感想:「丸腰のボランティア」

これはね、アフガニスタンのボランティアをなさっててお亡くなりになった、中村医師の、著書ではなくて編集したものなんだよね。

もちょっと簡単に言うと、中村医師のもとにボランティアに来た人たちの現地での体験や感想を綴ったものなのね。なんでこれを読んだかというと、たまたまテレビで中村医師の特集をやってて、そこでこの著書の中の中村医師の言葉が引用されてて、それに心打たれたんだよね。

煮魚流にかみ砕いて言うと、結果を見るのであって動機は問わない、ってことなんだと。その番組の時にも実際ボランティアに行った人のコメントがあったんだけどさ、覚えてる範囲で書くと「自分は国連とかの機関に勤めたくて、箔を付けたくてボランティアに参加したが、そんな自分が恥ずかしく思えた」みたいな事言ってて、この人のすごいとこは、文系だったのに帰国して中村医師目指して医学部に入りなおして結果医者になったってとこなんだよね。何が彼をそうさせたのか。そう衝撃的に思ってすぐテレビに出た字幕のこの本のタイトルを見たんだけど、中村医師の文章は前書きだけだったよねw もちろん、現地に赴いたワーカーの方々の体験や文は素晴らしかったのだけど。数日で終わる人もいれば、何年もいる人も、ほんと、様々。で、上述の「動機は問わない」に繋がるんだよね。

なんでそこが引っ掛かったかっていうと、煮魚は日本で働きたい外国人に関わることがあるのね。で、よく言われるのは「仮面留学」とか「稼ぎたいだけ」とかなんだけど、そう評する日本人の言葉になんかモヤってたんだよね。貴穀賤金てのかなー、稼ぎに来て何が悪いの?お世話になってるんじゃん。税金だって払ってるんだよ。って思ったりさ。言いたい事が分からない訳ではないが、それじゃ始まらんでしょ、と思ったところに目にしたのが、この本の中村医師の前書きって訳。で、ペシャワール会の実際などは知ることができたけど、そんなボランティアを巻き込んで突き動かした中村医師の正体はこれではつかめなかったから、またの機会に他の著書を探すことにするじゃん。人はあまりにも経過や心根みたいなものに拘りすぎることがあるから、もっとシンプルに、見えるものだけ信じてもいいのかもしれない。そうすると人付き合いも楽じゃんね。この人、実はどう考えてるのかな?って邪推したり悩んでも便秘になっちゃうYO!

何が言いたいかっつーとさ、いろんな国があって個人の選択の自由があるなかで、わざわざ日本を選んでくれた人たちがいる訳じゃん。その、選択の意思をもっと尊重して、感謝していいと思うんだよね。

例えがよろしくないかもしれないけど、江戸時代の文化人はオランダ語を勉強してた訳じゃん?オランダ語を勉強することがステータスだったわけだし。で、現代日本でオランダ語を勉強してる人が何人いますか、って話。煮魚は、いつか日本語を勉強したいって人たちが減っていくんじゃないかと心配している。これは、日本語教師の努力は及ばない領域だと思うんだよね。そうならないためにも、相互リスペクトだと思うんだZ!

丸腰のボランティア―すべて現場から学んだ
ペシャワール会日本人ワーカー (著), 中村 哲

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