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読書記録16 ルリユールおじさん

古くなった本を修理するお仕事、パリの製本職人のおじさんのお話。  

 他の手仕事をと同様、消えつつある職業だ。   

本は紙ではなく電子書籍で、と言われる方の理由の1つが紙の無駄。 ごもっともである。書店、特に大型書店では大量の本が並び消えしているのだから。流行りものの本は電子書籍がいいかもしれない。でも、この主人公の女の子のように、一生を決めるほどの価値のある本もある。そんな本を修理をしてもらう。これ以上に紙を大切に扱う方法はあるだろうか。   

モノを減らす、ムダを減らすことが推奨されている今、人の価値観が別れてきているように見える。   

本を例に挙げると、 

 紙の本を買い、本棚に大切に整え、繰り返しページをめくり心の癒しを得る人。  

一方、 

 本棚を取り払い、本は電子書籍へとシンプルライフを求める人。   

私は、時代遅れとなるのかもしれないが、デジタル化された生活より、ルリユールおじさんの生きる世界が好きだ。どんなことも、自分の目で見、手に取り、匂いを嗅ぎ、経験したい。 今は行くことのできないパリの街並みに想いを馳せながら、自分の大切なものを考えさせてくれ、製本・装丁の工程を学べる素敵な絵本でした。   

アンドエト 五十嵐 

 

ルリユールおじさん  

 著者名 作:いせ ひでこ  

 発売日 2011年04月12日  

 価格 定価 : 本体1,600円(税別) 

 ISBN 978-4-06-132465-7  

 判型 A4横長  ページ数 56ページ



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