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民族学級とは

2021年6月18日(金) 西野弘一(にしの こういち)氏(元衆議院議員。東大阪市)のツイートにより、民族学級のあり方について問題提起がなされた。

このツイートに関して、私が東大阪市役所あてに出した質問及び回答は、次のページに記載しました。

上記ツイート等の後、次のツイートもありました。


下記の記事では、民族学級とは何かについてネットに流布する、大阪府に関する情報を基に見ていきます。



1.定義

民族学級:朝鮮人を対象に朝鮮語その他を習得させることを目的として日本の公立学校に設置されたもの。通常、朝鮮人講師が担当する。

(資料出所)滋賀県立大学人間文化学部 河ゼミ 2005年5月10日 ゼミ発表レジュメより


2.実施の模様


(1)守口市立 樟風(しょうふう)中学校(大阪府)

樟風中では、(中略)外国にルーツがある生徒たち(※)がその個性をありのままに伸ばせるよう国際理解教育の一環として課外に「民族学級」を設置しています。
「民族学級」では、専任講師の指導により、ことばの学習・民族楽器演奏・伝統工芸・民俗あそび・料理づくり等の活動を行います。立場を同じくする仲間(2016年度 13名在籍)が、外国にルーツがあることに誇りを持ち、楽しい活動を通じてきずなを深め合い、大きな可能性を見出しながら、成長することを願っています。
(中略)「民族学級始業式/修了式」を学校行事として行うことで、民族学級の仲間を正しく理解し、ともに学び生きていく大切さを知るきっかけとします。
 また、放課後のクラブ活動においても「はんぐる(韓来)クラブ」を設置し、文化発表会には、民族学級と合同の楽器演奏で出演します。(中略)
※国籍を問わず両親のいずれか、又は祖父母のいずれかが外国にルーツがある生徒

大阪府 守口市立 樟風(しょうふう)中学校


(2)泉大津市立 戎(えびす)小学校(大阪府)

【民族学級】 2021-06-11 17:36 up!

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大阪府 泉大津市立 戎(えびす)小学校

アンニョンハセヨ!
3年生は、学習の後にチェギチャギ(チェギという羽を蹴る遊び)をしました。
初めての遊びに大喜びで、勢い余って靴を飛ばしてしまう子もいるほど!
3月までにどれだけ続けてできるようになるでしょうか?
4年生は、先週に引き続き、母音の学習をしました。
「逃走中」は、2回目ということもあり、探すのも隠すのも上手くなってきました。
5・6年生は、日本と韓国・朝鮮の「端午の節句」の学習をしました。
爆弾ゲームでは、「ゴロゴロ…」「ドカン」を韓国・朝鮮の言葉でチャレンジ!
みんなで楽しく盛り上がりました。

大阪府 泉大津市立 戎(えびす)小学校


3.制度と運用

●国では、
・異文化を尊重する態度
・異なる習慣・文化を持った人々と共に生きていく態度
を育成すると定めている。
民族学級という文言は無い。

●大阪府では、国の方針を拡張させ、民族学級の設置を認め支援することになっている。そこでは、韓国・朝鮮人として「自らの誇りと自覚が高められるよう」支援に努める必要がある、としている。

●東大阪市では、民族学級という用語を制度上使ってはいない。その代わり、「母国語学級」という用語を使って、同じような内容の教育を施している。

●在日韓国・朝鮮人の立場では、民族学級は韓国・朝鮮人のアイデンティティの確立をめざしている。名前や、家族がどのように日本へ渡ってきたかなどの問題について、同じルーツを持つ児童たちが一緒に向き合うことになっている。

以下、詳細に見ていきます。


4.国における根拠

国では、人権教育・啓発に関する基本計画(取りまとめは法務省)を根拠にしています。
平成14(2002)年3月15日閣議決定(策定)
平成23(2011)年4月1日閣議決定(変更)

(7) 外国人 31ページ

しかし,現実には,我が国の歴史的経緯に由来する在日韓国・朝鮮人等をめぐる問題のほか,外国人に対する就労差別や入居・入店拒否など様々な人権問題が発生している。

人権教育・啓発に関する基本計画(法務省)

学校においては,国際化の著しい進展を踏まえ,各教科,道徳,特別活動,総合的な学習の時間といった学校教育活動全体を通じて,広い視野を持ち,異文化を尊重する態度異なる習慣・文化を持った人々と共に生きていく態度を育成するための教育の充実を図る。(文部科学省)

人権教育・啓発に関する基本計画(法務省)


5.大阪府

大阪府での担当は、大阪府 府民文化部 人権局 人権企画課 企画グループ です。

2021年6月、私(この記事の著者)が、府の担当あてに電話で問い合わせたところ、
人権教育・啓発に関する基本計画」(上記の国の計画)
大阪府在日外国人施策に関する指針」(総合的な観点から)
人権教育基本方針・人権教育推進プラン」(教育の観点から)
民族学級の根拠であると教えて頂きました。


(1)大阪府在日外国人施策に関する指針(2023年3月)

令和5年(2023年)3月改訂版

第1 指針改正の背景
2 大阪で暮らす在日外国人の状況
(2) 国籍・地域別の状況

 大阪府で暮らしている外国人の約4割は、韓国籍・朝鮮籍の人です。その多くは、日本が朝鮮半島を領土としていた歴史的経緯により、第二次世界大戦以前から暮らしている人とその子孫であり、戦後、様々な事情から日本にとどまることとなった方々です。全国の韓国籍・朝鮮籍の人々のうち大阪で暮らす人々の割合は約2割であり、大阪が最も多い都市となっています。

