雲
例えば私の話をすると
大事な大事な人を対象に、気軽に身体は触れられなくて
もし恋人になってくれるのなら、いつかその時が来るのなら、その時まで大切に、大事な大事な貴方を大切にしたいと思うのです。
もしそんな思考を持ち合わせているのが私だけで、
世間が違うとしたら。
それが大人になるということなのでしょうか。
ならそうだと教えてほしい。
その時
私は初めて心から、貴方を受け入れられるだろうと思います。
今はいつだって初めを思い出して
肺が熱くなる。
例えば自然を見ると邪念が走るように、匂いで意思が揺らぐように、あの、ツタだらけのマンションの裏に、車を停める時のように、
貴方を疑ってしまう。
あなたはいつも
空に浮かんでいるみたいだ。
私はそこから落下して、すり抜けて、風の音が耳に響いて
例えば過去の男だったり、自分の努力だったり、友達だったり、環境だったり、
そんな歴史を思い出して、ふと我にかえるのです。
貴方の発したその一言と、貴方の行動と全部、
そんなに意味はないのでしょう。
ただそれだけの話でしょう。
例えば私の持ち物だったり、匂いだったり、そんなものを全部知っているなら
そんなことしないのでしょう。
私が人を、環境を、自分の立ち位置を、勘繰るような人生を歩んできたから?
肺が痛いです。
誰にも言えないでしょうこんなこと。
私の身体と時間と全部を貴方にあげたいけれど
そんなものはもうとっくに持っているのですね。
私はこの先こうやって
静かに貴方の隣にいながら
一生を生きていくのですか。
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