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キャプテンの経験とFOの意地

短く、特に問題ないルートのはずだった。

敬語が邪魔になる場合

近いので、巡航高度は12000ftと低めだ。

離陸して、低層の雲を抜けて上昇していると、目の前に層積雲。割と揺れそうな感じ。しばらく考えて、

「Request Flight level 160」

とキャプテンにオーダー。PMのキャプテンがそれをATCに伝える。雲の上を飛ぶために16000ftまで上昇することにしたのだった。最近は、意識してわざとPleaseやDo you mind~、If you are happyなどといった敬語表現を避けている。表現が冗長になるし、自信がなさそうに聞こえるから。

これは先日、マイクロマネージされるとうまくいかないんだ、ということをパイロットマネージャに相談した時に、アドバイスされたのだった。その女性のマネージャも、同じようなことで悩んでいた時期があったようで、「礼儀正しさ」がコクピットでは逆効果になることもあるのだ。自信がない表現をすると、キャプテンは不安になってマイクロマネージしがちになるという。なるほど。

もちろん、普通の会話では命令形のみを使うと失礼だが、それは礼節の話。コクピットで、PFとしての判断をキャプテンに伝えるときには、簡潔に要点のみを伝えるべきだ。失礼に聞こえるくらいでちょうどいいかもしれない。

こういう細かい判断を自分やって、命令形でキャプテンにオーダーすることを少しずつ積み重ねていかないと、いつまでたっても自分の判断に自信を持つことができない。経験が少なく、正解が判らないので「こうするといいと思うんですが、、、」と言ってしまいがちだが、それに甘んじてしまうと、機長昇格訓練で苦労するだろう。

経験のある人は、危険を嗅ぎ分ける

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