Google Tag Managerのサーバーサイドタグ付けなどのソリューションが、将来の7日を超える期間クッキーの有効期限を設定できなくなる可能性について
背景知識
まずは、この議論の背景知識です。
クッキー: ウェブサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなテキストファイルで、ウェブサイトがユーザーの情報を追跡・管理するために使用されます。ファーストパーティクッキーは、ユーザーが訪れたウェブサイトによって設定されるクッキーです。
A/AAAA DNSサーバー: インターネット上のドメイン名をIPアドレスに変換する役割を果たすサーバーです。AレコードはIPv4アドレス、AAAAレコードはIPv6アドレスを指すために使用されます。
第三者のA/AAAA DNSサーバーによって設定されたファーストパーティクッキーとは、ウェブサイトがユーザーのブラウザに保存する情報で、そのウェブサイトによって設定されますが、ドメイン名の解決(つまり、ウェブサイトの名前を対応するIPアドレスに変換するプロセス)が別のサーバー(A/AAAA DNSサーバー)によって行われます。これにより、ウェブサイトの運営者がユーザーのアクティビティを追跡し、サイトの機能を提供するために必要な情報を保存できます。
何が問題なの?
このようなクッキーが問題となるのは、ウェブサイトの運営者がユーザーのプライバシーを侵害する可能性があるためです。そのため、WebKitのアップデートでは、第三者のA/AAAA DNSサーバーによって設定されたファーストパーティクッキーの有効期限が最大7日に制限されることになりました。これにより、ユーザーのプライバシーが保護されることが期待されます。
Simo Ahava氏のツイート
ウェブ解析の設定周りに詳しいSimo Ahava氏(https://twitter.com/SimoAhava)の注目のツイートについてみて見ましょう。
翻訳:
#WebKit のアップデートで、第三者の A/AAAA DNS サーバーによって設定されたファーストパーティクッキーの有効期限が最大7日に短縮されるようになったようです。これは Safari 16.4 で実装されています。
「IPアドレスを隠す」設定が「トラッカーとウェブサイト」(iCloud+)に設定されている場合、クッキーの有効期限は影響を受けません。
解説:
このテキストは、WebKit(ウェブブラウザのエンジンの一つ)のアップデートに関して述べています。このアップデートにより、第三者のA/AAAA DNSサーバーによって設定されたファーストパーティクッキーの有効期限が最大7日に短縮されるようになりました。ただし、iCloud+の「IPアドレスを隠す」設定が「トラッカーとウェブサイト」に設定されている場合、クッキーの有効期限はこの変更の影響を受けません。Safari 16.4では、この変更が適用されています。
上記は、ウェブブラウザのエンジンであるWebKitのアップデートについて述べています。
WebKit: ウェブブラウザのエンジンで、ウェブページの表示や操作に関わる基本的な機能を提供します。WebKitは、Safariや他のいくつかのブラウザで使用されています。
クッキー: ウェブサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなテキストファイルで、ウェブサイトがユーザーの情報を追跡・管理するために使用されます。ファーストパーティクッキーは、ユーザーが訪れたウェブサイトによって設定されるクッキーです。
A/AAAA DNSサーバー: インターネット上のドメイン名をIPアドレスに変換する役割を果たすサーバーです。AレコードはIPv4アドレス、AAAAレコードはIPv6アドレスを指すために使用されます。
このアップデートでは、第三者のA/AAAA DNSサーバーによって設定されたファーストパーティクッキーの有効期限が最大7日に短縮されるようになりました。これは、ユーザーのプライバシーを保護するための措置です。ただし、iCloud+の「IPアドレスを隠す」設定が「トラッカーとウェブサイト」に設定されている場合、クッキーの有効期限はこの変更の影響を受けません。
iCloud+は、Appleのクラウドサービスであり、追加のプライバシー機能を提供します。この機能の一つに「IPアドレスを隠す」があり、ウェブサイトやトラッカーからユーザーのIPアドレスを隠すことができます。この設定が有効になっている場合、クッキーの有効期限は変更されず、ユーザーのプライバシーが保護されます。
「IPアドレスを隠す」は、ブラウザを使用している一般ユーザーが設定する機能です。ウェブサイト運営者ではなく、一般ユーザーが自分のプライバシーを保護するためにこの設定を利用できます。この機能は、iCloud+サービスの一部として提供されており、ユーザーが自分のIPアドレスをウェブサイトやトラッカーから隠すことができます。これにより、オンラインでのプライバシーが向上し、ユーザーの追跡を難しくします。
ツイートの続き
@SimoAhava氏の、上記ツイートに続くやり取りを見て見ましょう:
解説:
この一連のツイートでは、WebKitのアップデートによって、Google Tag Managerのサーバーサイドタグ付けなどのソリューションが、将来の7日を超える期間クッキーの有効期限を設定できなくなることを議論しています。また、ユーザーが7日間そのウェブサイトにアクセスしなかった場合、WebKitはウェブサイトのすべてのスクリプトで書き込み可能なストレージを削除することも述べられています。
また、このアップデートは、WebKitが「CNAMEクローキング」と呼んでいる問題に対処するためのものです。GTMサーバーサイドタグ付け(S2S)でこの制限を回避する方法について質問されています。SimoAhava氏は、デプロイするサーバーがウェブサイトを提供するサーバーと同じIP範囲を共有している場合、この特定の機能を軽減できると回答しています。つまり、自分のサーバーにGTMサーバーサイドタグ付けをデプロイすることで、この制限を回避する可能性があります。
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