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花園近鉄ライナーズを選挙公報紙に掲載 – 東大阪市

花園近鉄ライナーズとは民間のラグビー競技団体です。
ここの選手が選挙公報の用紙に掲載され、東大阪市内に全戸配布されました。
これは公正なのだろうか?



1.概要

本件の概要及び私の意見は次の引用のとおりです。この文を「市民の声」として東大阪市選挙管理委員会委員長あてに提出しました。

 令和5年9月24日執行の東大阪市議会議員選挙の選挙公報の第6ページには3名のラグビー選手が掲載されています。民間事業者が運営する「花園近鉄ライナーズ」という文字も掲載されています。選手のユニフォームには民間事業者のNTTやムロオの名前が書かれてあり「なの花薬局」の一部分の文字が読み取れます。
 この選挙公報は、投票への勧誘ではあるものの、特定の民間事業者の広告宣伝にもなっています
 特定の民間事業者を露出させることは、その他の民間事業者を露出させていないということであり、公共機関が発行する文書として不公平です。
 公正であるべき選挙公報のあり方として不適切だと思いますが、いかがお考えになりますか。

2023年10月 東大阪市選挙管理委員会委員長あて「市民の声」


令和5年(2023年)9月24日執行の東大阪市議会議員選挙の選挙公報紙の第6ページ


第6ページの「花園近鉄ライナーズ」の文字の部分を拡大

この選挙啓発用ポスターのカラー版の画像は次のとおりです。

令和5年9月24日執行 東大阪市選挙用啓発ポスター



2.東大阪市とは(背景)

東大阪市では「ラグビーのまち」政策を実施しています。
東大阪市役所は、ラグビーのために多額の税金を使い、多くのラグビー関連事業を実施しています。
市役所の言い分としては、ラグビーによってにぎわいのあるまちにするそうです。

しかし、多くの市民はラグビーを愛好していませんし、そのような政策を期待していません。ラグビー愛好者だけのための政策なのです。

読者に知って頂きたいのは、東大阪市は、実態として、「ラグビーのまち」ではないということです。
東大阪市役所は、大量のプロパガンダで市内や市外の人達に「多くの東大阪市民はラグビーを愛好している」かのような虚構を伝搬させているのです。

この政策は政治的には自由民主党が推進してきました。また、東大阪市役所の職員にもラグビー愛好者が多数いてこの政策を推進しています。

令和2年11月15日付け議会だより 「ラグビーの日」の制定を要求する自由民主党



森喜朗会長が東大阪市に来られました(平成23年5月)


ちなみに、大阪府選挙管理委員会では、大阪府内の小・中・高等学校から選挙用ポスターを募集しました。
一般常識をわきまえた公務員であれば、このような公平性のある作品の中から選挙啓発用ポスターを選択するでしょう。

令和5年度明るい選挙啓発ポスターコンクール第2次審査(大阪府審査)の結果について(2023年10月13日)

最優秀作品(高校生の部)

上の高校生が作成したポスターと、花園近鉄ライナーズが写ったポスターとでは、明らかに高校生のポスターの方が選挙への訴求力があります。
花園近鉄ライナーズが選挙の啓発に有益だとするのは、市選管に勤務するラグビー愛好者によるかたよったものの見方です。 


3.選挙管理委員会からの回答

上記の私の意見に対する、選挙管理委員会委員長からの回答は、次の画像のとおりです。

2023年10月10日付け東大阪市選挙管理委員会委員長からの回答


4.選挙公報とは

公職選挙法第167条では、選挙公報には「公職の候補者の氏名、経歴、政見等」を掲載することが規定されています。
同法第235条の3第2項は次のとおりです。

政見放送又は選挙公報において特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をした者は、百万円以下の罰金に処する。

公職選挙法第235条の3第2項

仮にこのような規定がなかったとしても、常識的に考えて、選挙公報で広告宣伝をすることはダメでしょう。
東大阪市選挙関係事務執行規程には次の定めがあります。

(啓発事項等の登載)第49条 選挙公報に余白が生じたときは、選挙に関する啓発、周知等の事項を登載することができる。

東大阪市選挙関係事務執行規程 第10節 選挙公報 (啓発事項等の登載)


本件の選挙公報を掲載した紙媒体は全部で6ページでした。
選挙公報が掲載されたのは5ページまででした。
第6ページは「余白」ということです。
第6ページは余白であるため、そこは法で定める選挙公報ではなく、そこに掲載したのは啓発記事であって、花園近鉄ライナーズを掲載することは、その広告宣伝にはならない、というのが市選管の主張なのでしょう。


5.回答への反論

「実際に試合で使用するユニフォームを着用していただいた」と回答に書かれてありますが、その試合は花園近鉄ライナーズが民業として実施しているのです。
ユニフォームには、NTTなどの民間事業者が広告宣伝の意図を持った文言や図柄が記載されています。
この広告宣伝は、選挙の啓発用記事として掲載されたのであって、選挙公報ではありません。なので、法律上は問題にはなりません。しかし、そんなことで良いのでしょうか。
「若年層への啓発を意識」したとはいうものの、同時に、ユニフォームには広告宣伝という意図が含まれているのですから、このような民業の広告宣伝に加担する行為は避けるべきです。

「ラグビーのまち」政策は市長と自由民主党が推進してきました。
この政策はSDGsではありません。人類にとって普遍的な政策ではないのです。

東大阪市選挙管理委員会は花園近鉄ライナーズの選手を起用した公文書を全戸配付しましたが、これは「ラグビーのまち」政策を支持する姿勢を見せたのと同じです。

このようなことでは、「ラグビーのまち」政策に反対する立候補者にとって選挙上不利になります

市選管は次のように回答しました。

選挙公報の公正性という観点からは、今回の啓発記事部分が不適切であると認識はしておりません。

東大阪市選挙管理委員会委員長からの回答

公正であるべき選挙管理委員会が、このようなことで良いのでしょうか?
悪いに決まっています。東大阪市選挙管理委員会は公正ではありません。

選挙のための公正な啓発用のコンテンツは他にたくさんあります。
例えば、先に述べたように、選挙啓発ポスターコンクールで入選した、若年者が作った作品の中からポスターを選択すれば良いだけです。若年者が作成したのですから若年者に刺さるでしょう。

この委員会の事務局が明るく楽しい職場であるような演出をしているのが次の記事(東大阪市で働く先輩職員からのメッセージ)です。

私の問題提起に対して
「不適切であるとは認識しておりません。」
と回答をし、かつその事務局を明るく楽しげに演出しているところに東大阪市役所の深い闇があります。

以上

#東大阪市 #ラグビーのまち