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『戦略プロフェッショナル』三枝匡

戦略経営者になるために、という議題で著者自身の経験を”ほぼ”実話ベースで描く。実話ベースをフィクショナルに描いているので小説のように非常に面白く読めた。時折、三枝氏の経営ノートが途中で入り、読者との橋渡しやあなたが経営者だとしたらどうする?という質問を投げかけてくれるので、考えながら進めることが出来るのも面白い。

ほぼ全編にわたって書かれているプロテック事業部について、改革の戦略を思いつくための黒岩の行動は、現場の声を懐疑的に聞きながら抽象化していき仮説を立てながら再度現場に降りていく。現場主義・仮説思考・当事者意識・やりぬく力・巻き込む力など多様なスキルを用いながら改革を進める姿は心を打つ。
戦略をどう落とし込んで部下に伝えるか、という部分も含め”考え続けている”という印象を受けた。

一方で、急激な改革はサラリーマン全員が求めているわけではないので社内の軋轢を生んでしまったことを反省されている。企業での立ち居振る舞いと企業改革のバランスが大事だということにも気づかされる。

30代にかかっていく今の状況として、この本を読んで感じたことは若く体力のあるうちに死ぬ気で仕事に取り掛かる(考え続ける)ことで見えてくる地平があるだろう、ということだ。

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