『変身東京ウミウシ』『変身大阪ウミウシ』を観た感想

3/20、3/24に開催された、男性ブランコさんのコントライブ『変身東京ウミウシ』『変身大阪ウミウシ』を配信で観た感想です。

『キャップスマホ』
(タイトルは多分これかなというのを書いています)
色々便利になった今日この頃、時々街で大きな声で話している人がいると、ハンズフリー電話だった、ということが本当によくある。ビビるしちょっと腹が立つから、実はやめてほしいと日々思っていたところに、キャップスマホおじさん……。ツユタニさんのキャップスマホも遭遇したらビビるだろうけど、横から見たフォルムが絶妙で面白いからムカつかなくて済みそう。なんでこんなに面白いんだろう。スマホがハイテクなのに、キャップで押さえてるのが原始的だからかな……?ツユタニさんが着ている「theおじさん」みたいなベストも面白さに貢献している気がする。
そしてパーカーの青年、まともかと思ってたらそんなことなかった!

『トントン』
情緒不安定な真白シャツさんの情緒不安定具合に笑ってしまう。スキップで来たとかわざわざ歩道橋登ったとか、ウッキウキだったんだなあと同情するけど、罪なきお寿司パックにケンカ売るみみっちさがダサくて愛おしい。いい友達だなあ。ちゃんと怒ってるところも含めて。
お寿司について、味の悪口だけは言ってなくて何だか嬉しかった。そういえば、テーブルの上のお寿司パックは空だから、ちゃんと完食してからトントンしているのか。お寿司を置いた状態の小道具を用意するのが大変だったという可能性もあるけど、もう無い状態から始まるのが、「それでもお寿司の魅力には抗えませんでした」という感じがあって好きだ。お寿司を食べればモノクロだった景色が鮮やかに色づくかもしれないし……。となると、お寿司を食べながら「シャツ汚れちゃった…うぅ、でもお寿司はおいしい」みたいなことも言っていたんだろうか。これもう感想じゃなくて妄想だ。

『推理』
大阪で追加されたお話の1つ目。刑事と探偵のモダモダしたやり取りをもっと観ていたかったな。
かっこいい推理ドラマでは絶対こんなことないけど、実際の現場ではあったりして……と一瞬思ったが、そもそも刑事と探偵が協力して、犯人候補を広間に集めて謎解きを披露する状況そのものがフィクションだった。それこそ、ドラマだと刑事が探偵を毛嫌いしているパターンが多いイメージだけど、この2人はなんか仲良さそう。無事解決できたらご飯食べに行ってそう。

『手品』
こちらも大阪のみのお話。追加された中ではいちばん好き。私は情緒不安定な役の平井さんが好きなのか??
内容と関係なくなってしまうけど、トランプの手品って、手札さえ観客に見せなければ、必ず成功していることにできるんだなぁ……と思った。

『デニム』
「デニムシ」が大阪では多分消えていて、ちょっと寂しかった。東京の「デニムの声を無視する」くだりで、頭の中で勝手に「デニムシ」じゃん……と思っていたところに、本当に「デニムシ」と言われて勝手に喜んでいたので。
モノクロだった景色が鮮やかに色づいた後の、友人の「そう」「わかるわかる」みたいな反応が好き。東京版では、なぜこんな急にかっこつけるんだ……?と思っていたら、大阪版で「実は経験者だった」ということが判明して納得した。2人の、モノクロだった景色が鮮やかに色づいたきっかけが全然違うのも好き。友人のためにこんなに悩めるくらいいい人、お寿司で立ち直れるんかい。自分に一生懸命になってくれている友人に感謝できる人も、もちろんいい人だけど。
(これを書いていて、「モノクロだった『景色』が鮮やかに色づいた」だったのか「モノクロだった『世界』が鮮やかに色づいた」だったのか、どっちかわからなくなってきた。twitterで検索したら両方出てきたから、もしかしてどっちも言っていたのかな)
口角ロールアップ、私も実践しなきゃ……。

