インドネシアのバンドが良すぎて、近頃夜も寝れネシア
は???
インドネシアのバンドが想像の2億倍カッコイイので紹介します。想像の2億倍です。言い過ぎました。
みなさんインドネシアって知っていますか?国旗はこちら🇮🇩。シンプル。ぶっちゃけそんなにイメージが湧かない国な気がします。観光地って何があるんだっけ?アジア?仏教?イスラム?ジャカルタ?バリ島?近頃首都移転するんだっけ?なんだ知ってるじゃん。
日本からしたら「途上国でしょ?」くらいの感覚を持っている人が多いかと思いますが、もうすでに途上国ではなく、経済成長率は上位かつGDPも16位と想像よりも素敵ネイションな訳ですね。
日本に比べたら依然として物価も安いですが、ジャカルタの発展も著しく、また若者の人口もかなり多く、数年後には日本なんてあっという間に抜かれてしまうでしょう。
そうです、この経済発展がキモなんです。
経済成長に伴って文化も爆発的に発展するので、個人的にはあと3-4年も経てば日本の音楽シーン、フェスやCDショップの棚、TikTokの音源に至るまで東南アジアの音楽が席巻すると思っています。
若者の人口増加×経済成長が引き起こす文化爆発の力はとてつもないです。日本もかつてそうでしたね。
なんでインドネシアのバンドにハマったのか?
Holiday! RecordsやUngulatesのおかげで日本のミッドウエストエモやマスロックに激ハマりした2023年。その勢い止むことなく聴きまくっていたら、UngulatesさんのインスタグラムかTwitterでインドネシアのバンドが流れてきたんです。その時の衝撃たるや…!
気づいたらインドネシアのEMOに染まっていました。業務スーパーでナシルンダンの素ばっかり買っています。コレが美味い。
なにより僕が好きになる曲の要素を、これでもかと押さえていたので一発ノックアウトでした。
さて行ってみようか。インドネシア産ロックバンドの世界へ!!
Dochi Sadega
はぁ....。わかりました?わかりましたか?もうわかったよね?
「いただきます!ごちそうさまでした!」
突き抜ける清涼感にマスロックなトゥインクルギターフレーズ。
これを書いてる深夜1時。このイントロに我慢できず、今にも玄関を開けて飛び出していきそうです。国を超えても民族が違っても、「疾走感」という概念は共通言語なんだと思わせる、極上のイントロ。
ハイハットのカウントで走る緊張感。ギターのサウンドが一発鳴っただけで、もう確定でした。心地よいドライブ感と共に始まったかと思えば、しっかりと色を足すマスロックなタッピングフレーズ。僕はこう言いたいです。「ありがとう…!ありがとう…!」と。
再生数たったの8000回程度。こんな良いバンドがこんだけしか再生されていないなら、ちょっと勝ち誇って胸にしまっても良いよね。
曲のラスト、ふと立ち止まって風を感じるかのように「 I promise I’ll be there 」で締まる展開に、気づいたらニヤニヤが止まらなかったです。
おっしゃれやな〜!!!それイントロに持ってくるか!!
Ungulatesさんの元、2023年にJAPAN ツアーをしてたらしい。なんで....なんで僕はいつもタイミングを逃すんだろうか。あとワンテンポ早く彼らを好きになっていたらとも思うが、Ungulatesさんのアカウントで発信されていたツアー終わりの映像でこの世界にハマっているので、ポジティブに考えよう。日本来てくれてありがとう。今年も来ていいんですよ??
2:33-から挟まるアナウンスにより、ハッと現実に引き戻される。何かが終わるのか、はたまた始まるのか。そんな場面の転換をこういった形で曲中に捩じ込んでくるあたり、さすがとしか言いようがない。
MILLEDENIALS
僕は今、血走った目であなたに問いかけています。
「良くないですか?良すぎませんか?」
こちらも疾走感を伴ったイントロで始まる楽曲。どことなく4-5th wave emoだったり、パワーポップなメロディが感情を加速させます。
と思いきや、いきなり脳天を突き刺す浮遊感のある女性ボーカル。この瞬間、僕にとって2024年のトップソングになることが確定してしまい、家の中を走り回ってしまいました。良い曲に出会った瞬間っていうのは、あからさまに違うもんでして、感情が曲に引っ張り出されて、体を抑えきれなくなってしまうんです…!