令和5(2023)年3月改正 大阪府在日外国人施策に関する指針 


第3 在日外国人施策の基本的方向
6 国際理解教育・在日外国人教育の充実
在日外国人教育の充実

 在日外国人教育については、「在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の指針」(注21)などこれまでの経験と成果を生かし、蓄積されてきたノウハウ等の活用を図りつつ、指導内容・指導方法等を工夫改善するよう努めるとともに、在日韓国・朝鮮人をはじめ在日外国人の児童・生徒が、課外の自主活動(民族学級、国際クラブ等)などを通じて、歴史、文化、言語等について学習できる環境の醸成に努めます。
 また、在日外国人児童・生徒が、自らに誇りを持つとともに、本名を使用できるよう環境の醸成に努めるとともに、将来の進路を自ら選択し、自己を実現し得るよう、関係諸機関と連携しながら適切な指導に努めるなど、進路指導・キャリア教育のさらなる充実を図ります。

令和5(2023)年3月改正 大阪府在日外国人施策に関する指針

(注21)昭和63(1988)年策定、平成10(1998)年一部改正


(2)人権教育基本方針・人権教育推進プラン(2018年3月)

平成11年(1999年)3月策定
平成30年(2018年)3月改訂

人権教育基本方針」では、人権教育を総合的に推進するための基本的な考え方を示した。この記事では省略する。

人権教育推進プラン」では、人権教育について、「人権及び人権問題を理解する教育」「教育を受ける権利の保障」「人権が尊重された教育」の3側面から基本方向を示し、学校教育、社会教育での具体的施策の推進方向を示した。次は、「人権教育推進プラン」の抜粋である。

1.基本的推進方向
(1)人権問題の状況 2ページ

また、在日外国人については法的地位の向上や民族性の尊重等の課題もある。

人権教育推進プラン

(3)基本方向
イ.教育を受ける権利の保障 6ページ

在日外国人の子どもの教育については、異なる文化・習慣・価値観等を持った人々がそれぞれのアイデンティティを保ちながら共に生きる社会の実現をめざし、一人ひとりの子どもが将来の進路を自ら選択し、自己実現を図ることができるよう適切に指導する必要がある。
また、在日外国人の子どもが本名を使用することは、本人のアイデンティティの確立に関わる事柄であることから、これらの子どもが自らの誇りと自覚を高め本名を使用できるよう環境づくりを進めるとともに、在日外国人の子どもを学校全体で受け止め、全ての子どもがそのことを理解できるよう教育を進める。
在日韓国・朝鮮人の子どもについては、これまでの歴史的経緯を踏まえ、課外の自主活動(民族学級等)を活用して、歴史、文化、言語等についての学習ができる環境の醸成に努めるなど、自らの誇りと自覚が高められるよう、市町村とも連携して、学校の実態に応じた支援に努める必要がある

人権教育推進プラン


(3)大阪府在日外国人施策に関する指針(2002年12月)

本指針は、当初、平成14年(2002年)12月に策定されました。
最新版は、令和5年(2023年)3月の改正版です。
この改正にあたり、議論がありましたので、当初(2002年12月策定)の指針も見ておきます。

平成14(2002)年3月、大阪府在日外国人問題有識者会議から、在日外国人に対する施策を総合的に推進していくための「大阪府における在日外国人施策に関する指針について」の提言がなされました。

大阪府では、この提言を踏まえ、「大阪府在日外国人施策に関する指針」を策定しました。次は、2002年12月版の抜粋です。

第1 大阪府における在日外国人の状況
1 外国人登録者数

 このうち、歴史的な経緯(注3)を有する韓国籍・朝鮮籍の人々は、大阪府に居住する外国人の約4分の3に相当する約16万人であり、日本に居住する韓国籍・朝鮮籍の人々の約4分の1を占めている。
(注3)「歴史的な経緯」
過去の植民地支配により、多数の朝鮮の人々が日本に来ることを余儀なくされ、その中の多くの人々が軍需産業や建設作業などに従事させられた。今日の在日韓国・朝鮮人の多くは、戦後帰国できず、日本にとどまることになった人々とその子孫である。

2002年12月版 大阪府在日外国人施策に関する指針

2 在日外国人の人権をめぐる国内外の動向
(2)府における動き

 また、平成13(2001)年3月に大阪府人権施策推進審議会からの答申を受けて、「大阪府人権施策推進基本方針」を策定した。その中で外国人に関する取り組むべき課題として、就労における差別や入居差別などの問題や、差別を回避するために、その意に反して本名ではなく日本名(通名)で生活せざるをえない在日韓国・朝鮮人もいるといった問題を指摘するとともに、人権意識の高揚を図るための施策や人権擁護に資する施策などの基本方向を定めている。

2002年12月版 大阪府在日外国人施策に関する指針

3 在日外国人施策に関する取組みと課題
(4)教育にかかわる分野

在日外国人教育については、自己の文化、言語、伝統にふれる機会を提供し、在日外国人の児童・生徒が自らの誇りや自覚を高め、本名を使用できるような環境の醸成に努めるとともに、新たに渡日した児童・生徒に対する日本語指導を充実するなど、児童・生徒が将来の進路を自ら選択し自己実現を図ることができるよう指導する必要がある。
(中略)
 このような観点から、大阪府では昭和63(1988)年に「在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の指針」を、平成11(1999)年には、人権教育を総合的に推進するための「人権教育基本方針・人権教育推進プラン」を策定したところである。

