ニュース✓:チェルノブイリ直近地区、核廃棄物最終処分問題、元総理原発書簡、甲状腺検査
ロシアがウクライナに侵攻する直前に、ドイツDWのドキュメンタリーを
見たところでした。2014年以降、ロシアの支配化にあった南西部のルハンスク・ドネツクから逃れ、チェルノブイリの直近区域で生計を再開した人たちの話です。
ロシア武装勢力に捉えられ、拷問を受けた末に解放、そして人のいなくなったチェルノブイリ近傍地域でようやく暮らしをはじめたというのに、またロシアによる
侵攻。このドキュメンタリーで取り上げられている人たちの無事を心から祈ります。
ちなみに、チェルノブイリ直近地区とは言え、ウクライナ側はもともと汚染度がベラルーシほどひどくはなかったこともあり、立入禁止が解かれているあたりでは農産物を育てても、検出限界以下となっていました。
36年ぶり神恵内村長選、「核ごみ」論戦も欠けた熱気:日本経済新聞
先日の核廃棄物最終処分場の第一段階調査に応募した神恵内村の村長選について、日経にも記事がありました。
対立候補も、実は明確には「反対」を打ち出していなかったため論戦も盛り上がらなかった、ということです。結局、調査に応募しただけでも年間2億円(だったと思いますが)の交付金が支払われるので、それをもらいたいだけでそれ以上は進めるつもりはないから、とのことでした。
最終処分場建設が世界で決まっているのは、フィンランドとスウェーデンだけなのですが、国民的議論を積み重ねての上での決定だと聞いています。札束でほっぺたをひっぱたいて、話し合いという名目で人間関係によって有無を言わせぬ同調圧力をかけて黙らせて、物事を決めていく日本とは彼我の差があります。
結局、こうした制度を日本が採用し続ける限りは、地域に後味の悪い思いをばらまいていくだけになるのだろう、と感じています。
(ただ、こうした制度で自分たちだけ利益を得る既得権益高齢男性グループにとっては、こうした手法を採用することこそが、「堅実」で「手堅い」手腕だと評価されるというのが、落日日本の救いのなさです。地域を食い物にしているのは地域の高齢実力者たち、というのが現在の日本の姿ではないでしょうか。どう足掻いても明るい未来なんて開けません。)
首相、元首相の原発書簡「誤り」 欧州委員長に説明:日本経済新聞
こちらは、欧州委員会が現在進めている、グリーンエネルギーを指定する「タクソノミー」に、原子力発電がクリーンエネルギーとして登録されることに、日本の過去の5人の総理大臣が抗議文書を送り、そのなかに、福島県内で甲状腺ガンに多くの子供たちが苦しんでいる、との記載があったとのことで、それが事実に反すると騒ぎになった話です。
タクソノミーとは
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM274GL0X21C21A2000000/
元総理経験者5名について
もともとの文書については、「年寄りの冷や水」という評価です。もともと国際政治で影が薄く、その上、ほとんどが短期政権で存在さえ忘れられている日本の元総理大臣が、EUで文書を送ったところで、関心を持つ人もいませんし、影響力もあるわけないです。
日本人だって、この方たちが総理大臣をしていることを忘れているのに、ましてや、欧州で覚えている人なんて、よほどの物好きでしょう。
個人的には、こんなに政治音痴の人たちをずらっと並べて総理大臣にしてありがたってきた、日本の政治のレベルの低さをどんよりと噛みしめ、暗い気分になるばかりです。この人たちを支えてきたマスコミの政治部といい、まわりの方たちは少しはそのことに思いを馳せて戴きたいです。そのせいで、日本はいま現在、つるべ落としの落日なのですから。
甲状腺検査の問題
それとは別に、かねてから福島県の行っている県民健康調査、とりわけ、甲状腺検査については非常に問題が大きい、と指摘されています。
かつての総理大臣たちの問題とは別に、現在進行形で指摘されるべきはこちらではないかと思います。
福島ダイアログに参加して下さっていたみやぎ生活協同組合理事長 ふくしま県本部長の野中俊吉さんのインタビューでも触れてあります。
野中さんは、原発事故以降、ずっと存じ上げている方で、まちがいなく福島復興の立役者のお一人です。
私とはいつも意見が同じというわけではありませんが、決して理のないことを仰る方ではないので、違う意見であったときも、ご指摘には耳を傾けるべきだと思っている方です。
福島県の県民健康調査と甲状腺検査問題は、非常に闇が深く、正直に言って、県政には深く失望しています。現在、この問題は、事勿れ主義と保身と権益とイデオロギー闘争といった、ひたすら利己主義的な動機で動いており、そこに、当事者たる責任感であったり、復興にかける思いであったり、良心や倫理といったものはどこにも存在しないからです。
私がここのところ悲観的なことばかり言う、とがっかりされている方もいらっしゃるようで申し訳ないとは思うのですが、ただ、実情はそう書かざるをえないものなのです。
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