見出し画像

【CDP(カスタマー データ プラットフォーム)】を導入する企業が増えてきている理由

この記事を読んで頂きたい方

「CDP(カスタマー データ プラットフォーム)」のおおよそのイメージは掴んでいるが、どうやって導入するのか、具体的にどう活用するのか、イメージできない方。

弊社のお客様の中にも、昨年の後半から今年にかけて、「CDP導入の検討を始めた」というお客様が多くいらっしゃいます。今年の2月には、下記のような分かりやすいCDPの入門書も発売され、CDP導入の知見を持つ人が、様々な業種・業態に増えてきています。

画像7

マイナビ出版
ユーザー起点マーケティング実践ガイド
CDPによって顧客とつながるストーリー

著作者名:小畑 陽一、 菊池 達也、 仁藤 玄
監修者名:小川 卓、 野口 竜司、 藤原 尚也
発売日:2021年02月22日

1. CDPを一言で言うと?


「CDP」「カスタマー・データ・プラットフォーム」の略で、「企業が保有する顧客情報を収集して分析するためのプラットフォーム」のことです。

2. CDPを導入する企業が増えてきている理由

「顧客情報を収集して分析する」ということは、CDPを導入しなくても、既に実現できている企業はたくさんあります。しかし、習得に時間が掛かる知識(SQL、Python、Rなど)が無いと活用できないデータベースだと、「データを活用して、顧客毎にコミュニケーションを最適化するマーケティング活動」がなかなかスケールしません。「少しは出来ているが十分ではない」という状態から抜け出すことが出来ないのです。

CDPを導入する企業が増えてきている理由は、「マーケター自身が、アナリストにSQLを叩いてもらわなくても、データを活用して施策に落とし込める環境を整えなければならない」という考え方が広まって来たからです。ウェブサイト、アプリのマーケティング担当者、広告運用担当者だけではなく、営業担当者やカスタマーサクセスの担当者も、「アナリストにSQLを叩いてもらわなくても、自分自身の手でデータを活用して、施策を立案・改善していかなくてはならない」という考え方の浸透が、CDPの普及を後押ししています。

3. CDPを導入すると何ができるのか

「CDP」の「C」はカスタマー、すなわち「顧客」です。「CDP」の導入により、顧客を対象としたマーケティング活動で下記のことが可能になります。

CDP_図8

図1: CDP導入で可能になること

(1) 顧客の優先順位の明確化

「購入回数」「購入単価」といった単純な区分だけでなく「スコア」「ランク」など、独自に定義したファネル構造に基づいて、顧客の優先度が判定できるようになります。

(2) 顧客のLTVの最大化

CDPのデータを分析して顧客を分類できるようになれば、独自に定義したファネル構造に応じたコミュニケーションが取れるようになり、その結果としてLTVの最大化が実現できます。

(3) 顧客に対するリソース/コスト配分の効率化

たとえば、以下のようなことが可能になります。
・広告のフリークエンシー コントロール
・顧客への重複コミュニケーションの排除
・オフラインコストの最適化(例:リード獲得から契約に至るまでのコストの削減)

2. CDPが担う役割

CDPは、顧客データの「収集」「統合・分析」「施策への落とし込み」の役割を担っています。

CDP_図2

図2: CDPの役割

3. データ「収集」

CDPで収集できるデータは、「年齢」「性別」「会員登録日」などの「顧客データ」と、ウェブサイトへの訪問、スマートフォン アプリの利用、アプリで計測した来店データ等の「訪問データ」です。

CDP_図1

図3: 顧客情報などをCDPに集める

4 データの「統合・分析」

集めたばかりのデータは「生データ(データレイク)」なので、そのままでは効率的に「分析」することができません。「構造化データ(データウェアハウス)」に加工し、「落とし込む施策」毎に「活用用途に応じて作成されたデータ(データマート)」を作る必要があります。

CDP_図9

図4: データレイク、DWH、データマート

上記のうち、データウェアハウス構造化データ)」の作成が、「統合・分析」の「統合」に相当します。「収集」したデータを「顧客ID」に紐づけ、個人のデータとして「統合」します。

CDP_図4

図5: 「顧客ID」に紐づけして、個人のデータとして「統合」

「収集」「統合」したデータの「分析」

「顧客データ」「行動データ」「統合」されたデータがあれば、商品やサービスに関心を持つ顧客の情報を「分析」できます。

5. 「施策への落とし込み」

「収集」したデータを「分析」できる形に整備したら、実際にCDPから他のシステムにデータを連携させます。DSP(Demand Side Platform)に連携する、ウェブ接客、CRM、MA、BIツールなど外部ツールと連携をするなど、「施策への落とし込み」の環境を整えます。

CDP_図5

図6: CDPから施策への落とし込み

6.CDP構築の流れ

CDP構築は、以下のような流れになります。

CDP_図10

図7: CDP構築の流れ

7. CDP活用事例

あるECサイトでは「初回購入から2回目以降購入の転換率が低い」という課題がありました。このECサイトではCDPのデータを分析することで、以下の施策が有効であるとの結論にたどり着くことができました。CDPがなくても同じ結論にたどり着くことができた可能性はあります。しかし、たどり着くまでに要する時間は数倍かかっていた可能性があります。

「初回購入から2回目以降購入の転換率が低い」という課題に対する有効な解決策
・クラスターに関連する商品のレコメンド(顧客を「似た者同士」に区分してレコメンドする) 有効度:B(ランク付けは自社独自基準)
・「2回目以降購入者が閲覧しやすい」という観点からのウェブサイトのUI改善 有効度:A
・2回目割引クーポン 有効度:C
・初回購入商品と関連する商品のレコメンド 有効度:A

8. まとめ

CDP導入は困難な道のりに見えるかもしれませんが、タスクを洗い出してスケジュールを決めて進めれば、それほど難しいことではありません。また、どんなツールを利用するか、どんな外部のパートナーを選ぶかに関わらず、たどるプロセスは同じなので、今すぐ導入の検討を始めても、初期段階での会議運営にかかるコストは無駄にはなりません。「マーケター自身が、アナリストにSQLを叩いてもらわなくても、データを活用して施策に落とし込める環境を整えなければならない」という考え方に賛成されるのでしたら、すぐにでも検討を始められることをおすすめします。

------------------------------------
弊社への「CDP導入」等のご相談はサイトよりお願いいたします。
▼お問い合わせ
and,a(https://and-aaa.com/
------------------------------------

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?