『来ました』
盆と正月が一緒に来たぞ〜!!
来たはいいけどどこに来たんだ。宴会かな。
お正月はイベントとしておめでたい感じがあるので、正ちゃんの方が陽気なキャラクターなのが妙に納得してしまった。慣用句には出てこないけど、「暮」ちゃんもどこかにいるんだろうか。
2人のファッションと謎のクラッチバッグのおかげで、親戚のおじさんっぽさがすごい。途中から、「頭に『盆』『正月』と付けた眼鏡のおじさんが2人で泣いている」状態がただただ面白かった。
正ちゃんの「ッ雨が降ってきやがってェ」の言葉と言い方が好きです。

『闇』
東京版は、闇さんの黒い服が背景に溶け込んでいて、とても雰囲気があった。一方大阪版は、舞台の明るさで最初から闇がはみ出していて、それがちょっと面白かった。
闇さんの怒り方がぽんぽこしていてかわいい。相手からの予想外の反応に結構ビビっていたり、怒り方がへたっぴだったりするところで、卓球選手本人と同一人物だなぁと感じた。

『ウミとウシの隔たりを合致させる仕事』
東京と大阪で配役が逆になっていた。東京版は、ウシ側の人の挙動がフリーダム過ぎて、ウミ側の人が困っているのがよかった。特に壁に向かっていくところが、操作が下手な人のゲームのモノマネみたいで好き。ウミ側の人が全然納得していなさそうに去っていくところも好き。
大阪版は、東京と比べると平和だった。ウシ側だった人の、合致したあとのノリノリダンスが大好きで何度も見返した。

『    その島』
おそらく他ではもう観られないであろうお話。
the都会お洒落なアズミさんも、Tシャツ短パンサンダルスタイルのカマタさんも、2人ともちょっと訳アリそうで、ちょっと変わったキャラクターで、好き。
アズミさんは呼びかけが毎度「やあ」なのが爽やかだけど、カマタさんの駄洒落の「元気りんりん臨機応変」にこだわったり、「キャバクラかい?」と言ったりするところから、ちょっと冗談のツボが他の人とズレていそうな感じもする。
カマタさんは、東京版で最初に観たときの「きみ成人男性だろ?」というアズミさんの問いかけまで、完全に少年だと思っていた。こんな35歳楽しすぎる……。見栄えが悪いと言われて妙に気にするところが人間くさい。磯が好きだし、島が動くことを知っていたし、紫蘇みたいな色のTシャツを着ているから、もしかして元々この島のファンだったんじゃないかな、と勝手に思っている。
結局実は中々の新参者でまだちょっとよそ者だったカマタさんだけど、最後の「みんなよそ者だから……」のところでとても大事なことを話していた。「    その島」じゃなくても、あらゆるよそ者が集う場所で当てはまる言葉だと思う。

最後に
テレビで誰かのコントを観たときに、登場人物が一方的に嫌なやつだったり、あるいは誰かが1人だけ可哀想な目にあっていたりすると、面白いけどべっこり凹むことがある。そういう場合は、これが「おはなし」でよかったなぁと思う(面白ければいいのだから、別にそのようなネタが悪いとか、なくなってほしいとは思わないけど)。
男性ブランコさんのネタに出てくる人たちは、少し変だったり、うざかったりしても、なんだか「そんな悪い人でもなさそうだな」というキャラクターばかりで、安心できる。「おはなし」なのがちょっと寂しいし、どこかの世界で楽しくやっててほしいと思う。そのことを、今回改めて実感した。

ちなみに、「変身東京ウミウシ」を観た段階で、もしかして今回は衣服がキーアイテムだったりするのかな、と考えていた(「キャップスマホ」のキャップ、「トントン」の真白シャツ、「デニム」のデニム、「闇」の黒いパーカーと白いシャツ、「    その島」のTシャツと短パン(格好のせいもあって、カマタさんを少年だと勘違いした))。しかし、「変身大阪ウミウシ」の方を観終わった後は、どうにも偶々だった気がして、この仮説に自信がなくなってしまった。よくtwitterで、感想と共に考察を書いている人を見かけるが、本当にすごいなと思う。アホアホだから全然わからん。考察は向いていなさそうだからもうやめよう。

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