ダグラスの社会信用論をアップデートしたい

これまでダグラスについては関曠野さんの著作、講演録を通してしか知らず、今回、初めて「社会信用論」を読んで学び始めたばかりでわからないところだらけですが、非常に面白いと思っています。

彼は、従来の経済学とは全く違うパラダイムを構築し、お金も含めた民主主義的な社会を作るための設計図を作ろうとしたのだと感じています。
それを現時点で、自分なりに大雑把にまとめると、ランダムになりますが、列記してみると以下のようになります。

1)現在の個々の企業が利益を生み出すことを目的として動く経済/マネーシステムでは、国内では、常に無駄な過剰生産、購買力不足、失業、そして銀行に対する負債が積み上がっていく。
過剰生産を国内ではなく国外で解決しようとして、貿易戦争、戦争が起きる。

2)生産システムと分配システムを区別して、生産システムのより効率よく良いものを作るという目的と分配システムの公平に分配するという目的を別々に追求する。お金を交換の媒体ではなく発注チケットとして考え、生産システムと分配システムをつなぐものをお金だとする。

3)お金の所有権を銀行が独占するのではなく、国民に共有されるべきである→公共貨幣

4)生産は、労働、資本、土地という要素よりも、文化遺産(過去の科学的、技術的知識などテクノロジーの集積)によるところがどんどん大きくなっている。その恩恵は、国民配当として全国民に共有されるべきだが、いまの負債貨幣制度では労働者の失業と銀行による富の集中と独占という結果になっている→国民配当

ダグラスの考えは、社会工学的です。

AIという高度な計算と推論ができる技術が生まれ、また電子貨幣による取引データの取得が可能になったいまの時代に、戦前、世界中で一世を風靡しながら忘れ去られたダグラスが、再浮上してくるのは歴史的必然のような気がしています。
またダグラスには、現代社会が直面している資源制約についての観点はないようですが、彼の提案したパラダイムを、現代的にアップデートすることは非常に有効ではないかと思います。

ダグラス社会信用論wiki(自動翻訳で大体理解できます)https://en.wikipedia.org/wiki/Social_credit


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