本音は棘

昨日、やらかしたんです。

苦手な人に真っ向から苦手と言ってしまいました。

それも新年会という楽しい飲み会で。

しかも酔いすぎて。

わたしの話を聞いてくれませんか

「わたし前からずっと苦手だったんですよ　ずっと」

彼女はわたしが前に働いていたバイト先で働いていて　わたしはよく呑みに元バイト先に行くんです　その度に彼女はいて　そのたんびに　わたしへの態度がなんというか言葉にできないような　微妙な距離感を出してくるというか　ちゃんと話したこともないですし　それが普通の距離なのかもしれませんが　なんとなくです　わたしと生理的に相性が悪い気がしていました

「今のは良くないよ　謝りなさい」

彼女も　わたしを苦手だと思います　友達の妹ですし　でも昨日の飲み会に来た時　彼女　ひとりには手を振ったのに　横にいたわたしとは目も合わせないんです　もしかすると　一回もちゃんと目が合ったことないんじゃないかな　

「すみませんでした」

わたしは　お酒をたくさん飲んで　言いたいことを言ってしまう人です　わたしは　嫌いな人あんまりできない人です　わたしは　お酒をたくさん飲んだことで　暴言を吐いたり　暴力を振るったりしたこともありません　なので周りの人は　わたしが突然放った言葉に　驚いていました

「でも　すみません　本当に苦手なんです」

彼女を苦手な理由はたくさんあって　これ以上ここにいると　わたし　もっと最悪な言葉を吐くことになる気がして　出ていくことにしました　というか何個か言ってしまいました　最悪ですね　

「あんまり好きじゃないですし　帰ります」

その後家に帰る間　ずっと　泣き叫びました　彼女がどんな人かちゃんと知らないくせに苦手とか言うわたし本当に最低だな　流石にどんなにメンタルが強くても　嫌だっただろうし　わたしが彼女だったら絶対にその場で怒ってしまうだろうな　大人になれないな　彼女はきっと　いま　みんなに優しい言葉をかけられているのだろうな　謝ってって言われて謝った時の　穏やかに許してあげる私　いい女って思ってたんだろうな

「昨日は楽しい新年会を壊してすみませんでした」

彼女の連絡先は知りません　ただこの会に呼んでくださった幹事さん　わたしがいつも呑む先輩に送りました　幹事さんからは返信がありました　今度は楽しく飲もうね　と　そしていつも呑む先輩からは　返信は返ってきません　当たり前ですね

「酔ってる時に嘘はつけないですし」

「いつも心で思っていたことが出てしまったんです」

「それを口に出さないのが大人ですし」

わたし　きっとずいぶん前から　元バイト先の輪からは抜けるべきだったんです　なんでかわからないです　きっとそうなんです　あの場はわたしには合わないというより早いんです　まだ未熟なわたしは　まだあの場で綺麗に振る舞えないんです　きっとそうなんです

「彼女だけではなく皆さんのことまでも傷つけてしまったと思います」

わたし　嫌いな人には嫌いって言わない人だったのにな　わたしも　楽しく呑みたいだけだったのにな　どうしてだろう　泣きすぎたな　彼女は泣いたかな　みんなに幻滅されただろうな　もう美味しい料理を食べにいけないな　大人になる日はいつ来るのかな　

「すみませんでした」

明日　話に行きます　から　話を聞いてくれませんか