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ANDPAD HOUSE プロジェクト(2/3回)-IoTやMRを活用した遠隔臨場-

はじめまして!ANDPAD ZEROの石川です。
ANDPAD ZEROでは新規事業開発チームに所属しており、ANDPAD図面のPMF(*)、各セグメントPMFなどを推進しています。
*PMF:プロダクト・マーケット・フィット

私からは、全3回に渡ってご紹介させていただく「ANDPAD HOUSE プロジェクト」の第2弾をお届けします!
第1弾の記事はこちら

ANDPAD HOUSEでは、「少し未来の建築の設計・施工」の検証として、さまざまな取り組みをしてきました。その中でも、今回は【IoTやMRを活用した遠隔臨場】の取り組みをご紹介します!
・検査や現場巡回等で課題を感じている方。
・建設現場での遠隔臨場について気になる方。
・建設現場でのMR技術の活用について興味がある方。
必見ですので、是非、最後までご覧ください。

自己紹介

まずは自己紹介させていただきます。
以前はゼネコンの現場監督をしており、分譲マンションやホテル、図書館などの施工管理業務に5年ほど従事していました。その後、映像制作に興味を持ち、個人事業主として活動しておりましたが、改めて建築業界に携わりたいと思い、2021年8月にアンドパッドへジョインしました。

入社してすぐに携わったプロジェクトがANDPAD HOUSEでした。ANDPAD HOUSEでは、さまざまな取り組みをしていましたが、私はその中でも、遠隔臨場の検証について推進していました。

それでは早速、ANDPAD HOUSE プロジェクトの【IoTやMRを活用した遠隔臨場】の取り組みについて、ご紹介します。

IoTやMR技術を活用した遠隔臨場について

ANDPAD HOUSEでは、配筋検査・中間検査のタイミングで、以下の3つのデバイスを活用して遠隔臨場を検証しました。(その他、センシンロボティクス社さんにご協力いただき、UGVでの仕上検査の検証も実施しましたが、紙面の都合上省略させていただきます。)
・ハンディカメラ:Safie Pocket2 (協力:Safie社)
・ウェアラブルカメラ:Microsoft HoloLens x MR技術 (協力:インフォマティクス社)
・タブレット:iPad x MR技術

それぞれの使用感や実用性について、デバイスごとにご紹介します。


左:Microsoft HoloLens|右:Safie Pocket2

Safie Pocket2での遠隔臨場@配筋検査・中間検査

Safie Pocket2は現場で装着・設置して撮影した映像を、遠隔からリアルタイムで確認・会話もできるクラウド型録画カメラです。電源を入れてレンズのカバーを外すだけで、すぐに撮影・共有ができるカメラになっています。

検査体制

ANDPAD HOUSE プロジェクトでは、このSafie Pocket2を用いた配筋検査・中間検査を、
①Safie Pocket2で現場の映像を共有する現場監督
②現場の映像を遠隔地で確認して検査をする検査員
という体制で検証を実施しました。検査員は、配筋検査では「監理者」、中間検査では確認検査機関である「株式会社住宅性能評価センターの検査員」が担いました。

Safie Pocket2での検査体制

実際の使用感・検証結果

配筋検査では、配筋のかぶり厚さ、定着長などをスケールを当てて計測している状態を撮影して検査を行ったのですが、円滑に検査を実施することができました。

画質の解像度が高いので、スケールのメモリもしっかり確認する事ができ、mm単位精度の検査項目も問題なく確認できました。また、現場と遠隔地のやり取りに関しても、スムーズに行え、実用性は高いと感じました。

左:Safie Pocket2の使用状況 | 右:鉄筋かぶりの確認映像

中間検査では、柱や梁などの部材の断面寸法や釘のピッチ等の施工状況を確認する検査を行いましたが、配筋検査同様、遠隔での実用性は感じられました。

一方で、監督が映している映像が現場のどの位置・箇所を映しているのか、検査員が把握しにくいのが課題として挙げられ、遠隔での検査方法やコミュニケーションの取り方等、実用に向けてはさらなる工夫が必要だと判明しました。

中間検査時の遠隔側の検査状況

HoloLens x MR技術での遠隔臨場@配筋検査

本プロジェクトは遠隔臨場に合わせて、MR技術を活用した検証も行いました。

MRとは、Mixed Reality(複合現実)の略で、専用のMRディスプレイを用いることにより、仮想的な物体の実物が目の前にあるかのように映し出すことができる技術です。今回は、インフォマティク社さんのGyroEye HoloというMR用ソフトを活用しています。

