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世界を変える大きな一歩になるかもしれない|取締役CSOこくぼひろし

&PUBLIC(アンドパブリック)は、「公共のチカラをともに革新する」をコンセプトに、日本中で行われている社会課題解決にむけた試行錯誤を、テクノロジーの力で保存・共有するサービス「インパクトマネジメントツール」、組織の対話を通じて、社会的価値を可視化する「インパクトデザイン研修」を開発・提供しています。

&PUBLICは、これまで別々の会社を経営してきた共同創業者3名が集い創業した会社です。今回は、取締役CSO・こくぼひろしがどんな経験や想いをもち創業に至ったのかについてインタビューしました。

◎こくぼひろし
1982年、神奈川県生まれ。PRコンダクター。後方支援ファーム「ひとしずく株式会社」代表。伝えない広報と「脱炭素(カーボンニュートラル)」の社会デザインに取り組む。

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ーーこくぼさんが&PUBLICの共同創業者となった経緯を教えてください。

共同創業者の桑原憂貴さんとは、10年以上前から社会課題に取り組む仲間としてお付き合いがありました。ある案件でご一緒したり、コロナ禍で互いの相談相手になったり。そんな中で、桑原さんから&PUBLICの構想を聞いた時に、「これは社会を大きく変えるかもしれない」と直感したのです。

私が長く関わってきた環境問題は、誰がどうやったら解決できるのかわからないような大きな課題です。そんな抱えきれないほどの大きな課題に対して、どう小さな一歩を踏み出せばいいのだろうとずっと悩みながらやってきました。世界を変えるのは1人の小さな取り組みかもしれない、そう思って今までやってきました。けれども、それは誰かが覚醒することを期待しながらやっているような、宝くじに当たることを期待しながらやっているような感覚なのです。

&PUBLICの構想は、もしかしたらそんな大きすぎる課題を一気に解決へ導いてくれるかもしれない。僕には思いつくことができなかった素晴らしい仕組みで、今後の人生をかけてやるべきことだと思い、ともに創業することにしました。

ーーこれまでこくぼさんは、どのように環境問題をはじめとしたソーシャルイシューに取り組んでこられたのですか。

プロボノとして案件に関わらせていただいたり、業務として案件に関わったりしてきましたが、2016年からは、ひとしずく株式会社を起業し、「世界を良い方向に変えたい」という想いを持って行動している方々を支える「後方支援」ファームとして活動してきました。

僕は幼少期から環境問題に興味があり、そのために人生をかけて取り組みたいと思っていました。しかし、自分は社会の仕組みをガラッと変えるようなサービスを開発できるようなタイプではなく、社会のために大きなことをやろうとしている人たちを応援したり、支えたりするタイプであることを自覚していました。そこで「伝える」ことを仕事にしてやってきたわけです。

ーー幼少期から環境問題に興味を持っておられたきっかけは何だったのでしょうか。

ジブリの「風の谷のナウシカ」が原点ですね。小学生の時には児童会長となり、ゴミ拾いソングを作曲して啓蒙していました。僕が卒業してからもしばらく歌い継がれていたようです(笑)。

高校時代に「アメリカ先住民の精神世界」という本を読んで、自分がすでに持っていた「全てはつながっている」「幾世代先のことも考える」というような考えが明文化されていることに驚きました。大学ではこの本の著者である阿部珠理先生や、フィリピンキャンプの神崎雄二チャプレン、社会デザインの専門家である中村陽一先生と出会い、フィリピンでの植樹活動、NPOでのインターンなどを経験して、自分の人生の方向性が決まっていきました。

NGOで政策提言インターンをしていた学生時代

ーーこくぼさんの&PUBLICでの役割を教えていただけますか。

そうありたいという希望も込めて、僕の役割は「長老」。迷った時に相談したくなる存在であり、一つの方向性やヒントを与える存在を目指しています。その人のやる気を引き立てつつ、しっかりとリスクも伝えるような存在になりたいのです。

これは&PUBLICがインパクトマネジメントツール「パーパスボード」を開発していく上でも忘れてはいけないことだと思っています。組織が生み出しているリスクや課題も可視化することで、組織が解決のために今できる打ち手にトライしていくことが大切ですから、良いことも悪いことも共有できるサービスへと育てていくつもりです。

インパクトマネジメントツール「パーパスボード」

ーー&PUBLICのツールやサービスを通じて、こくぼさんが叶えたい未来を教えていただけますか。

正直、人類が耐えうる地球環境に関しては2050年までは持たないだろうと悲観しているんです。けれど、なんとか自分たちの子どもが生きていける環境をつくるために、次の10年は非常に大事だと思っています。僕は今40歳。僕たちの世代が40年間足掻いてきた経験を、失敗を含めて智慧として今の20代に伝えることができたら、彼らは60年分の知見で戦えるじゃないですか。僕はそれを期待しているんです。

「自分たちの活動は小さいからシェアしても意味がない」と思い込んでいる組織が多いのですが、その小さな「打ち手」は何百万人を救うかもしれないのです。&PUBLICが提供する「パーパスボード」の利用者が増えていけば、社会課題を解決するための「打ち手」が多くの団体にシェアされるようになります。自分たちと同じようなテーマを扱っている団体が競合するのではなく、世界の課題をどう解決できるかという「打ち手」をみんなで試行錯誤してつくっているという感覚になることができれば、一気に大きな動きになるはず。だから自分たちを過小評価せずに、打ち手をシェアして、データベースを把握する。そうすれば組織の視座を上げることができ、孤軍奮闘する組織が減るのではないかと期待しています。

&PUBLICを海外へ広げていこうと考えている理由はそこにあります。可視化された打ち手、すなわち”智慧”を日本に留めておくのはもったいない。日本ではせいぜい1億人分のインパクトしか出せませんが、世界に開けば何十倍、何百倍のインパクトが期待できるのです。


&PUBLIC共同創業者

&PUBLIC(アンドパブリック)は、「公共のチカラをともに革新する」をコンセプトに、ソーシャルインパクトを追求する組織のために「インパクトデザイン研修」や「インパクトマネジメントツール」を開発・提供しています。

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