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ニュース✓:ウクライナの原発、東電が処理水で養殖試験、国際教育研究拠点続報

 昨日、チェルノブイリ原発をロシアが占拠した件、フランスの国営テレビFrance24でも報じられていました。

 最後は、欧州の干渉を拒否するというサインだと締めくくられています。やはり欧州側はそのように受けとめたということだと思います。
 原発事故のあと、欧州、特にフランスの関係者たちと密接に連携しながら活動を続けてきたのですが、彼らと日本人とのコミュニケーションで大きく違うと感じるのは、彼らはこうした「サイン」を非常に重視し、日本人はそれへの感度が非常に弱いことです。
 「サイン」は、メタコンテキストで、文脈依存性が高いので、欧州文化圏ではない日本人が苦手とするのはしかたないのですが、権威主義文化の島国で、社会的なポジションのある人は周囲から常に気を使われ、なにも考えなくてもまわりがお膳立てしてくれて、下の立場の人は上の顔色をうかがわなくてはならない文化なので、こうした感覚は育ちにくいのだろうと思います。

ウクライナで稼働中の原発

  チェルノブイリの占拠は、象徴的な出来事ではありますが、危険性という面で言えば、稼働中の原発の方がはるかに高いです。ウクライナで稼働中の15基の原発、原発は、作動停止した後も、冷却を続けなければなりません。戦闘は不測の事態が起きるものなので、懸念されています。

東電が処理水でヒラメ・アワビを飼育する試験

 2023年春にも政府が行うとされている処理水の海洋放出。処理水の海産物への影響を確認するために、東電が飼育試験を行うとのこと。
 この試み自体はいいと思いますが、問題は、「なぜそれを東電にさせるのか」ということです。

 東電に対する信頼はありません。はっきりいって、ゼロ、皆無です。
 そんなところがいくら試験をして、結果を発表したとしても、信頼されるわけがありません。

 東電に費用を出させて、その費用は透明性の高い第三者組織で管理し、そこが委託する形で試験をする、というのがもっとも望ましいと思います。
 第三者組織は、自治体が主導するものではなく、民間が主導することが望ましいです。福島県庁も、決して透明性が高い官庁ではないので、県が管理をしても情報の信頼性が高まるとは思えないからです。

 こうした制度上の工夫をおこなっていけば、ある程度までは信頼性を高めることは可能なのに、どうしても既存のやり方に執着して、やってもやっても信頼されないということばかり繰り返してきたのが、東電と政府の原発事故後10年のリスク・コミュニケーションであったと思います。

 処理水についてもそれを繰り返すつもりなのでしょうか。 

福島県に設置予定の国際教育研究拠点

 国が浜通りに設置すると決定されている国際教育研究拠点について、県外で関心をもっている方はほとんどいないと思います。
 自治体の関係者は一斉に色めき立っていますが、正直に言って、地元でも一般的には、またハコモノ作ってこの先どうするの? 既にこんなにハコモノだらけなのに? と思っている人の方が多いと思います。
 自治体の方は、国が百%負担なので、自分のところに作ってしまえばそれでいい、と思っているのかもしれませんが、自治体の思惑に従って、切り貼りされた研究施設で魅力的な、意義のある研究が行えるのかは、甚だ疑問です。
 研究者側からの懐疑的な声は当初から多く聞かれていましたが、ここまでの迷走に距離を取る動きが強くなっているようです。当然だと思います。

「24年度本格開所は厳しくなってきた」と復興庁のコメントですが、作るつもりがあるのならば、基本的なところからしっかり考え直さなければ、使い物にならないガラクタのような施設になるだけだと思います。時間をかけて考え直していただきたいです。

 また、若い人たちが戻れるように、と書いてありますが、いま現在でも、復興をしたくて戻ってきた地元出身の若者が、自治体のやり方に失望しているという話は、既に聞こえてきています。

 本当に若者に戻ってきてほしいなら、一方的に高齢者の願望を押しつけるのではなく、本当に若者が活躍できるよう、彼らにとって最良の場を用意し、また彼らがやりたいことをできるように決定権も渡してあげるべきではないでしょうか。
 高齢者のいいように使われるだけの人生がおもしろいわけがありません。将来ある若い人たちの人生をなんだとおもっているのか、と思います。

 


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