インドネシアはバリ島をベースに活動するMELLEDENIALS。彼/彼女らを人間のしょうもない性でジャンル分けするのであれば、メロディックシューゲイズとも言うべきか。疾走感のあるパンキッシュなサウンドに、奥行きと浮遊感のあるボーカル。そして時折見せるマスロック的なアプローチが驚くほど綺麗にマッチしている。【シューゲイズ-メランコリック=MILLEDENIALS】
前半はテンポの良さに合わせて軽快に駆け抜けていくが、1:30-の曲展開が特に秀逸で、ブレイクダウンを挟みつつ、リフレインされるフレーズと共に、まるで夕暮れの回想シーンのような雰囲気に一気に引き込まれる。刻むキックにアルペジオが気持ち良い。
2:55からさらに畳み掛ける。パンクサウンドだけでは絶対に出ないこの切なさ。感情の堰を崩しにくる展開。まさしくエンディングとも言うべきか。どうすることもできない切なさと、過去の記憶の美しさが同時に押し寄せるような、そんな気持ちさせてくれます。
僕は常々思うのですが、良い曲というのは聴き終わった後に映画を見終わったような感覚にしてくれることが多いです。それは短い時間の中に起承転結がしっかりと存在していて、自分の心がグッと動かされているからなのだと思います。たのしー!!いぇい!だけな要素だけでは、本当の意味での良い曲にはなり得ないんだと、自分の趣向を最近やっと理解しました。もちろん「疾走感が取り柄です!」みたいなメロコアも大好きなんですけどね。
連続して流れる「Feel Any Pain」はまさしく、メロディックシューゲイズを表している曲だと思います。パンクなサウンドにシューゲイズなボーカルで攻め立てる。これ、インドネシアのバンドです。ちょっと凄すぎませんか?
あまりにも曲が良すぎたので、勢いに任せて熱い想いをMILLEDENIALSのインスタにDMしたらまさかの返ってきました…。とりあえず早く日本に来てください。さもないと僕がインドネシアに行くことになります。
Eastcape
23秒-から始まるイントロで完全に落ちました。
まずPVの映像が日本なんです。Dochi Sadegaもそうだけれど、なんでこんなに日本をリスペクトしてくれるのでしょうか。それだけで心が心が熱くなります。
肝心の曲ですが、この曲も2024年トップソング確定です。あと1曲何が入るんですかね。この2曲が強すぎて隙間がないですぞ!
なんといっても歌詞が痛てぇのよ。胸が張り裂けそうでございます。男の後悔が染みついたような歌詞。それを乗せるのは、このままずっと続いても良い心地よいアルペジオと伸びやかな歌声。そして断片的な記憶のようなMVでターンエンド。僕のライフポイントは0です。
僕はこの曲を聴いて、「この時代のEMOの答えはこれだ」と本当にそう思いました。Origami Angelでもない、東南アジアから産声を上げた彼らのようなバンドが、新しい時代を作っていくんだと。
僕はこの曲に過去の思い出を擦り付けているんだと思います。良い曲というは感情が動くと述べたけれど、それと同時に聴くと思い出すものがあって、共通項としての切なさをトリガーとして、記憶を引き出しては音楽に擦り付けている。
そうやって大切な曲が増えていく。
Decemberism
彼らに至っては情報がなさすぎる。日本はおろか英語で検索してもBIO的なものがほとんどヒットしない。そしてインドネシア語が読めない…。そもそもインドネシア語でも情報少なさそうですね...。
聴いて欲しいのがこの曲。
全国のメロコアファンのみなさーーん!!これが2023年にリリースされているんですよ!!僕は泣けばいいですか?拳を高く上げてシンガロングですか?まだここに生きているぞ2000年代初頭のパンク/EMO精神は!
再生数261回にブチギレそうなので、僕があと2000回くらい聴こうと思います。これを見た人もあと100回聴いてください。
俺が好きなのやっぱりパンク/EMOだ!パンクってこれだよな!と思わず笑みがこぼれてしまうほどの爽快感。彼ら絶対にUSELESS ID好きでしょ!
