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上皮組織の器官系別による分類 #上皮の形態が変わる境界を覚えればOK

上皮組織の器官系別による分類

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上皮組織の分類に関しては、形態別の表で抑えた上で、こちらの器官系別の表でも覚えると完璧です。こちらのほうが理由付けにより記憶しやすいです。

まず消化器系から考えてみます。始まりと終わりが摩擦や機械的刺激に強い重層扁平上皮。真ん中は吸収や分泌に向く単層円柱上皮です。

この表の優れたところは、器官一つ一つについて、個別に覚える必要がないというところです。形態が変化する境界を覚えればいいんです。

つまり、口腔〜食道までが重層扁平上皮、胃〜大腸は単層円柱上皮、最後の肛門が再び重層扁平上皮になります。

重層扁平上皮は摩擦や機械的刺激に強い上皮です。口腔、咽頭、食道はまだ粗い食塊や熱い食べ物などがはいってきます。
胃・小腸・大腸は消化液を分泌したり、吸収が行われるところです。よって、単層円柱上皮が向いています。
最後の肛門は、皮膚の一部ともなるので、重層扁平上皮です。紙で拭いたりする必要もありますし。

呼吸器系を見て見ます。鼻から始まり気管支までは空気の通り道、気道です。空気中には塵も含まれているため、粉塵を吸着し、排泄する機能がある多列上皮です。多列上皮は線毛があるので、多列線毛上皮とも言われます。杯細胞の分泌する粘液で塵を吸着し、線毛の動きでそれを押もどし、排泄します。

個別に覚える必要はありません。気道は細気管支まで多列上皮です。そして最後の肺胞はガス交換の場なので、薄い単層扁平上皮が適しています。

女性生殖器系を見て見ます。膣は交接器を兼ねるので、摩擦や機械的刺激に強い重層扁平上皮です。
卵管は卵子を運ぶために単層円柱線毛上皮、子宮は子宮腺分泌に適した単層円柱上皮です。

循環器系を見て見ます。血管内皮、リンパ管、心内膜は単層扁平上皮です。毛細血管は血管内皮細胞と基底膜だけでできています。交換血管として周囲の組織との間でガスや栄養素、老廃物の交換を行ないます。

動脈や静脈では、内膜(血管内皮)は単層扁平上皮ですが、中膜は平滑筋と弾性線維、外膜は線維性結合組織なので注意が必要です。

胸膜・腹膜・漿膜性心膜は漿液を分泌する膜なので、組織学的に漿膜と言われます。これらも単層扁平上皮です。また発生的な名称では、身体の中を仕切る皮として、中皮とよばれます。内皮も中皮も単層扁平上皮です。

そして、最後の皮膚ですが、表皮は摩擦や機械的刺激に強い重層扁平上皮です。ちなみに、真皮は密性結合組織、皮下組織は疎性結合組織です。皮膚のところで勉強しますが、とても重要です。

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