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KENZOのカップ&ソーサー

高田賢三さんが亡くなられました。
心からご冥福をお祈りします。

実は、KENZOのカップ&ソーサーを二組持っています。
結婚祝いに父方の伯母が買ってくれたものです。

かれこれウン十年の付き合いです。
三回の引っ越しも乗り越え、どこも欠けていなくて、今でも毎朝のコーヒーと朝食のパン皿として活躍してくれています。

買ってもらった当時は、自分でそんな高価な物を購入できる経済力は全くありませんでした。ほぼ大学卒業と同時に付き合い始めた夫とは、6年半越しの結婚でした。

全面的に賛成された結婚ではありませんでした。特に私の父は、生活力の面で多分に不安を覚え、できれば娘がこの結婚を諦めてくれないかと内心思っていたことはよくわかっていました。

自分でもそろそろ潮時かなと思いかけていた頃、ふっと父が折れてくれました。どう考えても、私たちの粘りに根負けしたという感じの承諾でした。
「ダメだったらいつ帰ってきてもいいんだからな」
と、最後の負け惜しみのように言った父のひと言が忘れられません。

自分でも、正直ここまでやって来られるとは思っていませんでした。
どうみても危なっかしい二人でした。ミュージシャン志望の夫と、会社勤めはしていたものの、まだ自分のやりたいことを見つけられていなかった私。
そんな二人の生活はおままごとのようなものでした。

今振り返ってみると、結構たくましくそして楽しく生活してこられたなあと思います。天国の父も、きっと私たちのことを安心して見守ってくれていることでしょう。

生活自体は案外なんとかなるものです。
大切なことは、二人仲良く協力し合えるかどうか。
その姿勢を貫けるかどうか。

KENZO柄にはしゃきっとした明るさがあります。
それを見習って、二人で背筋を伸ばして、割れずに前を向いて、楽しもうとする気概をもって過ごしていきたいと思います。


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