思えば僕の原点はいつだって西海岸のパンク/EMOだった。実を言うと最近はもっぱらそのサウンドに正直飽きてきて、ここ数年は離れていた。そのおかけで知り得たバンドや、好きになったジャンルはたくさんあるし、今絶賛ハマり中のマスロックや次世代EMOもそうだ。けれど「やっぱりワシはパンクが好きだ!」と再認識させてくれた曲がインドネシアのパンクバンドDecemberismでした。
跳ねるドラムに少しだけダウナーなボーカル。サビで入るコーラスとともに突き抜けるポップさ。ああ、まるでサンタモニカにいる気分だぜ。
こちらの楽曲も映像と相まってすごぶる良いです。2000年代のパワーポップ感を思わせる曲調に、どこかメランコリックな雰囲気。彼らがどんな音楽に影響を受けてきたのかが、なんとなく知れたようで嬉しくなる。
おそらくThird Eye BlindやNine Days、Lifehouseあたりを好んで聴いていたに違いない。僕もその1人です。
そいてPVに出てくる女性がかわいい!このホームビデオっぽい感じにアラメの画質が醸し出すY2K。たとえ国境があろうとも僕らの感性は繋がっているんだ。
Girl and Her Bad Mood
まずバンド名が良いです。
なんでだろうか。全世界中で同時多発的に2000年代初頭への回帰傾向がある。このMVも御多分に洩れずで、セピアな画質にKARAOKEな字幕。
彼らもまったく情報がない。日本のサイト1つも出ないしツイートもない。インドネシアのバンドだということしかわからない。
いわゆるインディーポップな曲調なのだが、どうしようもなく込み上げてくる懐かしさの原因はなんなのでしょうか。ドライブ後の独り帰路につく車内でこの曲を聴いていると、生きている意味を噛みしめずにはいられなくなります。
YouTube登録者もインスタのフォロワーも1万人に満たない彼らが紡ぎ出す音楽は、まさしくワールドワイド。ちゃんと極東の若造の耳にも届いていますよ。
EPのBluest Yearに収録されているFallingoutが個人的にかなり好きです。
eleventwelfth
彼らはインドネシアではかなり知名度があるようで、2017年リリースのアルバムが日本初リリース。しかも2018年には来日公演もしていたそうだ。
そんな2017年リリースのセルフタイトルアルバム「eleventwelfth」から、最高な2曲を紹介します。
あはは。もうだめだ。完全に虜になりネシア。
なんせ完成度が高すぎる。こんなバンドいたらそりゃ国内で大合唱起こりますね。聴いた瞬間確信する美メロ。
ポストロック、エモでありながら親しみやすい懐の深さを感じる曲。トゥインクルなギター、そして演奏もさることながら、途中で入るfeat. asteriskaの女性ボーカルのアクセントがたまらなく琴線を震わせる。後半で雰囲気を変えるフィルターなサウンドも好みですし、全てのパートで鳴ってるギターが美しすぎる。
まさしく僕が欲しかったEMOでした。生まれてきてくれてありがとうございます。
アルバム「eleventwelfth」の1曲目はこの曲で始まります。開始早々に心臓を思いっきり握られたと思ったら、気づいたら絶命してました。たった1:41秒。彼らの世界に引き込むには十分すぎる時間。
これでもかと澄んだマスロック譲りなギターフレーズ。LRに振ったミックスで付けるアクセント。爽やかに走りぬけるドラムに随所に散りばめられたコーラス。
僕はこういう曲に出会うために今まで何千何万と音楽に触れてきたんです。そう心から思えました。
またもや感動のあまり熱い想いをインスタグラムのDMで送ってしまいました…。返ってきました…。今年来ると言ってくれたので、大気圏まで首を伸ばして待とうと思います。大気圏までは500km。日本からインドネシアは約5,000kmあるそうです。ヘッドスプリング10回で行けちゃいますね。来なかったら僕がインドネシア行っちゃうからな。
どうネシア?インドネシアのバンド
どうせこのつまらないギャグに誰もツッコんでくれないんですよ。いいもーんだ。
この記事を書いていて気づいたのは、どのバンドも共通する「ある点」があるなと思いました。
1つ目「英語が上手い」
英語、すごく綺麗じゃないですか?なにも考えないで聴いたら、USのバンド?と勘違いしてしまうような曲がいくつもありました。当然歌詞の幅も広く、海外でも受け入れられるポテンシャルをビンビンに感じています。
おそらく冒頭で述べた通り、経済発展に伴い触れる文化も変われば、教育水準も先進国に近づいた結果このようになったのではないでしょうか。
2つ目「ざらついた映像を使ったMV」
どのバンドもひと昔のカメラで撮ったような、ざらついた映像になっています。近頃文化として世界中で浸透しているヴェイパーウェイブをはじめ、いわゆるY2Kの感覚は、日本のみならず世界中で同時多発的に起きているんだと実感します。
情報過多な環境に囲まれた僕たちは、子供の頃に感じた「純粋な豊かさ」のようなものに憧れや懐古的な視線を向けているのかな。見るとほとんどのバンドの年齢が近く、筆者も彼らと近しい年齢なので、この気持ちはすごくよくわかる。
音楽を彩る映像としての魅力は、それはもう十二分に醸し出されていると感じます。
「インドネシアのバンド」というイメージを、ここで紹介したバンドたちが裏切ってくれることを願っています。アジアの音楽に触れる機会なんて、自分から取りにいかない限りほとんどない。だからこそ、世界中にはこんなにも素晴らしい音楽があることに気づいてくれたら嬉しいです。
僕はそれだけで生きてるのが楽しくなっています。ササレ、オンガク!
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