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甲子園歴史館リニューアルで、武庫川線も楽しくなる!ところで、武庫川線って、何?

  阪神電気鉄道株式会社(本社:大阪市福島区、社長:秦雅夫)は2月24日、甲子園歴史館 のリニューアルオープン(3月3日(木))を記念し、 武庫川線車両を特別仕様で運行することを発表した。

プレスリリースによると、

「タイガース号、甲子園号、TORACO号及びトラッキー号の武庫川線車両 全4編成のみの特別コンテンツもご用意していますので、リニューアルした甲子園歴史館と併せて、期間限定の特別仕様をお楽しみください」

としている。

ところで、武庫川線って、何?

武庫川線は,阪神電鉄本線の武庫川駅から河川の武庫川の堤防に沿って南下する単線である。

武庫川駅から終着の武庫川団地前駅までは,わずかに 1.7 キロで、途中に東鳴尾,洲先の2駅がある。

2020年6月までは、1960年代,1970年代の特急,急行などの優等列車として活躍した車両(7861形 2 両連結3編成,7890形 2両連結1編成)が走っていた。

ツートンカラーのデザインで,車体の胴にあたる部分が赤いことから,かつての人気漫画「赤胴鈴之助」の主人公を連想させ、「赤胴車」という愛称がついたという。

孫が赤胴車ファンで、一緒に乗りに行った時に撮影

「赤胴車」は、2020年6月に引退
赤胴車は、鉄道ファンに惜しまれながら、2020年6月に引退という形で、武庫川線から姿を消した。

赤胴車に代わってデビューしたのが、タイガース号、甲子園号、TORACO号、トラッキー号。

そのタイガース号、甲子園号、TORACO号、トラッキー号に、期間限定で特別コンテンツが用意されるというのだ。

楽しみな企画だ。

武庫川線は,戦時中,今の武庫川団地の場所にあっ た飛行機工場,川西航空機株式会社(現・新明和工業 株式会社)の本社と工場に、JR甲子園口から、人とモノを運ぶためにつくられた。川西航空機では、タイガースの藤村富美男選手らの働く姿もあったという。

「鳴尾村誌1889-1951」(発行 西宮市鳴尾区有財産管理委員会)の440ページには、以下のような記述がある。

鳴尾村誌

「川西航空機の企業としての歩みと、そこで働いた人々の仕事を克明に描いた小説に城山三郎『零からの栄光』がある。鳴尾工場について、次のような記述がある。

大相撲の力士も、力道山など三十余人が来て、重量物運搬に従事した。
藤村富美男、呉昌征、景浦將、若林忠志、天保義夫、中谷準志など、阪神・阪急の野球選手たちも動員されてきた。

選手たちは、朝はトレーニング代わりに、駈足で武庫川堤をやってくる。作業は、「紫電」関係で、鋼板を折り曲げたり、リベット打ちなど、毎日のように変わった。

「野球しかやってなかったから、リベット打ちなど、楽しくて仕方がなかった。職場へは、軍艦マーチなどとともに、常にニュースが流され、敵艦を沈めた報せなどがあると、自分たちも戦闘に参加しているんだといった戦慄感があり、バンザイを叫んで、喜んだりしたものだ。

リーダー格であった藤村氏の思い出である。

「監督官や憲兵など、軍人がいばっていて、よく巡回してきた。面白くなかったが、鳴尾飛行場から爆音が聞こえてくるたびに、また一つ飛んで行ったな、という感慨があった」と、かつての強打者・呉氏も思い出す』

以上「鳴尾村誌」より抜粋ー

【参考】



赤胴車は、武庫川団地に展示保存

武庫川団地に展示保存されている赤胴車


因みに、2020年6月に引退した赤胴車「7890号」は、都市再生機構(UR都市機構)武庫川団地(西宮市高須町)のコミュニティ-スペースに、2021年7月から、展示保存されている。

武庫川団地に展示保存されている赤胴車