機能を誘導するとともに市内外へイメージ発信することで、人の交流が育まれる魅力あふれるまちづくりを推進したいと考えておりますので、原案の通りとします。

公聴会における、東大阪市役所から私の意見への回答

役所が作成した文章です、と紹介すると、その内容に真実味が出ます。正しいことが書かれてあるかのような気分を味わえます。

順番が逆になりましたが、私が、上記回答を得ることとなったパブリックコメントなどにおける意見は下記のとおりです。
東大阪市役所が2023年3月に策定することとしている都市計画(案)への、ラグビーに関連する部分に対する意見です。文字数が多くなるため、計画(案)の掲載を省略します。これにより、意味不明な箇所がありますが、私が主張したいことをくみ取って頂ければ幸いです。
上記の市役所の回答に対する、私の反論は、下記に掲載した、私の意見と同一です。つまり、市役所の回答は、引き続き、疑問を生み出しており、正当な回答にはなっていない、ということです。
そういうことから、業者への利益誘導が真の目的だろうなぁ、という思いが生じます。



意見1 ラグビーが盛んなまち

「(10)地域資源」の「ラグビーをはじめとした様々なスポーツが盛んなまち」を削除してください。
「様々なスポーツが盛ん」としながら、ラグビーとウィルチェアスポーツしか記載していません。
「盛んなまち」という東大阪市全体を想起させる表現でありながら、東花園近辺の状況しか記載していません。
大多数の市民は、ラグビーやウィルチェアスポーツを見たり、したりしません。実態からかけ離れたことを書くことによって、本計画の信頼性が低下します。
「世界に知られるラグビーの聖地」という風評は、一般市民にとってはどうでも良いことです。市民にとっての資源ではありません。ラグビー愛好者しか理解できないことを、公共の文書に記載すべきではありません。
市民へのアンケート結果で「まちづくりへの期待」では、「スポーツ活動が盛んなまち」への期待が低いため、本計画に記載する価値はありません。

市民へのアンケート結果 「スポーツ活動が盛んなまち」への期待は低い


意見2 新たな価値を創造する拠点

「花園ラグビー場・」を削除してください。
花園ラグビー場は、趣味・娯楽の施設であるため、市の誇りにはなりません。
ラグビーを愛好していない市民も東大阪市に多数住んでいるのですから、ラグビーという特定の嗜好の施設だけを特段に取り上げることは、公共の計画として不適切です。
ラグビーは、昭和という過去の時代の産物であり、新たな価値を創造することはありません。少子化の影響や趣味娯楽の多様化により、今後、ラグビーが盛んになることはありえません。市役所がラグビーを盛り上げることは、ラグビー関係業者への利益誘導であり、相対的に他の嗜好や他の業者の利益を抑制することとなり、無駄であり、税金の浪費であり、不公平です。


意見3 地域資源の活用

「花園中央公園・花園ラグビー場を」から「更なるにぎわいの創出をめざします。」までを削除してください。
花園ラグビー場は、機能の拡張には限界があり、「更なるにぎわいの創出」は不可能です。市役所が、イベントなどで、一時的な、にぎわっている感を演出することは、着地したにぎわいではありません。
東大阪花園活性化マネジメント共同体が指定管理者になって、にぎわいを創出しているにも関わらず、市役所も創出をすることになると、二重の出費であり、指定管理者を設けた意味がありません。


意見4 人が集う拠点の構築

「3.課題解決のための施策・誘導方針」の「花園ラグビー場や」を削除してください。
市役所が花園ラグビー場を盛り上げる趣旨になっていますが、花園ラグビー場は趣味・娯楽の場であるため、そのような人の交流に公共機関が関与する意義はありません。


意見5 都市機能誘導区域

「03 都市機能誘導区域」から「ラグビーのまち誘導区域」を削除してください。
「ラグビーのまち誘導区域」は、他の誘導区域に比べて広すぎ、不公平です。また、他の誘導区域では客観的で公正な境界線があると思われますが、「ラグビーのまち誘導区域」は、区域の境界の線引きが恣意的です。
他の区域は自然発生的に・歴史的に、にぎわいが育まれてきました。しかし、「ラグビーのまち誘導区域」は多額の公金を投入して人工的に創設したものであり、この区域に利権がある者に恣意的に有利な計らいをしており、不公平です。
「市内外からの来訪者拡大」により「ラグビーのまち誘導区域」への来訪者数が増えたとしても、それは、他へと向かうこととなっていた消費者をこの区域に持ってきたということであり、他の地域で生じる予定だった消費を消滅させているだけです。
「人の交流が育まれる」と記されていますが、ラグビー愛好者の交流を市役所が補助・支援する必要はありません。


意見6 スポーツ関連

「スポーツ関連」を削除してください。
「花園ラグビー場が(中略)ラグビーの西の一大拠点となる」ことは、ラブビーに関心の無い市民からすれば意味のないことです。
東大阪市では、子どもには適切な遊び場が近隣にはなく、道路上で遊んでいる状況です。身近な場所での公共の運動施設はありません。花園ラグビー場近辺だけを豪華にすることは不公平です。このようなことに使うような公的資源の余剰があるのであれば、各々の市民が居住している近隣で、誰もが運動に親しむことができる施設を設けるべきです。


