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小さな物語。

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現実と想像が交差する、小さな世界を表現しています。
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2014年5月の記事一覧

小さなもの

小さな台所で、小さな珈琲を淹れている。

180cmある身長には不似合いだけど、僕は小さなものが好きだ。

何事も小さい方がいいと、少ない人生経験からでも、そう思う。

大きいって、もうそれだけで罪みたいなものだ。

180cmの僕は、罪に問われ、そして捕まった。

今日も小さな独房で、小さな珈琲を淹れている。

魔法の急須

愛用している急須を磨いていたら、煙がモクモクと出てきて、ひとりの老婆が現れた。

「うけけけ、ワシは西の魔女じゃ。お前に魔法をかけてやるわぁ。」

僕は恐怖のあまり、気を失ってしまった。
目が覚めると、手紙が残されていた。

「今から24時間以内に、10個までの持ち物を選ぶんじゃな。それ以外は全て消えてしまう魔法をかけてやったわぁ。うけけけ。」

ちょうど良い。僕は身軽になりたかったんだ。