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役に立たない秋田弁講座(#6 け!)

秋田県民の会話は短いです。
県民性でしょうか?担当直入ですし、長々と立ち話をすることも少ないです。
秋田の冬は寒いので、立ち話なんかしてたら凍えるし、口開けてると口の中に雪が積もるから(嘘ですよ)出来るだけ口を開けないでお話をする習慣がついてしまったんでしょうね。
青森に伊那かっぺいさんという方がいらっしゃいまして、
青森県民が道で人に会った時に会話する中で一番短いやり取りは
「どさ?」
「ゆさ。」
というものだよ、というお話をなさっていましたけど、
秋田も同じです。
私も秋田の「伊那かっぺい」になりたいなあ。
長い会話をしていると、くぢのながさゆぎ積もるがら
(口の中に雪が積もるから)
出来るだけ口をあけないで短いセンテンスで会話をするということなんですね。
「どさ?」というのは「どこに行くの?」
「湯さ」というのは「温泉にいくんだよ。」
もちろん自宅にもお風呂はあるのですが、昔はこの辺りでも町内に小規模の温泉があったんです。お年寄りや子供たちのちょっとした社交場にもなってたんでしょうね。
町内のあちこちでまさしく
「どさ?」
「ゆさ。」という会話が交わされていたんです。
しかしながら、この町内に二軒あった温泉も20年も前に閉鎖され、
道ゆく人もめっきり少なくなりました。
やけに黒い人が歩いてるなぁと思ったら、熊だったりしますから、
怖いですね。(昨年は隣町のスーパーの駐車場で見かけた人がいました。
そのうち、人より熊の方が多くなるかもしれない秋田です。😭)

さて、短い会話として有名な
「どさ?」
「湯さ。」ですが
秋田ではもっと短いセンテンスがあります。
それが、
「け」です。
しかし、この「け」ですが
少なくとも三通りの使い方があります。
そのうちの一つは
「食べなさいよ。」
二つ目は
「痒い!」
三つ目は
「こっちに来いよ。」
三つ目は県南地区ではあまり使いません。秋田市から県北で使われます。

さて、「け」といえば思い出されるのは
秋田が誇るシンガーソングライターの高橋優くんが
「腹つぇ」という曲の中で「け」を十三回連呼しています。
「食べなさいよ。」と、ばあちゃんに次から次にお料理を勧められている様子を歌ってるんですが、これ、嘘じゃないんですねえ。
この辺りのおかあさんたち、ばあちゃんたちはとにかくお客さんに勧めたがる。
ガッコ、海苔巻き、寒天などなど、常に山ほど作ってお客さんをもてなしたがるんですよね。
まんず、け。
これも、け。
あれも、け。
そう言わねで、け。
太るどが言わねで、け。
本当に「け」13回なんですよ。

今日は「食べなさいよ=け」のお話でした。

この音声はこちらで聴くことができます。↓

https://stand.fm/episodes/5ff7be45288f4de610a8379a

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