ベランダコーヒー

ここのところ、季節外れの暖かさが続いているおかげで、ベランダコーヒーが習慣化しつつあります。

街中に住んでいるので、目を上げれば電線が空を遮り、向かいのマンションの窓も少し気になるような環境です。ベランダには、室外機やゴミ箱も置いてあります。

それでも、朝のピカピカの太陽もキラキラした青空も色褪せることはありません。目を閉じれば、街路樹の葉っぱを揺らす風の音が耳に心地良く響いてきます。

キャンプ用に購入したディレクターズチェアと、部屋の中で使っていた小さめの丸テーブルをベランダに出して使っています。

朝、一杯のコーヒーを丁寧に淹れてゆっくり味わって飲むのが、もともと私の大好きな一日の始め方でした。最近は、そのコーヒーをベランダで飲むことで、さらにその味わいが深くなりました。気づけば、ベランダで３時間も仕事の勉強をしていたこともあります。あまり長居ができる場所ではないと思ってベランダに出ているからなのか、かえって集中できたような気がします。

そんなふうにして始めた一日は、まるで、お風呂から上がって体がいつまでもほかほかしているような感じで、午後からもずっと気分良く過ごせます。

実際に見える景色に必ずしもとらわれることはないのだと思います。

人間には創造力があります。紺碧の空に輝く太陽のイメージを心のフォルダーにしまっておいて、必要な時に取り出してヘビーローテーションする。

天気のいい日の太陽を自分の心にチャージしておいて、寒い日に自分や周りの人たちを温める。

工夫次第で、気分良く過ごせる方法はあります。