未来世界の3つの選択肢

「今の世界恐慌が何らかの斬新な成長戦略によって打開される可能性はゼロである。金融資本は天文学的な額の負債でグローバルに破産し、それにピークオイルと温暖化という資源と環境の絶対的な限界が重なっている。従ってこの出口なき世界の近未来としては3つの可能性が考えられる。それは(1)国家体制の転換に伴って通貨改革が実施され恐慌が完全に解決される、(2)国家の破綻から生じる経済と社会の混乱を暴力的に押さえつけるファシズム。たとえばアメリカは大統領令で統治されるかもしれない、(3)各国の法定通貨が全て紙切れになり富者は金本位制、貧者は物々交換で生活するーーという可能性である」

「自治体が連携してその資産を裏付けに自治体銀行を設立するとかさらに自治体通貨を発行するといったこともありうるかもしれない。自治体通貨の発行まで行けば、それは政府通貨の先駆けとなる。中央銀行の銀行券と自治体の公共通貨の二重経済が出現し、大手銀行の破産とともに自動的に政府通貨が実現するという事態もありうるかもしれない」

関曠野「経済のデモクラシーへ」(『フクシマ以後』所収)

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