2002年12月版 大阪府在日外国人施策に関する指針

第3 基本方向と推進方策
4 国際理解教育・在日外国人教育の充実
(3)在日外国人教育の充実

在日韓国・朝鮮人児童・生徒については、課外の自主活動(民族学級等)などを通じて、歴史、文化、言語等について学習できる環境の醸成に努める。
 また、在日外国人児童・生徒が、自らの誇りや自覚を高め、本名を使用できるよう環境の醸成に努めるとともに、将来の進路を自ら選択し、自己を実現し得るよう、関係諸機関と連携しながら適切な指導に努めるなど、進路指導の充実を図る。
 とりわけ、在日韓国・朝鮮人児童・生徒については、「在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の指針」に基づき指導に努める。

2002年12月版 大阪府在日外国人施策に関する指針


(4)大阪府議会(2021年9月)

2023年3月版への指針の改訂をめぐり、パブコメにおいて議論の発端になったのが、次の、西野弘一議員による府議会での質疑です。西野議員は2002年12月版の指針に対して言及しています。

大阪府 令和3年(2021年)9月定例会本会議(2) 12月03日(金)-11号

大阪府議会本会議 2021年12月3日(金)西野弘一議員

○副議長(杉本太平君) 次に、西野弘一君を指名いたします。西野弘一君。
◆(西野弘一君) 西野弘一です。
 委員会に次いでこの問題を取り上げたいんですが、私の地元のある小学校で、ある子どもさんなんですが、その子どもさんのお母さんは韓国にルーツのあるお母さんでしたけれども、日本籍です。子どもさんも当然日本籍で、名前はもちろん日本の名前しかありません。その子に対して、一部の教員が、あなたは朝鮮にルーツがあるからということで朝鮮読みのあだ名をつけて呼んでました。お母さんは、それはもう困ると、嫌だということで、何年もそういうふうにおっしゃったんですけれども、全然改善されませんでしたので、私のところに相談がありました。
 それで、学校に行きまして話をしまして、ようやく、嫌だと言っている御家庭のところについては、その日本籍の子どもにルーツがあるからといって朝鮮のあだ名をつけないということになったんですが、本当にそれでいいのかなということを今日は質疑をさせていただきたいと思います。
 学校側は、親の承諾があれば引き続きその朝鮮読みのあだ名で呼びますというふうに言ってるんですけれども、私はそれは本人がいいからといって言っていいもんじゃないと思ってまして、例えばその子どもさんが花子という日本の名前だとします。朝鮮読みするとファジャというらしいんですけれども、じゃその子どもさんだけを学校側はファジャさん、ファジャちゃんと呼んでると、周りの子どもから見たら何か特別扱いされているように見えるんじゃないかなと。それが妬みとか嫉妬を生みまして、それが日本人の子ども同士の中でルーツによって分断を招くんじゃないかなと、私はそう思ってるんです。
 先日の教育常任委員会におきましても、この点について知事に質問しましたら、知事からも、原則本名で呼ぶべきだと御答弁をいただきました。
 日本籍の子どもに対しては、原則本名で呼ぶことについて、例えば指針などで示すことができないのか、教育長のお考えを伺いたいと思います。
○副議長(杉本太平君) 教育長橋本正司君。
◎教育委員会教育長(橋本正司君) 子どもの名前につきましては、日本籍の子ども、外国籍の子ども、いずれも、学校において、子どもの学籍を管理する公簿であります指導要録には本名を記載するよう、これまでから通知をいたしております。学校での子どもの呼び方につきましては、その記載に基づき、本名で呼ぶことが基本でございます。
 一方で、家庭生活の状況などを踏まえ、教育的観点から通称で呼ぶことが望ましい場合もありますことから、保護者の意向も確認しつつ、適切に対応していく必要がございます。
 このような認識の下、府教育庁として、改めて名前の扱いにつきまして、市町村教育委員会及び府立学校に指導してまいります。
○副議長(杉本太平君) 西野弘一君。
◆(西野弘一君) 今の御答弁で、家庭生活の状況などを踏まえ、例外的に教育的観点から通称で呼ぶことが望ましい場合もあるということですけれども、恐らく想定されてるのは、離婚されて、どうしても旧姓でそのまま呼んでほしい場合とか、外国籍の方でふだんいわゆる通名というか通称名を使っておられる方がそれを使いたいとか、そういう場合には今御答弁でありましたような教育的観点から通称で呼ぶこともあるというふうに思いますけれども、しかし先ほど私が申し上げたのは、そうではなしに、保護者の了承を得れば本名に関係なくそういう韓国読みのあだ名で呼んでいいということを保護者に改めて確認してるんですね。これは、いわゆる原則本名ということではなくて、原則保護者の承認みたいな形になってると思いますので、今教育長が答弁された、例外には全く当てはまらないと思うんです。
 日本籍、日本名しかない子どもに対して、韓国名のあだ名をつけることは、保護者の了承を得る得ないにかかわらず、これは完全に逸脱していることだと思ってますんで、改めてお尋ねしますけれども、原則本名を徹底し、保護者の意向にかかわらず、日本籍の子どもは日本名とすべきと考えますが、教育長のお考えを伺いたいと思います。
○副議長(杉本太平君) 橋本教育長。
◎教育委員会教育長(橋本正司君) 子どもの名前の呼び方につきましては、本名が基本でございます。議員お示しのケースにつきましては、原則から逸脱しているというふうに考えられ、府教育庁として指導すべき事案というふうに考えております。
○副議長(杉本太平君) 西野弘一君。
◆(西野弘一君) 逸脱していると、指導すべきことと認識しているとしっかり御答弁いただきまして、本当にありがとうございます。引き続き、徹底的に指導いただきたいなということをお願い申し上げたいと思います。
 続いて、大阪府在日外国人施策に関する指針の記載について伺いたいと思います。
