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「若手が集まるいい会社」のほんとの意味

社長のことを書いたらいろんな人に読んでもらえて嬉しいので、社員のことも書いてみようと思う。

訪問介護は若い働き手が少ない

訪問介護の世界って若い人が働いているイメージがないと思うけど、
どれくらい少ないかご存知だろうか。
訪問介護員全体に対し、20代は1%。(全労連「介護労働実態調査 報告書」より)
1%って、存在してないのとほぼイコール。
平均年齢は55.5歳、50歳以上が全体の73.0%を占め、60歳以上でみても37.7%。
10年経ったら担い手がもう、、って話は一旦置いておき。
そんな中で、弊社は去年も今年も新卒を採用し、20代が最多、30代が私も入れて3人と、40代の社長。
吉田は新卒採用にしつこいすぎるほどこだわっていて、
「10年後に中核を担い、訪問介護の未来を作る人たちと一緒にやっていく」と言って譲らない。
こんなに新卒を採用し続けられることもけっこうすごいことだと思う。
しかし、主力が50代の業界なのだ、うちは全員が若手も若手。
お客様との感覚や意識の差も大きいし、
「家事に慣れてるベテランがいいわ」なんて希望には応えられないし、
難しさも大いにある。
でも私は知っている。
うちの人たち、かなりいい。若い子たち、とてもいい。

とにかく清々しいうちの人々

2年連続で4〜5人の社員を採用していて、仕組み化もままならないベンチャーで、新規のお客様も増えていて、そもそも人相手の仕事なのだ、
毎日エラーが起こりまくる。
アクシデントは起こるし、初めてのことばかり。
私もそれはもうここに書けないような失敗をしてみんなに謝ったり、
「すみません!」って謝られることも多い。
でもここで不思議なのは、
謝っても謝られても、感じるのは常に、心地よさ、気持ち良さ、清々しさだということだ。
ぜーんぜん嫌な気持ちにならない。社内ノーストレス。
今日、社内のメッセージのやり取り見てて、なぜだか少し分かった気がした。

そのメッセージは、ある失敗についてお客様への謝罪が完了したという報告だった。
そこについた返信は「了解です、対応してくれてありがとう」

そう、このかんじなのだ。
日頃の雰囲気を言葉に仕切れずまったく説明できてないと思うが、
誰かが何か失敗したときに、
「失敗した人が責任を取るのが当たり前」
「失敗は繰り返さないように反省させるべき」
「失敗に対しては厳しく指導すべき」
というニュアンスがない。
そこにあるのは、
「この人は、今できる精一杯をもうすでにやってるし、これからもやっていく人だ」という信頼のような気がする。
全員が全員にそう思っているのか、なんて分からないけど、
私は確実に全員に対して思ってる、心底そう思う。
精一杯って、いつも全力投球ってことではなく、
全力投球できないときはできない事情があって、
それは何か直接的な理由かもしれないし、関係ないけどその人には重要な何かかもしれない、
スキルが足りないから、知らなかったから、という理由なこともあるだろう。
いろんなものを抱えて、その中で精一杯やってるんだなぁというのが、
お客様の気持ちを考えてケアを工夫する様子や、
うまくできたことを喜んで報告してくれる日報、
そんな細かいことお客様も気づかないんじゃ、、っていうくらいのさりげない配慮、
いろんなことを通して、みんなの精一杯を感じる、それも毎日。

「この人は、この人の精一杯でやってくれてる」と信じることができたら、
何か起こっても、「オッケー、対処私も頑張るよ!」としか思わないし、
自分の精一杯を周りが信じてくれていたら、
人は自ずと失敗を繰り返さないように学び、次のチャレンジに向かうことができる。
インセンティブやペナルティではそうはならない。
「ここまでやってくれるならやる」の取引関係では安心も挑戦も生み出せない。

私は組織開発と人材育成の役割も持っているのだが、
みんなを信じ、信じてるよって伝え続けることさえできたら、
あとはもう自然とみんなでみんなを育成していけるんじゃないかと思う。

みんなもう今で十分だよねっていう感覚はとても福祉らしい。
共に生きるための基本ってかんじで好きだ。
組織づくりもそこが基本にできるといいな。


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