レベッカ・ソルニット『災害ユートピア なぜそのときに特別な共同体が立ち上がるのか』1

「地震、爆撃、大嵐などの直後には緊迫した状況の中でも誰もが利他的になり、自身や身内のみならず隣人や見ず知らずの人々に対してさえ、まず思いやりを示す。大惨事に直面すると、人間は利己的になり、パニックに陥り、退行現象が起きて野蛮になると言う一般的なイメージがあるが、それとは真実とは程遠い。第二次大戦の爆撃から、洪水、竜巻、地震、大嵐に至るまで、惨事が起きたときの世界中の人々の行動についての何十年もの綿密な社会学的調査の結果が、これを裏付けている。けれども、この事実が知られていないために、災害直後にはしばしば「他の人々は野蛮になるだろうから、自分はそれに対する防衛策を講じているに過ぎない」と信じる人々による最悪の行動が見られるのだ。」


本書は『崩壊学』の中で紹介されていて知った。

本書の中で、日本のことが触れられている箇所が一箇所だけあった。関東大震災直後に起きた約6千人に及ぶ朝鮮人虐殺事件とアナキスト大杉栄らの殴殺事件だ。

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