 府は、平成十四年に策定した大阪府在日外国人施策に関する指針に、府における在日外国人の状況として、「歴史的な経緯を有する韓国籍・朝鮮籍の人々は、大阪府に居住する外国人の約四分の三に相当する約十六万人であり、日本に居住する韓国籍・朝鮮籍の人々の約四分の一を占めている。」と記載されています。
 さらに、この「歴史的な経緯」というところに注釈がついていまして、その注釈には、「過去の植民地支配により、多数の朝鮮の人々が日本に来ることを余儀なくされ、その中の多くの人々が軍需産業や建設作業などに従事させられた。今日の在日韓国・朝鮮人の多くは、戦後帰国できず、日本にとどまることになった人々とその子孫である。」と記載されていますが、これは全くの事実誤認だらけで、こういう府が出す指針なのにこんなでたらめなことをよく並べたなというふうに私は思ってます。
 まず、日韓併合は一九一〇年ですけれども、それ以降、いわゆるさきの大戦までの間に百万人ぐらいの方が、当時の言い方でいうところの日本内地に住まれるようになったんですけれども、この頃、朝鮮半島から日本の内地に移入してくる方があまりにも多かったので、どちらかというと移入を制限するような政策が取られてました。
 例えば、一九三四年当時の岡田内閣は、「朝鮮人移住対策ノ件」を閣議決定しまして、朝鮮からの移入を阻止するために朝鮮とか満州の開発をして、そちらで仕事を見つけてもらおうということをやったりとか、密航が横行してましたので密航の取締りを強化することを閣議決定してるんですね。この指針にあるように、「余儀なくされた」ということであれば、移入を阻止する政策を打つはずがないと私は考えています。
 さらに、終戦時には、二百十万人の朝鮮半島出身者が日本内地に在留していたのですけれども、「余儀なく」というと、大体イメージとしてはいわゆる戦時の徴用を連想する方が多いと思うんですけれども、これも外務省の発表によりますと、戦時徴用は実際のところ二百四十二人だけだったということですから、二百十万人中の二百四十二人だけですので、この文章にあるような多くが「余儀なくされた」という表現はちょっとやっぱり実態と合ってないというふうに私は考えています。
 これは、歴史認識とか、アイデンティティーに関わる一番大事な問題でありますし、ましてや府の人権政策の根幹に関わる--この指針に書いてある文章でありますので、ここをこういった事実誤認がある状況のまま、「多数の朝鮮の人々が日本に来ることを余儀なくされ」たという反日史観みたいなものをこのまま指針に記しとくのはどうかなというふうに思ってるんですけれども、府が誤った歴史観に基づいて指針を定めているというのは問題であると思います。
 早急に見直すべきと考えていますが、知事のお考えを伺いたいと思います。
○副議長(杉本太平君) 知事吉村洋文君。
◎知事(吉村洋文君) 戦前から戦後にかけて、朝鮮半島から日本に来られたり、あるいはその後とどまることになった方々、これは様々な経緯があるというふうに認識をしています。
 議員御指摘の大阪府在日外国人施策に関する指針につきましてですが、これは策定からもう二十年近く経過しているものでもあります。一層の多文化共生社会を今日的課題も含めて目指していく中で、この指針そのものについて見直しをしていきたいと思います。
○副議長(杉本太平君) 西野弘一君。
◆(西野弘一君) この指針そのものを見直ししていきたいという御答弁でありますので、ぜひ早急に見直していただきたいと思います。見直すとおっしゃっていただいたので、再質問はもういたしませんけれども、実は昭和三十四年にも外務省が改めて発表しているものがありまして、その当時、第二次大戦中、内地に渡来した朝鮮人で現在日本に居住している朝鮮人の大部分は、日本政府が強制的に労働させるために連れてきたものであるというような誤解や中傷が世間の一部で行われているが、これは事実と反すると発表されました。その後、具体的にいろんな数字を発表されています。
 戦争が始まるときには百万人だった方々が、終戦直前には二百万人に達していたということを先ほど申し上げましたけども、この増えた百万人のうちの七十万人は個別にこの日本内地で職を求めてきた人だと、もしくはその方々の子どもさんだということです。残りの三十万人の大部分は、土木事業とか当時大きな事業がありまして、その事業のたびに集団募集をしてた、そういったものに応じて自由契約に基づいて渡来したものであると数字も述べておられて、先ほども申し上げたように、いわゆる徴用で来られたというのは二百五十四人にすぎないということであります。
 さらに、日本に残らざるを得なかったというか、帰れなかったというような言い方をされてるんですけど、そこも帰国できず日本にとどまることになった人々とその子孫という言い方がありますけれども、これも事実と違いまして、その同じ外務省の発表によれば、一九四五年八月から一九四六年三月までの間に日本政府の用意した船で九十万人が引き揚げられました。個別的に個人で船を調達して帰られた方がさらに五十万人、計百四十万人が帰られたと。さらに、その中でも、いわゆる徴用の労働者は優先的な便宜が図られたということでありますから、その二百四十五人の方についてもほぼ引揚げをされたということであります。
 さらに、その四十六年三月に、当時のマッカーサーの命令で、日本は残っていた六十万人にも帰国希望の調査をかけてまして、その中でさらに八万人が引き揚げたということでありますので、知事は見直していただけるということでありますけれども、こういった部分については、必ず事実に沿った正しい歴史認識の下、見直しが図られることをお願い申し上げておきます。
 この指針は、太田房江知事時代の二十年前の指針でありまして、それから二十年たって、歴史的な事実というものもかなり明らかになってることもたくさんあると思いますし、今日はこの部分だけ取り上げましたけれども、この外国人施策の指針についても、様々な部分で現在我々が考えている、認識していることとは違っているところも多くなってきてますし、また時代にも合っていないところがたくさん出てきていると思いますので、しっかりと早急に見直しをいただきますようにお願い申し上げたいと思います。

