ともだち

ずっと、夢見ていたことがある。

それは、「本当の友達」と出会うこと。

小学生の頃から、ずっと、ずっと、探していた。

10歳までの私は今の何倍も気が小さくて繊細さんで、特に小学校の同級生の女子たちはみんな性格がきつくて、合わない人ばかりだった。

いじめを受けていた訳ではないけれど、「つるむ関係」は嫌だと強く思っていてみんなから好かれるような性格でなかった私は、正直小学校が楽しいと思った記憶がない。

学校は勉強するところ。学問と、そして社会勉強をするところだと割り切って、友人関係に関しては感情を無にして毎日登校していた私は、ずっと心の友達と呼べるような親友と出会う日を待ち望んでいた。

課外活動でも、この子なら、この子かな、と初めましての場で期待を寄せては、ああ、価値観が違ったな、この子じゃなかったんだなと少しがっかりすることを繰り返していた。(決して彼女らを卑下していた訳ではない)

その内、本当の友達を探しているということも忘れ、出会う度に変な期待をしないようになっていた。

どこかでもう、出会わないものだと感じてそうなったのかもしれない。



だけど、気づいたら私は出会っていた。

大切な友人に恵まれていた。


複数の部活と生徒会と習い事を掛け持ちして、面倒なことにも突っ込んでいけるくらい真っ直ぐで優しくて、いつも素朴な笑顔が素敵な、純度の高い親友と出会えた。

毎朝1番に教室に来ては掃除をして、勉強もコツコツ努力型で、自分の欲望や損得勘定を一切持っているように見えない、思いやりに溢れた仏様のような親友と出会えた。

繊細さんでいつも周りのみんなを明るくするために一生懸命で、いつも笑顔な心優しい親友と出会えた。


ずっと探していた私の本当の、心の友達は、私が気づかない内に姿を現してくれていたのだ。

きっと、今思っている以上にこの高校生活はかけがえのないものだったのだろう。

仲良くしてくれている彼らには感謝の気持ちしかない。


そして、信頼できる、素敵な大人にもたくさん出会えている。

自分の利権や名声、お金に捉われているような大人もたくさんいる中で、背中を追い続けたいと思う人たちから、応援してもらえている。信じられている。

自分のことを、私の言葉を信頼できない日はある。

だけど、私のことを信じて、大切に思ってくれている人たちを絶対に裏切りたくない。

だから私は、自分を信じてくれる彼らを信じて、前に進もうとする人でありたい。

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