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自覚のない偶像 1

4月の初めくらいの事だ、その日俺はあまりに暇だった。
きっかけはそう、あのクソ上司である。
俺はネットの友達の東京の結婚式に出席するために一週間ほどの休みを申請した。
だがそこは天下のクソ上司、このクソ上司は毎回俺の休み申請に難癖つけてきては休みをキャンセルさせたり休む日程を短くしようとしてくるのだ。
誰もが休みの申請を気を使って控えたり短めにする中、毎回俺はこのクソ上司と毎回旅行のたびに俺の休みを通すためのバトルを繰り広げてきた。
辞めた職場だが、もはやその職場の名物ですらあったと思う。
だが今回は少し話が違った。
二人ほど職場のおばちゃんが実家に帰る事になったのだ。
これにより休まれへんでと言われ、毎回みっともないバトルを展開していた俺はさすがに空気を読んで結婚式の出席をキャンセルして出勤する事にした。
が、そこは天下のクソ上司である。
何故か休む日程の一週間くらい前に「人なんとかなりそうやからやっぱり休んで」と言われ、このクソ上司の才能のすばらしさを見たあげく4日ほど休む事になったのだ。
確か1日目は何もすること無く休んで、2日目はコスプレの大型併せの撮影が募集してあったので予定を入れ、あとの日数をどうしようか迷っていた。

そこで思い出したのが近所の温泉施設だ。
その温泉施設はネットの記事でアーケードのレトロゲームを大量に入れて、全て無料で遊べるようにしてあるらしく一部で話題になっていた。
なんとなく気になっていはいたが、なかなか行くタイミングが無くて行けてなかったのだ。
せっかくだし行ってみる事にした。

それが全ての間違いだった。

2に続きます。


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