大阪府議会  令和3年(2021年)9月定例会本会議(2) 12月3日(金)-11号


(5)指針の改正作業(2022年11月~2023年3月)

大阪府在日外国人施策有識者会議では、令和4年(2022年)11月21日第48回会議以後、指針の改正について、下記のとおり、議論がありました。
2022年11月21日に未定稿版指針(案)が示されたものの、その後、修正されました。通常では、このような修正はあり得ないため、注目に値すると思われます。

ア.令和4年(2022年)11月21日

令和4年(2022年)11月21日第48回有識者会議に提出された、未定稿版の指針(改正案)では、「歴史的経緯を有する韓国・朝鮮の方々」に関する記述は次のとおりでした。

未定稿版 大阪府在日外国人施策に関する指針(改正案)(2022年11月21日配付資料)
第1 指針改正の背景
2 大阪で暮らす在日外国人の状況
 (2) 国籍・地域別の状況 8ページ

 大阪で暮らす在日外国人を国籍・地域別に見ると、令和3(2021)年12月末においては 166の国籍・地域となっており、指針策定時の140の国籍・地域と比べると、国籍・地域の数が増えています。
 大阪には歴史的経緯を有する韓国・朝鮮の方々が多く暮らしています。令和3(2021)年12月末では、韓国3(90,873人、36.9パーセント)、朝鮮(4,148人、1.7パーセント)であり、あわせると95,021人、大阪で暮らす在日外国人の約39パーセントとなります。また、全国の韓国・朝鮮の人々(436,167人)のうち大阪で暮らす韓国・朝鮮の人々の割合は約21パーセントであり、大阪が最も多い都市となっています。

2022年11月21日 第48回大阪府在日外国人施策有識者会議 配付資料 未定稿版 指針(改正案)  8ページ

この記述に対して、会議の場で、有識者から、次の発言がありました。

● 8頁の大阪の「歴史的経緯を有する韓国・朝鮮の方々」の表現を考えるにあたって、改正案ではそれ以上の説明が書かれていない。せめて府の人権啓発資料「ゆまにてなにわ」に書かれている内容と同程度の記載が必要と思う。「歴史的経緯を有する」では意味が分からない。2頁の国際的な動きの記述は不十分だと思う。

2022年11月21日 有識者会議 主な発言


イ.パブリックコメント(2022年12月から2023年1月)

2022年11月に公開された未定稿版指針改正案に対する、府民からのパブコメ意見は、2023年3月31日に公表され、194 者(団体を含む)から207件(うち意見の公表を望まないもの35件)の投稿がありました。

分量が多いため、次の記事に書きました。


ウ.令和5年(2023年)3月17日

令和5年(2023年)3月17日第49回有識者会議に提出された、指針(改正案)では、「歴史的経緯を有する韓国・朝鮮の方々」に関する記述は次のとおりに修正されました。

大阪府在日外国人施策に関する指針(改正案)(2023年3月17日配付資料)
 第1 指針改正の背景
2 大阪で暮らす在日外国人の状況
 (2)国籍・地域別の状況 8-9ページ

 大阪で暮らす在日外国人を国籍・地域別に見ると、令和4(2022)年6月末においては170の国籍・地域となっており、指針策定時の140の国籍・地域と比べると、国籍・地域の数が増えています。
(中略)
 大阪府で暮らしている外国人の約4割は、韓国籍・朝鮮籍の人です。その多くは、日本が朝鮮半島を領土としていた歴史的経緯により、第二次世界大戦以前から暮らしている人とその子孫であり、戦後、様々な事情から日本にとどまることとなった方々です。全国の韓国籍・朝鮮籍の人々のうち大阪で暮らす人々の割合は約2割であり、大阪が最も多い都市となっています。

2023年3月17日 第49回大阪府在日外国人施策有識者会議 配付資料 指針(改正案)  8-9ページ


(6)府議会議員選挙(2023年4月)

令和5年(2023年)4月9日執行 大阪府議会議員選挙結果
東大阪市地区で、西野弘一氏(大阪維新の会)がトップで当選しました。内海公仁氏(日本共産党)は落選しました。

2023年4月9日執行 大阪府議会議員選挙 結果

選挙期間中の、西野氏の選挙の広報誌は次のとおりです。


6.東大阪市

(1)基本方針

東大阪市には、「東大阪市人権学習プログラム」(平成18(2006)年3月  策定)があった。現在は、無い模様である。
東大阪市教育委員会が策定したのであって、行政ではない。
この「東大阪市人権学習プログラム」で、次の方針及びプランが策定されていることが説明されている。