意見7 ラグビー普及啓発事業

「ラグビー普及啓発事業」を削除してください。
ラグビー関係を事業としている民間の業者への利益誘導になっています。ラグビーは趣味・娯楽であるため、ラグビーの普及啓発は民間の事業者が自費で行うべきです。
他の趣味・娯楽を愛好する市民の立場から見れば、不公平です。ラグビーを趣味・娯楽としていない市民も考慮に入れるべきです。
また、SDGsとは関係の無い事業です。

以上は、パブコメでの意見でしたが、2023年1月26日の公聴会で、下記の意見を追加しました。


意見8 利益誘導について

 過疎地であれば、産業がほとんど無いのですから、特定の産業に対して役所が支援し、それによってにぎわいを創出することはあり得ます。
 しかし、東大阪市は過疎地ではなく都会です。趣味・娯楽は多様であり、それに関わる業者も多数存在します。どの産業においても、競合する業者は存在します。
 ラグビーに競合するのは、その他のスポーツ全般です。また、市民の余暇時間を奪う、ということから、文化系の趣味・娯楽とも競合します。
 競合する産業や業者などが存在するにも関わらず、市役所がラグビーに有利に取り計らうことは不当です。
 都会においては、趣味・娯楽によるにぎわいは、役所が推進するものではなく、民間の自助努力によって行われるべきことです。


意見9 内心の自由について

 ラグビーとは、愛好をするための趣味・娯楽です。趣味・娯楽とは、市民個人の自由な内心により選択するべきものです。
 ラグビーの普及啓発を行うことは、ラグビーを愛好する方向へと市民の内心を誘導することになります。
 例えラグビーという趣味・娯楽であったとしても、市民の内心を一定の方向へと、市役所が誘導することは許されることではありません。
 「ラグビーのまち東大阪」を標榜することや、ラグビー選手の格好をした トライくんを露出することは、言語的又は非言語的に、ラグビーに関心を持つように市民に働きかけることになっており、そしてそれがラグビーを愛好するよう誘導することになっており、市民の内心をないがしろにすることになっています。

市の広報誌で「ラグビーのまち」であることを市民に教え込む


市民への通知の封筒でも、ラグビーを意識させる。


生活道を歩いても、ラグビーを市民に意識させる


ふと見上げても、ラグビーを意識させる。私は他の趣味を愛好しているにも関わらず。


2023年9月の選挙でも。これでは反ラグビーの候補者は落選する。


ゴミを捨てる時も、ラグビーを意識させる。
これらを「プロパガンダ」と称しても差し支えはない。

上の写真を見てもらえれば、東大阪市役所が、市民の内心を支配しようとしていることが、お分かりになるだろう。


意見10 ラグビーの将来性について

 他の競技と比較して、ラグビーは、人を楽しませる要素が低いことは明らかです。
 東大阪市では、ラグビーへの公的支援が多いですが、ラグビーによって、市全体が活性化したという思いはなく、日常生活が良くなったという思いもありません。
 これまでも、花園中央公園で市役所主催のイベントが実施されましたが、 花園ラグビー場でラグビー観戦をする人の数は、晴天に恵まれ無料であったにも関わらず、少なかったです。
 市役所からの支援が無ければラグビーの裾野が広がらず活性化しないということは、ラグビー自体に魅力が無い、ということです。
 魅力の無いラグビーを、市役所が普及啓発する必要はありません。


(画像)2021年10月2日(土) 花園ラグビーの日制定記念イベント


(画像)2021年10月2日(土) 花園ラグビーの日制定記念イベント 試合前の練習風景

上の写真のイベントは全戸配布の市の広報誌で周知され、
イベントに飢えたコロナ明け(席を1個空けて着座する)で、
好天に恵まれた土曜日に、
無料であるにも関わらず、
大量の空席があり、座席は真っ赤に染まりました(文学的な表現?)。
ラグビー競技そのものには興味はなく、隣同士で終始話をしている人達もいました。


(画像)2022年10月8日(土)東大阪市花園ラグビー場 イベントのチラシ


(写真)2022年10月8日(土)東大阪市花園ラグビー場 その1


(写真)2022年10月8日(土)東大阪市花園ラグビー場 その2

2022年10月8日(土)東大阪市花園ラグビー場
花園近鉄ライナーズ対NTTドコモレッドハリケーンズ大阪のスペシャルマッチ
市の広報紙で周知され、入場無料で、好天に恵まれたが、観客席は、座席の色で真っ赤に染まった。前年(2021年)も観客数は少なかった。

東大阪市は、東大阪市花園ラグビー場の維持管理を、民間の業者に委託しています。

これに関する令和4年度の資料を、下の図のとおり、情報公開請求で取り寄せました。
市は、税金を原資とする116,260千円(約1億2千万円)を業者に支払っています。
業者は、芝生(しばふ)の維持管理のために、他の業者に委託し(再委託)、約4千万円を支払っています(下の図の赤い枠)。

令和4年度 花園ラグビー場 収支報告書


花園ラグビー場の芝生の維持管理に年間約4千万円の税金が使われている


東大阪市役所が言うところの「魅力やにぎわいの創出をめざしております。」とは、ラグビー愛好者にとっての「魅力」であり、ラグビー愛好者の「にぎわい」です。
また、「人の交流が育まれる魅力あふれるまちづくり」とは、ラグビー愛好者の「交流が育まれる」、ラグビー愛好者にとっての「魅力あふれるまちづくり」なのです。

以上