杉本舞『「人工知能」前夜 コンピュータと脳は似ているか』(青土社、2018年)
黎明期の人工知能研究、1930年代〜50年代のコンピューティング史を専門とする著者の博論をベースに書かれた本。AIの歴史ということだと「人工知能=AI」という言葉が初めて用いられたとされる1956年の「ダートマス会議」が有名だが、その前史をしっかりと描く。
私たちがテレビなどで目にする脳のイメージのAI。そういった機械と脳を結びつける発想は、実はコンピューターが発明される以前からあったという話から本書は始まる。
計算機をはじめとしたさまざまな機械を形容するのに「脳」のたと