・「東大阪市人権教育基本方針
 2003年(平成15年)3月20日策定
 2021年(令和3年)3月改訂

・「東大阪市人権教育推進プラン」(2022年2月現在市のホームページには掲載されていない) 
 2004年(平成16年)2月策定
 2021年(令和3年)3月改訂(民族学級に関して改訂は無い)

これら文書には、民族学級という言葉は無く、「母国語学級」という名称が用いられている。

次は「東大阪市人権教育推進プラン」の一部です。

Ⅱ 領域別推進プラン
在日外国人教育の推進
(2)教育推進の方向性
〈学校教育分野〉

②在日韓国・朝鮮人教育の推進
 学校園では、在日韓国・朝鮮人が置かれてきた歴史的・社会的経緯を理解する学習を進め、差別や偏見をなくし、互いに尊重し合う社会をめざし、在日韓国・朝鮮人の子どもたちが自らの誇りと自覚を高め、本名が使用できる支援とそのための環境の醸成に努めます。また、学校は進学・就職上の差別をなくすよう関係諸機関との連携を密にし、在日韓国・朝鮮人の子どもたちの進路について適切な指導に努めるとともに、計画的・系統的な研修を通じて、韓国・朝鮮に対する正しい認識を深める教育活動を推進します。
 さらに、これまでの歴史的経緯をふまえ、課外の自主活動(母国語学級等)を活用して歴史・文化・言語等についての学習ができる環境の醸成にも努めます。

東大阪市人権教育推進プラン 改訂版 11ページ


次は、2018年時点での、母国語学級の活動の紹介です。

(写真データ)

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母国語学級の活動

(文字データ)

●名称「母国語学級」
学校によっては、「ムグンファの会」「アリランの会」「サントッキの会」など独自に名称をつけている場合もあります。
●活動内容
学校教育目標や指導計画に基づきながら、南北の統一的な立場に立ち、母国語(韓国・朝鮮語)を中心に、文化・芸術・歴史等を学習しています。
年に一度、「朝鮮文化に親しむ東大阪子どもの集い」で学習の成果を発表しています。
●設置している学校数
・小学校 14校
・中学校 14校
●お問合せ
東大阪市 教育委員会事務局学校教育部 人権教育室

母国語学級の活動

朝鮮文化に親しむ東大阪子どもの集い(下の写真)

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朝鮮文化に親しむ東大阪子どもの集い


(2)予算

令和4年(2022年)度予算

項目          予算額  備考
在日外国人教育推進経費 4,441千円 母国語学級指導員経費等


(3)東大阪市議会

●東大阪市議会 令和3年11月第4回定例会 令和3年(2021年)12月7日(火) 野田彰子(のだ しょうこ)議員

東大阪市議会 令和3年11月第4回定例会 2021年12月7日 野田彰子 議員


東大阪市議会 令和3年11月第4回定例会 2021年12月7日 野田彰子 議員

野田彰子(のだ しょうこ)議員
 最後に、民族学級の取組についてお尋ねいたします。
 国際社会の中の日本、多文化共生、国際理解は当然のことながら、自国に誇りを持ち、他国を尊重するのが教育の趣旨、また、この観点からの民族学級と理解をいたしております。しかしながら、当市の公立小学校において趣旨に反する、日本籍の子供たちが本名でない他国のあだ名で呼ばれている実態があります。学校での名前の呼び名は、在日外国籍の児童生徒の通称名と、離婚などでの旧姓の使用を除き、本名であるべきだと思います。東大阪市の認識はいかがでしょうか。
 このことは、保護者の方々が学校に再三やめてほしいと要望されているのにもかかわらず、対応がなされず、既に報道もされ、他市の議員のネットからも指摘もあり、炎上するという事態にもなっております。そもそも民族学級とは課外授業のはず。それを執拗に勧めたり、やめたいというのを聞いてもらえない、また、日本人の子供は見学の立場での参加しかできないことも理解に苦しみます。民族学級の基準、根拠、目的をお答えください。
 人として名前は、大切な、親から子供への世界一の贈物だと思います。たとえ本人、保護者が望んでいても、学校として本名で呼ばずに、他国読みや、あだ名で呼ぶことは、子供同士の分断が起こり、不適切だと考えます。まして、子供も保護者もやめてほしいと懇願されていた事実に、なぜ適切な対応を即座に取らなかったのか、お答えください。
 その上、いまだに同じ講師を常勤させていることはいかがなものでしょうか。
 また、大阪府下で3名しかいない中、2名もの常勤講師がいる必要性をお答えください。
 私は、さきに述べた趣旨の下であれば、民族学級そのものは大いに賛成であります。しかしながら、大切な教育の現場でこのようなことが長期にわたり行われているのは大変悲しく、子供たちに申し訳なく思います。相談者の中には、両親も帰化、日本名しかないのに、6年間、外国読み、あだ名で呼ばれ、卒業後、中学に入ってもあだ名が定着、子供自身で説明して、呼ばないよう、その都度お願いをしてきていると保護者の方からお聞きもしました。また、ルーツ、国籍を御家庭で話をしていない子供にも、講師から伝えるという、看過できない行為もあったと聞いております。人権侵害とも言えるこの教育現場を今後どう改善されるのか、お答えください。