MicrosoftHolo Lens装着状況

検査体制

Hololensを活用した遠隔臨場は、
①Microsoft Hololensで現地の映像に3Dモデルを投影する現場監督
②現場監督が見ている映像を会議ツール(zoom)で確認する検査員
という体制で実施しました。

MicrosoftHolo Lensでの検査体制

配筋検査では、スラブ配筋と躯体立上りの3Dモデルを投影し、配筋ピッチ・本数・差筋の確認をしました。さらには、2Dのスリーブ図も投影し、スリーブの位置確認も合わせて行いました。

実際の使用感・検証結果

実際に検査をしてみると、配筋ピッチの確認については、施工されている配筋と3Dモデルの配筋を照らし合わせることで整合性を取りやすくなることが分かりました。

また、貫通スリーブや立ち上がりの差筋といった、次工程に必要な仕込み施工の確認をスムーズに行うことができ、より精度の高い検査が可能となりました。

一方で、課題としては、「現在投影している場所が現場のどの位置なのか」が遠隔地にいる監理者側はわかりづらいこと、また、検査を行うまでのMR用データの準備やMicrosoftHolo Lensの操作が難しい、などが挙げられました。加えて、Safieとは異なり、映像の共有機能を有していないため、遠隔会議ツール等の併用が必要でした。

左:配筋ピッチ確認時の映像 | 右:スリーブ位置確認時の映像

iPad x MR技術での遠隔臨場@中間検査

インフォマティクス社さんのGyroEye Holoは、iPadでも活用ができます。

iPadでの検証は、梁・耐力壁等の構造躯体の3Dモデルを現地に投影し、構造躯体の位置確認の検査を行いました。投影する3Dモデルの耐力壁は色分けされており、規定の釘で施工されていることや釘のピッチなどをスムーズに確認することができました。

また、Microsoft HoloLensと比べ、iPadの操作はスムーズに行うことができ、各部材が適切な箇所に配置されていることを確認することが可能でした。iPadは現場監督の方が持っていることが多いため、今後も実際の現場で活用できそうです。

一方で、iPadの場合、端末が大きいため両手で撮影することが多く、スケールを当てて計測する検査では不便であると感じました。

左:監督側の検査状況 | 右:3Dモデル投影画面

同じ中間検査で活用したSafie Pocket2は、iPadよりも小型であるため、片手で撮影ができ、計測しながらの検査に効果を発揮することを確認できました。iPadとSafie Pocket2のどちらが検査の遠隔臨場に適しているか、という点では、Safieが優位に立ちそうです。

左:梁計測状況 | 右:釘ピッチ計測状況

IoTやMR技術を活用した遠隔臨場のまとめ

今回、遠隔臨場とMR技術の可能性の検証を各デバイスごとにご紹介しました。

遠隔臨場に関しては、現地-遠隔地間での位置情報の共有の面が大きな課題として挙げられますが、現在、遠隔臨場を可能とするツールが多数提供されており、単体としての機能は非常に高いこともあるため、「位置情報の共有」がスムーズに行えれば、遠隔での検査や巡回等での活用が可能だと考えます。

MR技術に関しては、検査内容によっては、3Dモデルを投影することにより、より精度の高い検査を行うことができ、今後、MR技術を活用した検査も期待できます。

しかしながら、MRで検査を行うまでのMR用データの準備やMicrosoftHolo Lensの操作が難しい、などが挙げられるため、活用シーンは引き続き、検討が必要だと感じました。

最後に

実際にさまざまなデバイスやツールを活用することにより、想定していなかった課題やニーズというのが浮き彫りになり、有用な知見を得ることができました。改めて、「実際に使ってみることで見えてくるもの」の重要性を肌で感じることができました。

アンドパッドは、引き続き、お客様の立場・目線に立って、課題やニーズに真摯に向き合い、お客様の業務効率化にお力添えできるよう、邁進してまいります。

以上、「ANDPAD HOUSE プロジェクト」の第2弾【IoTやMRを活用した遠隔臨場】でした。
第3弾の「ANDPAD HOUSE プロジェクト」もお楽しみに!
ANDPAD ZEROの石川でした。

今回活用させていただいたサービス

GyroEye Holo (MRグラス、iPad)
提供:(株)インフォマティクス
詳細:https://www.informatix.co.jp/gyroeyeholo/

Safie Pocket2
提供:セーフィー(株)
詳細:https://safie.link/campaign/lp-pocket/


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