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D09 ロックダウンのNZでニュージーランド航空が直面している危機について語る

今日は愚痴っぽくなりますがよろしくお願いします。

伝染病の封じ込め戦略としては素晴らしいリーダーシップと実務能力を発揮しているニュージーランドだが、喜んでばかりもいられないのが、経済への打撃だ。米ウォルマートから母国のフラッグシップエアラインに凱旋、まだ9週間足らずのニュージーランド航空 新社長 Greg Foranは、着任早々とんでもない嵐に巻き込まれてしまった。

便が激減

現在、ロックダウンにより国民が長距離を移動することがほぼ禁止されている。原則としてエッセンシャルワーカー(医療従事者や警察や航空従事者など)しか運ばないので、後述するように売り上げが激減している。国際線はほぼゼロ、国を閉じているから当たり前だ。

国内線も、先日発表された最新のスケジュールでは、主要都市間の運航に限られた。ちょっと前まで1日10本以上飛んでいた人気ルートでも、1日数本程度になったりして大変なことになっている。

乗客は機内でお互いに距離を開けて乗らなければいけない(Physical Distancing)ので、廊下側の席を空けて、窓側の席のみを販売している。だから事実上の座席数は通常の半分になっているわけだが、どのみち乗る人が居ても数人程度だろう、私もロックダウン以降は飛んでいないが、最後のフライトは50人乗りの飛行機に5人しか乗っていなかった。

ここで、ロックダウン1ヶ月前の私の投稿を見てみよう。

はい、危機感ゼロ。この時はまさか鎖国して稼働率を95%も落とすなんて思ってもいなかった。でも、あっという間だったね。

航空会社は蕎麦屋の出前

下の図は、上記ニュースサイトからの引用で、ダメージのインパクトをよく表している。

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年間の売り上げが、9割減ることになるそうだ。これでは、毎年エアラインオブザイヤーに選ばれている優等生エアラインといえども、ひとたまりもない。

航空会社は、巨大な装置産業だ。飛行機は燃料を常に燃やしているし、従業員の数も膨大、関わる会社の数も多い。ちょっと景気が悪くなって飛行機を止めようと思っても、駐機代がかかるし、人件費は減らない。下手すりゃチケットの払い戻しもあるだろう。自転車操業、それも固定費をこれでもかと積み上げた蕎麦屋の出前みたいな自転車操業なのだ。

だから、毎日毎日、莫大な売り上げが入ってこないと、たちまち資金繰りに窮してしまう。どんな事業でも、売り上げが立たなければいずれキャッシュフローが破綻して倒産してしまうが、航空会社はとくに売り上げ減に対して脆弱だ。

Air NZ's cutbacks:
・フライトの95パーセントをカット
・コロナ以前、1日あたり48,000人だった国内線旅客が、670人に激減。
・売り上げは58億NZドルから5億NZドルに。
・売り上げの30パーセントは海外からのインバウンド需要だった
・コロナ以前、国内線が運ぶ観光客は、150万人だった
・従業員数は12,500人にのぼり、月の人件費は1.1億NZドル
Newshubより引用 筆者訳)

売り上げが10分の1に減っても、月の払いは待ってくれない。1年で5億ドルしか入ってこないのに、月の人件費だけで1億ドルだ。固定費はそれだけではないことを考えれば、実際には、数ヶ月も持たないだろう。

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