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つるぴかりとネバリゴシを食べた松ト麦デビューの日。andCURRY日誌➖20240824

「大きくなったらママと一緒にカレー屋さんをやりたい」といっちゃんが言った。

お、おう!と口ごもってしまった。素直に嬉しい気持ちと、もっとあなたの知らない世界があるんだよという気持ちが混じり合った、なんとも言えない感情。カレー屋の仕事は楽しいけれど、わたしがここに辿り着いたのはなんとも不思議な縁があってのことで、狙って今があるわけではない。いっちゃんのこれからの人生に降りかかるいろんなピースを集めて、自分だけのパズルを作っていって欲しいなと思う。そのためにわたしができる限りのことはしてあげたい。

上記は昨日晩御飯を食べていたときの話。なんとなく将来の話をしなくては、と、夫と語り合い過ぎて、日誌を書いたりしていたら眠るのは2時を過ぎていた。

今朝は8時出勤のはずが起きたら7時47分。詰んだ。
気が動転していたのか、意味もなく家の中をやたらに行ったり来たりしてしまった。寝坊するのは久しぶりだ。
キッチンについてからは怒涛の準備をした。今日は玉川高島屋さんでお弁当の販売があったり、来週の阪神百貨店のイベント準備も行った。
幸運の女神は準備ができている者に微笑む。
準備大事!!準備準備!!

今日は結婚式を控えるお客様から、式でカレーにちなんだファーストバイトをすると聞いて、ぶち上がった。めちゃくちゃいいではないか。わたしもその式に参加したい。幸せな話を伺えて、幸せな気持ちになった。そういう話もっとください。

しーちゃんとさゆりが頑張って働いてくれたので、奇跡的に定時で上がれた。ここからわたしは束の間の休息。家には帰らず、バスに乗って目的地へと向かう。

地図アプリを見ながら、見逃しそうな地下に続く階段を降りる。赤提灯にはうどんの文字。重い扉を開けるとこんちゃんの明るい声が響いた。

そう、ここは松ト麦。紹介制のうどんスナック。店主の井上こんちゃんとは、共通の友人からの紹介で出会い、カレーうどんのイベントも一緒に開いたことがあるのだ。こんちゃんがお店を開いてから行きたいと願っていたけれど、子育てやコロナなどがあり、さらに忙しいお店の状況をSNSで見知っていたのでずっと先延ばしになっていたのだ。
幸運なことにお客様からお誘いいただいて、初の松ト麦を堪能できた。

国産小麦の美味しさを追求しているこんちゃんの、こだわりが詰まったお店。テキパキと一人で縦横無尽に動く姿はキレキレのかっこよさがあり、つい見惚れてしまった。
うどんを茹でたり、揚げ物をしたり、グラスを洗ったり、、体はずっと動いているのに、お客様への心配りも忘れない。す、すごい。

ハートランドの中瓶を一人でグイっとあけた。つまみ盛り合わせがうますぎるせいだ。おうどんはつるぴかりの冷かけをすだちトッピングで。小麦で選ぶんだよ、うどんを!なんてこった。そうめん仕立ての麺をつるっと啜り、すだちの酸味とあっさりなお出汁を堪能したら、満足度が振り切れた。まかないを我慢して来たこともあり、身体が喜んでいる。ふと並びのお姉さんが食べている釜玉うどんが目に飛び込んできた。さっきのおそうめん風もいいんだけど、あの太い麺に長芋と卵黄を絡ませて食べたい、どうしても食べたい。もうお腹いっぱいなのに、自然と追加のうどんをオーダーしていた。これがこんちゃんマジックか・・・。強者は8杯ほど食べた記録があるらしい。絶対に8杯は無理だけど気持ちはわかる。食べたくなっちゃうよね。

そして目の前に登場したのは、ネバリゴシと呼ばれる小麦。名前からのイメージ通り強い。麺を食べてはいるんだが、実は麺の方に食べられているのかもしれない、と哲学的思想が浮かぶ。むっちりもっちり、噛んでるのに跳ね返ってくるような強さがある。ああこれは面白い。もっと知りたいと、思ってしまう奥深さ。他の小麦ではどんなふうになるんだという探究心がむくむくと起き上がってくる。
食べ終わっても満腹で辛い、と言う気持ちはなく、食べ切った清々しさがある。お客様通しの横のつながりも平和的にあり、お店の一体感も素晴らしかった。

帰宅。ふー。明日はお店は営業だけどわたしはお休み。明日も楽しみな予定がある。さぁお腹を空かせるぞ。



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