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将棋の全国大会でベスト16に入ったことがある筆者が語る、藤井聡太の凄さ

どうも!暗中模索の大学院生です。

今日は将棋の話をしたいと思います。

最近は何といっても17歳の高校生棋士、藤井聡太の最強っぷりがニュースで報じられています。現在ダブルタイトル戦の挑戦真っ只中であり、ヒューリック杯棋聖戦5番勝負では2連勝を挙げ、タイトル獲得にリーチをかけており、7/1からは王位戦7番勝負を戦っています。

この状況から、藤井聡太の凄さはなんとなくわかると思いますが、実際のところどのくらい凄いかは将棋をやらない人に中々伝わらないと感じましたので将棋の全国大会でベスト16に入ったことのある私が、藤井聡太の凄さについて語っていきます。

プロ棋士という天才集団

昔、米長邦雄というプロ棋士が居ました。この方は永世棋聖という称号を持ち、現在藤井聡太が挑戦しているタイトル戦のうちの棋聖戦で素晴らしい活躍をした棋士です。この米長邦雄が過去に

「兄達は頭が悪いから東大へ行った。自分は頭が良いから将棋指しになった。」

と言ったとされています。それほど希少な存在であるプロ棋士。東大生は1年に3000人近く入学するわけですが、プロ棋士は1年に約4人しかなれません。しかも大学入試のような一発試験ではなく、奨励会というプロ養成機関に入り、その中で3段リーグにまで上がり、その上でそのリーグ戦で上位2位までに入らないと、プロ棋士にはなれません。本当の狭き門であるので、故米長邦雄永世棋聖の言葉はあながち嘘ではないことがわかります。一般的には20歳になるまでにプロ棋士になれると将来有望のところ、藤井聡太は14歳でなったわけですので、その異常さがわかります。

天才の中の天才

そんな天才頭脳派集団であるプロ棋士の中でも、タイトル戦に出場できる棋士はわずかになります。現在現役の棋士は169人いますが、その中でタイトル戦に出場したことのある棋士は30人程度。つまりプロ棋士になってもタイトル戦に出場できるのは2割で、その他8割の棋士はタイトル戦を経験することなく引退していきます。

そんな厳しい世界であるのに藤井聡太は17歳でタイトル戦出場、さらにダブルタイトル戦挑戦を成し遂げたわけです。このことから藤井聡太はプロ棋士という天才集団の中でも飛び抜けた天才であることがわかります。しかも棋聖戦は現在2連勝中でタイトル獲得に王手をかけています。本当に末恐ろしい…

全国大会ベスト16の筆者の将棋レベル

ここで少し視点を変え、全国大会ベスト16に入ったことのある筆者の将棋レベルを紹介し、それと比較して藤井聡太の凄さを語ります。ここで一つの将棋の局面を紹介します。

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この局面。

先手の手番なのですが、全国大会でベスト16に入った私にはどちらが勝ちかわかりません。さらに言ってしまうとアマチュアトップレベルでも瞬時には判断することができないと思います。

私は1時間近く精査してようやく先手が勝ちであることがわかりましたが、恐らく藤井聡太は1分でこの局面が先手勝ちであることがわかります。

そのくらい能力が違います。

ちなみに需要はないとは思いますが、変化の一例も載せておきます。


▲7八飛!△7九角▲9九玉△7八龍
▲5五角(図1)

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△8八角成!▲同角△6九飛
▲7九銀△同飛成▲同角△同龍
▲8八銀△6六角▲7七香(図2)

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△同角成▲同銀△7八銀▲8八金△9五桂▲8六金(図3)

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これにて受け切りで先手勝ちとなります。しかしこれは先手が一つでも間違えると逆転してしまう、ギリギリの局面でした。

そんなトップアマでも解くのに苦労する、1時間はかかるであろうギリギリの局面を藤井聡太は1分で解けます。現に棋聖戦の第1局の最終盤、対戦相手の渡辺棋聖の16連続王手を全て正確に交わし切って勝利を収めています。

藤井聡太はどこへ向かうのか

今回のダブルタイトル戦挑戦によってまず間違いなく、どちらかのタイトルは獲得すると思います。そしてその後、藤井聡太はしばらく段位で呼ばれることはないだろうと私は予想します。つまりずっと何かしらのタイトルを持ったままトッププロとして活躍し続けるでしょう。

現在の生ける伝説、羽生善治永世七冠を超える存在になるのか。

これからが非常に楽しみです。



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