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好きな人に会うという事

たいそうな見出しをつけたもんだなと思う。
が、今年の一月に私は23年生きてきた中で一番といって良いほどの衝撃を受けた。

小林賢太郎という男をご存知だろうか?

まず小林賢太郎を知ったのは、私が高校二年生の頃である。
勉強が嫌いで部活も辞め絵をかき殴ってやさぐれていた時分だ。日々何かにつけ勉強からのらりくらりと逃げていた。
そんなときにゴロリゴロリとしていると、ふと昔見たものを思い出すものである。その時思い出したのが、

「千葉!滋賀!佐賀!」

、、、あれって結局何だったんだ。
昔、従兄弟が見ていたフラッシュ動画を思い出した。(フラッシュ動画が伝わるかで歳がバレます)
良い勉強から逃れる言い訳を見つけて、検索を始めた。

そして見つけた。「ラーメンズ」である。

これほどまでに笑ってコントを見たのは初めてというほど笑った。
それから、ラーメンズの動画をあさり何度も繰り返し見た。
ちなみに、私のおすすめどころは
バニーボーイ採集バッハだ。暇な人、見て。

とまあ、これがラーメンズとの馴れ初めであるが、彼らのなにがすごいかというとコント、というにはなにかすこし豪勢な練られ方のしたネタである。
ウィットに富んでいて、何度見ても発見がある。昔一度見たものを何年か跨いで見ると新たな理解を得る。すごい。
そして、動画を見て気がついた。

小林賢太郎、顔、めっっっちゃ良。

いや、当初からサブカル女を極めし喪女であったが、小林賢太郎の顔が嫌いなサブカル女はおらんやろ。
目に光のないなにを考えているかわからない亀のような人間が好みの私だが、ドストライクである。

好きな顔は見てるだけで体調が良くなる。
自然と笑みが溢れる。
宝くじが当たりそうな気がする。

一回生で拝んでみてぇ〜〜〜〜

私は23年何かのオタクをやっているが、オタクは誰しもそう思うのではないか。気のせいか。そうか。

しかし、私は23年その時その時に推してきた人間に会ったことがなかった。なぜか。

こっちが目視できてるということは向こうも目視できるのでは?問題

を抱えていたからだ。
私は小中高と人に見せれたものではない見た目だったのでそのころの写真などは焚書している。その上、自己肯定感が死ぬほど低い人間だったので、こんなキチャナイ人間が推しの目に入って良いものか?と常々思っていたし、思いながら数年が経った。

しかし、その時は来た。

私の高校からの友人にニシオというすげぇ女がいる。(家でボルシチを作ったりピロシキを作ったり、兎に角なんでも自分で作る。大学四回時に彼女の練ったプランで台湾に行ったりした)

ニシオとは高校の時からの付き合いで、私がラーメンズをゴリ押し、沼に沈めてしまった。二人でラーメンズをみてキャッキャッしていたが、ラーメンズは既に活動を休止していたので実物が見れないことに二人でしょげたりした。

そんな折、12月くらいに彼女から一本LINEが来た。

小林賢太郎、見に行こう。

講義中にうっかり見てしまい、ニヤケにも泣きそうにもつかない感情で席を立ったのを思い出す。
二つ返事でオッケーしたし、この日のために私は垢抜ける努力をしてきたのだと、しみじみ思った。

ニシオが取ってくれたチケットは、「うるう」という舞台のチケットだった。前情報は小林賢太郎の一人芝居であるということのみ。
普段の映画等であれば、あらすじまでくらいは事前情報として頭に入れて挑む(入れとかないと頭で話が理解できないため)私だが、今回ばかりはなにもわからずに行った方が良い。

そして、決戦の日。
会社には何が起ころうが、この日は絶対に休みますと伝えていたのでなんなく休めた。
豊橋での公演だったので、東京に住むニシオとは現地で合流後、ご飯を食べた。
名物らしいがなんだか緊張して、味とかあんまりわからなかった。

そして、二人して緊張しながら舞台を見た。

すっっっごかった。ほんとに。

語彙力がなさすぎて、本当に申し訳ないのだが、本当に本当にすごかったのだ。
位置的にはすごく見やすい席で(ニシオありがとう)、若干遠いかな〜〜と思っていたのだが、そんなことは杞憂であった。

小林賢太郎は、声で魅せてきます。

正直顔もわかるかなくらいの目視だったけど、声を聞いた瞬間、ああ、この人は小林賢太郎だと瞬時に理解した。親の声より聞いた声。

また、一人芝居ではあるけど持ち前のマイムのうまさに加え舞台の間の取り方がうますぎて、逆に一人だからこそこういった演出ができるのか、と感心していた。最終的に泣いてしまった。
一人芝居ではあるが、チェロ弾きの方が一人おられてその方の演奏の表現もすごい。し、終幕でそうくるか!となるので、みんなぜひDVDでたら買って欲しい。

世界に言いたい。私の推し、こんなに凄い。

終わった瞬間、数年間の自分を殴りたくなった。目視がなんだ。この感動に比べたらどうしようもなくしみったれたものだ。あと単純に自分の好きな人に会うって、、、

元気でます。次の日契約めっっちゃとれました。(不動産営業23歳・女)

、、、て感じです。

今、日本というか、世界はどうしようもなく張り詰めていると思う。
小林賢太郎の舞台も全公演が中止になった。
悲しい。けれど、次に元気な推しに会うためにはどうってことはない。
生きてれば、なんとかなる。
なのでみなさん、推しに会うまで、好きな人に会えるまで、元気にお家で推しの動画でも眺めましょう。


アベノジュウマンでDVDとか買っちゃおうね。

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