◎諸角 教育次長
 次に、民族学級の取組についてでございますが、学校での名前の呼び方に関する本人や保護者の意向には、在日外国籍の児童生徒の通称名の使用や、旧姓の使用、祖父母等が外国籍であることによる民族名の使用など、様々でございます。本人や保護者の意向に沿うことも重要であると考えますが、原則、本名であるべきと認識しております。
 民族学級設置の目的は、歴史、文化、言語等についての学習を通じて、自らのルーツへの認識を深め、子供一人一人のアイデンティティーを確立すること、また、活動を通じて、周りの日本人の子を含めた全ての子供が国際理解を深め、差別や偏見をなくし、互いに学び合う意識や態度を育む、いわゆる違いを豊かさと捉える学びを積み重ねることです。明確な設置基準はございませんが、子供や保護者の要望、学校の状況を鑑みて、講師の派遣等の支援を行っております。
 また、設置の根拠は、大阪府在日外国人施策に関する指針や、東大阪市外国籍住民施策基本方針等にあるものと認識しております。
 子供や保護者への対応については、保護者と共通理解を図ろうと繰り返し話合いを持っておりましたが、子供や保護者の思いを十分に理解することができなかったことで、その思いに応えられない状況が継続したものでございます。今後については、本人や保護者の意向に沿わない形で名前を使うことや、ルーツを明らかにすることは、決してあってはならないことであると考えております。子供の成長段階に応じて、その意向の変化にも柔軟かつ丁寧に対応する必要があることから、これまで以上に、一方的な考えを押しつけることなく、十分に話合いを行うなど、全ての人の人権を守っていくことを基本として、教育活動を進めてまいります。
 なお、常勤の講師については、本市の実態に応じて、府に多文化共生、国際理解教育の推進において必要性を伝えているものでございます。その状況について共通理解を図り、最終的にはその配置については、府が決定しているものでございます。
以上でございます。

東大阪市議会 令和3年11月第4回定例会 2021年12月7日 野田彰子 議員


●東大阪市議会 令和4年6月第2回定例会 令和4年(2022年)6月16日(木) 野田彰子議員

https://higashiosaka.gijiroku.com/gikai/GikaiDoc/attach/koho/KhB578_6.pdf

東大阪市議会 令和4年6月第2回定例会 2022年6月16日 野田彰子議員


野田彰子(のだ しょうこ)議員
12月議会では明確な答弁も頂けず、その後の委員会でも同様、大阪府の答弁からのそごの説明もなく、新学期を迎えております。人として大切な名前を本人が希望してない呼び名、また、保護者からやめてほしいと訴えているのにもかかわらず、本名でない名前で呼んでいること、課外授業であるのに、執拗に勧めたり、やめたいと申し出てもやめられない実情、大阪府下に3名しかいない講師の中、常勤講師が2名もいる必要性、数点の指摘から改善はございましたでしょうか、お答えください。
 そもそも民族学級の根拠、目的を明確にして、公教育においての基準をお示しください

◎森田 教育次長
 民俗学級に係る数点の御質問に答弁申し上げます。
 まず、子供の呼び名については原則本名を使うべきであり、本人や保護者の意向に沿わない形で名前を使うことや、ルーツを明らかにすることは決してあってはならないことであります。この間学校に対しては、一方的な考えを押しつけることのないよう指導してまいりました。現在学校は保護者、本人の意向を踏まえた対応を進めております。
 次に、教育委員会では、民族学級の目的を、子供がルーツへの認識を深め、一人一人のアイデンティティーを確立すること、また、活動を通じて、周りの日本人を含めた全ての子供が国際理解を深め、互いに学び合う意識や態度を育む取組を積み重ねることとしています。その根拠は、大阪府在日外国人施策に関する指針や東大阪市多文化共生指針等にあると認識しております。公教育の場である学校は、子供たちの意欲や実態に応じて様々な課外の自主活動を行っており、民俗学級も教育課程の編成権を持つ学校が課外の自主活動として実態に応じて実施しているものです。現在、学校は民俗学級の目的を全体で再確認し、多文化共生、国際理解教育を担う常勤講師も含め、組織として取組を進めております。その常勤講師については、多文化共生、国際理解教育の推進に向け、府と市で協議を行い、本市の実態に応じて配置いただいております。また、大阪府教育庁の指導も仰ぎながら、民族学級が府、市の指針等に基づいた、より充実した活動となるよう取組を進めており、具体的には、民族学級を新たに国際教室とし、参加対象を希望する全ての子供としております。入級に際しましては、目的や活動内容について誤解のないよう丁寧に説明し、入級の確認を行うなど、本人や保護者の意向を尊重することを徹底しております。その上で、希望した子供たちが活動に参加しております。

東大阪市議会 令和4年6月第2回定例会 2022年6月16日 野田彰子議員


7.新聞記事

(1)「ルーツ肯定的に 通名使わぬ小学校、100年の歴史に幕」

朝日新聞 2021年3月8日

誰もが自らの由来に自信を持つことを目指し、本名(ルーツにつながる名前)で呼び、名乗る「多文化共生」の取り組みで知られた。各地で外国出身の子どもが増える中、その歩みが改めて注目されている。

朝日新聞 2021年3月8日


(2)「在日コリアンの足跡まとめる 調査グループが本に 鉱山と民族教育の歴史掘り起こし」

丹波新聞 2021年6月12日

兵庫県丹波篠山市内で在日コリアンの足跡調査などを行っている市民グループの3人が、「消えたヤマと在日コリアン」を執筆し、岩波書店から岩波ブックレットとして発売された。(中略)
戦後、同市の篠山小学校内に民族学級が30年以上にわたり設置されるなど、市内には多くの在日コリアンの足跡がありながら、「篠山町百年史」や「篠山小学校創立一二〇周年記念誌」など、公的な記録には一切記されていないという。

