「チック症」という病
突然ですが、僕は「チック症」という発達障害の一つを持っています。
チック症という名前、おそらく多くのみなさんが聞いたことのない病名ではないでしょうか。
ただ実は、タレントのビートたけしさんや、石原慎太郎元東京都知事などもこの症状が残っていると言われています。
今回はこのチック症をみなさんに知ってもらいたいと思い、書きました。
「チック症」の症状
チック症、では具体的にどういう症状の病気なのでしょうか?
学会の説明によると...
チックは、突発的で、不規則な、体の一部の速い動きや発声を繰返す状態です。いろいろなチックがあり、まず運動性チックと音声チックに分かれ、それぞれに単純性、複雑性に分かれます。単純性運動性チックは瞬き、首振り、顔しかめなど、複雑性運動性チックは物にさわる、物をける、飛び上がるなどです。単純性音声チックは発声、咳払い、鼻鳴らしなど、複雑性音声チックは汚言(人前や社会的な場で、言うことがはばかられるような汚い言葉をいってしまう)、反響言語(人の言ったことを繰返してしまう)などです。一見、乱暴と思われる行動や非常識と感じられる言動が、チックの症状である可能性もあるのです 『一般社団法人 日本小児神経学会』
また、上記の運動性と音声性チックが混ざった症状を持っている人もおり、これにはトゥレット症候群という別の病名がつけられます。
僕自身は「単純性運動性チック」という診断を小学校一年生の時に受けて以来治っていないので、「慢性単純性運動性チック」という部類にあたります。
小学校一年生のある日、突発的な首振りが出るようになり、その後しばらく治まったと思ったら変な鼻息を立てるように。
中学生くらいの時は不自然な瞬きを、そして高校生くらいから、気づいたら首を左右に傾けたり前に突き出したりする動作が出るようになりました。
恐らく、僕を知っている人でこの動作のことが気になった人もいるのではないでしょうか?
チック症は主に遺伝や脳の機能障害が原因で、ストレスがかかると発症すると言われています。
多くは幼少期の男子に発症し、数か月程度で治まるのですが、僕みたいに大人になっても続く慢性チックの人もわずかですが存在します。
タレントのビートたけしさんは話しながら首を横に振る動作をしますし、石原慎太郎元東京都知事も不自然な瞬きをしますが、それも幼少期に発症したチック症が大人になっても残ったからだと言われています。(※公表はされていないので、あくまで推測です)
街で見かけた「変な人」もそうかも
僕自身も何度か街中や電車内で見かけたのですが、突然の首振りや鼻息など、変な動作をする人(主に男性)を見かけたことはありませんか?
「何、この変な人」と周りはその人を避けるのですが、「たぶんチック症を持っているんだな」と僕はそういう人を見て思います。
ただこの病名や症状自体が知られていないので、周りの人は「変人」だとみなし避ける。ただ本人もそれをやりたくてその動作をしている訳ではありません。
その動作を我慢できないのです。
ただ、その動きをした後も苦しい。
この葛藤に、チック症を患っている多くの人は陥っています。
チック症を知ることから
チックはストレスを感じると出るので、僕は「あ、チックが出たな」と分かった時は一度大きく深呼吸をします。つまりよい「ストレスバロメーター」にはなっているのかもしれませんね。笑
よく、ビートたけしさんのモノマネで彼の症状である首振りをする人もいますが、僕は同じ障害を持っている身として正直複雑な気持ちになります。
「あ、やっぱりまだチック症って全然知られていないのだなー」と。
僕自身、あまり喋り方に特徴もないので、友だちが僕のモノマネといって(もちろんチックだと伝えていないので、悪気はなく)チックの症状の真似をするときもあります。恐らくこの障害とは一生付き合っていくものなので仕方はないし、もう腹もくくっている面もあるのですが、笑い者にはしないでほしいです。
症状を止められない本人たちが一番苦しいのですから。
そのことを知ってもらいたく、今日は長々と書かせてもらいました。
チック症のことを少しでも知っていただけたら幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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