離婚へGO!③あの日。

書くのにしばらく間が空いたのは、書くことへの戸惑いがあったのと、単純に仕事が立て込んでいたから。ありがたいよね、仕事があるって。
シングルだと特にそう思うんだよね。今のところ、子魚の学費以外は、煮魚の収入で賄えてるのね。それでもカツカツだし、貯金もできない有様なんだけど。
それでも。東京事変の「緑酒」ではないけれど、自由よ愛してるもう遠ざかんないで!って心底思うよね。
もう、あんな日々は嫌なんだ。


びくびくして、いつ地雷ワードが出るか分からないから怖くてテレビ番組が見られなくなった。ニュースだって、妻が夫を殺害ってニュースが出たら「お前もこういうことをするつもりなんだろう」とか言い出すから、最初の10分くらいで消したりとか。
怒鳴って子供たちが泣いたら、「お前が俺を怒らせたんだぞ、お父さんを怒らせてごめんなさいって子供たちに謝れ!」とか言われたり。
運転してると、注意散漫とか混んでる道選ぶなとか文句言われるから助手席に入ると、ナビの仕方が悪いと叱られ、自分の危ない運転は歩行者や相手のせい。
掃除が苦手だからたまに掃除をきちんとしてくれるのはいいんだけど、その都度、お前は掃除が下手だから俺がするところを見ていろ!と同席させられ、説教をされつつそれを見守る。その間、何もできない。そして5歳の子魚に、「母さんが掃除下手だから、お前が出来るようになるんだよ」と言って洗面台を磨かせる。この事実は、離婚後に大きくなった子魚から聞き取った話。後で聞いても辛かったよね。本人はどれほど苦しかったことか。
子どもたちの前で言い争いたくないから、寝付いてから離婚話を切り出すと、そんな大事なことは俺だけでは決められない、子供たちの前で言え!と、文字通り寝た子を起こして「お母さん離婚するって!」と子供たちに訴える。
いっつも、「殺す」って、挨拶みたいに言われてた。そういう嫌な言葉いうの、やめてって訴えた。次から笑顔で「スーコロ!」と言われるようになった。可愛く言えばいいかな?って「ころぴよ★」とか言われるようになった。笑うしかなかった。後になって、だって笑ってたじゃん、って言われたけどさ。
外出しないと間が持たなかった。でも、外出が重なると出費も重なる訳で、貧乏ではなかったけど節約もしたくて、お金かかるし遠出やめようよって言ったら「俺が稼いでないっていうのか!」って、荒れる。だから、いわゆるお金もらえない「経済的DV」は無かったし、それを本人も自負しているところはあった。けど。けどさ。
財布を取ってほしくて、それ取ってって言ったら投げてよこしたんだけど、それが急で顔に、目に当たってしまった。すると「普通避けるでしょ。避けられないお前が変」と言われる。自分が皿を割ると「こんな置き方が悪い」という。他人くんが「俺が悪かったよ」って言う時は、皮肉にしか思えなかった。今でも、会わなきゃいけないときがあるから顔を合わせるけど、その時に謝られても、全然信用できない。
説教が始まると大抵3時間くらい。煮魚は寝るとリセットできるんだけどね、他人くんはそれが出来ないらしくって、解決するまで寝るな!を主張。それを子魚たちにも強要するから、そこは抵抗することもあった。
でも、お前が叱れ!って、煮魚に子供たちを叱らせる、というか怒鳴らせるのが何より辛かった。抵抗するのも、5回に1回くらいしかできなかった。そして、それが今、効いている。もし、これを読んでる人で同じようなことがある人がいたら、今すぐ辞めて、反抗して。子供は覚えてるよ。恨まれるよ。殴れ、とかは無かった煮魚ですら、そうなんだもん。自分の美意識に反することは、パートナーでも従っちゃいけない。誰かの尊厳を傷つけるようなことの手先になっちゃだめ。

こんなんだから、こっそり抵抗した。浮気する勇気は無くて、出会い系とかエロサイト眺めて妄想してうっ憤を晴らす。そして履歴が見つかって浮気だと大騒ぎされる。外出と良いもの欲しがりで家計が減っても、妄想の浮気男に貢いでいると思われる。

だから本当にいやでいやで、何がきっかけか忘れたけど、「あんたとはもう二度とセックスしないよ」と言い放って、以後10年以上に亘ってセックスレスを貫き通した。それまでも、御機嫌伺と間が持たないからって、盆と正月とGWにします、みたいな感じだった。

いつしか家庭内別居みたいになって、口数も減っていって、他人くんは常にイライラしていた。自分も悪かったと、今は少し、思える。子魚3と二人で、こっそりひっそり動くようになっていた。そんなある、クリスマスイブの日。クリスマスって言っても団らんは特にない。お休みだから、少しゆっくりしようと夜更かしをしていたそんな時。

日も変わろうとする直前、突然他人くんが怒り出した。
「何が気に入らなんだ無視しやがって。そんなに気に入らないなら今すぐ出ていけ、今日中に出ていけ!」
時、23時52分。
ターゲットは、煮魚と子魚3。よく覚えてないけど、慌ててリュックとバッグに何か詰めて、歩いていけるホテルを探した記憶がある。でも、直前になってなぜか「俺の方が出ていく!」と車を出して、行ってしまった。怖くて子魚3の部屋で、二人でドアの前に椅子とか本棚とか置いて、抱き合って眠った。
きっと世界中が、サンタさんをネタに幸せになっている、そんな時、絶好調に不幸だったんだ。


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