丹波新聞 2021年6月12日


(3)児童に勝手な朝鮮名 東大阪市立小の民族学級、保護者の明確な同意得ず

産経新聞 2021年7月19日

例えば児童の日本名が「花子」なら朝鮮語の読み方として「ファジャ」と呼ぶように、本名が日本名でも半島にルーツがあれば朝鮮語で呼び合っていた。さらに、こうした対応について、学校側は就学前の家庭訪問などの機会に伝えていたとするが、保護者に朝鮮名で呼ぶことの可否を確認せず、書面などで許可を得たこともなかったという。

産経新聞 2021年7月19日


(4)日本籍児童を朝鮮名で呼ぶ人権軽視

産経新聞 2021年7月21日

保護者の一人は「事前に分かっていたら、子供を通わせることは絶対になかった」と証言した。

産経新聞 2021年7月21日


8.あり方と問題点の概説

「大阪の民族学級 ―在日の子どもたちとともに歩んだ60年」郭 政義(カク チョンイ)(北鶴橋小学校民族講師)月刊みんぱく 2011年2月号

https://www.minpaku.ac.jp/sites/default/files/museum/showcase/bookbite/gekkan/1102_18-19.pdf

民族学級は韓国・朝鮮人のアイデンティティの確立をめざしている。

月刊みんぱく 2011年2月号


9.学校現場を取材

・【特別企画】もう一つの民族教育 ~大阪の民族学級では

月刊イオのWEB版 2018年5月18日公開 当時の大阪市立矢田東小と桑津小を取材

https://www.io-web.net/2018/05/minzokugakkyu/

高学年で行われる合宿では、自分の名前のことや、家族がどのように日本へ渡ってきたかなど、普段じっくり考えないテーマで話し合う。同じルーツを持つ児童たちと一緒に問題に向き合う大切な時間だった。

月刊イオのWEB版 2018年5月18日公開


10.滋賀県における歴史など

河かおる研究室

http://www.shc.usp.ac.jp/kawa/

http://www.shc.usp.ac.jp/kawa/ks/index.htm (滋賀県の在日コリアンの歴史に関するページです。)

朝鮮(韓国)近現代史、在日コリアンの歴史、日朝・日韓関係史など、だいたい19世紀半ば以後の朝鮮半島に関することがらの中から、その年その年のゼミ生の関心事に即してテーマを立てて学んでいます。

河かおる研究室


11.大阪府における歴史など

(1)大阪市公立学校における在日韓国・朝鮮人教育の課題と展望

- 梁 陽日 YANG Yangil

立命館大学大学院 先端総合学術研究科 『Core Ethics』(『コア・エシックス』)Vol.9 2013年 p245-p256

https://www.r-gscefs.jp/pdf/ce09/yy01.pdf

大阪の公立小・中学校に開設され、 在日韓国・朝鮮人のアイデンティティ保障に取り組んでいる 「民族学級」 誕生の歴史的背景や当時の社会状況の分析を行い、民族学級60年間の歩みを整理しながら、公立学校における在日韓国・朝鮮人教育の位置づけを検証していく。

立命館大学大学院 先端総合学術研究科 『Core Ethics』(『コア・エシックス』)Vol.9 2013年


(2)インクルーシブな教育と葛藤 ―大阪の民族学級の事例から

掲載誌『未来共創』第7号 p135-p151 刊行年 2020-03-31

山本晃輔(やまもと こうすけ) 大阪大学大学院 人間科学研究科 附属 未来共創センター

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/76143/

マイノリティがアイデンティティを形成するには、周囲との差異を引き受けざるを得ないのだから葛藤含みである。

『未来共創』第7号 p135-p151 刊行年 2020-03-31

(参考)

座談会 特集2 : インクルージョンと共生 出演者/渥美公秀,石塚裕子,山本晃輔,木村友美,寺村晃 聞き手/織田和明


(3)「民族学級における「民族」,その限界と可能性」

呉 恵卿 OHE, Hye-Gyeong 
雑誌名:国際基督教大学学報. I-A 『教育研究』 61号 p49-p56
発行年:2019-03-31

本稿では,民族学級が日本の公教育で施行,定着するまでの経緯について概観し,フィールド調査と民族学級関係者らとのインタビューを参考に,民族学級の現状について記述を行った。さらに,民族教育の場として民族学級が持つ限界と可能性についても考察を行った。

国際基督教大学学報. I-A 『教育研究』 61号 p49-p56


(4)公立学校の民族学級 : 大阪市立長橋小学校

川本 綾 Kawamoto, Aya 大阪市立大学 URP「先端的都市研究」シリーズ 012巻 p20-p30
刊行年月:2017-03-30

https://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/il/meta_pub/G0000438repository_9784904010273-12-20

長橋小学校は、大阪市西成区の在日コリアン集住地域に位置する公立の小学校である。
校区内に被差別部落を抱えるこの学校は、西成のコリアンと日本人の地域住民、そして教育現場の教師とが向かい合い、共に生きる道を模索した歴史を持つ。
本節では、移民の民族教育をめぐる地域内での実践の事例として、長橋小学校の民族学級について紹介したい。

川本 綾 Kawamoto, Aya 大阪市立大学 URP「先端的都市研究」シリーズ 012巻 p20-p30


以上

#東大阪市 #民族学級 #在日コリアン