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R5 中小企業診断士2次試験の振り返り

R5 2次試験を終了しての感想

令和5年度中小企業診断士2次試験を受験されたみなさま、本当にお疲れ様でした。

今年は今年でやはりいろいろありましたよね。毎年思いますが相変わらず手応えのない試験でした。
ただ3回目なんで少し慣れてきた自分がいたのも事実です。当日、比較的慌てずに対応出来たとは思ってます。(出来たとは言ってません!)

以降、自分なりの全体と事例毎の個人的な感想や解答の方向性なんかを書かせて貰いたいと思います。

全体を通して

まず、全体を通しての感想は事例IVの易化ではないでしょうか?
(あくまで個人的見解です、出来たとは言いません!)

過去2回の受験では事例IVは試験時にほぼほぼ歯が立ちませんでした。
ただ、結果は50点を超えてきていたので得点調整の割合が多かったのだろうと考えます。
逆に言えば受験生がみんな出来なかったので事例IVでは差がつかなかったのではないかと思ってます。

今年の事例IVは、私も計算間違いを多々やらかしていますが歯が立たなかったというよりは時間が足りなかったと言う印象です。

私は事例IVは大の苦手な受験生ですので得点源には出来ていないのですが、今年の全体の合否の差は事例IVがポイントになるような気がしております。

加えて各受験機関、予備校の模範解答を見ていると事例IからIIIともに回答が割れている気がします。(例年もそうですが・・・)
事例IからIIIでは大きな差が付きづらく、事例IVの出来がポイントになる気がしております。

個人的には、昨年までの事例IV、特にNPVのような相当正解率が低いガチャのような問題を出されるよりも、今年のような難易度で1年間勉強した成果が少しでも出せるような問題の方が精神的には楽だと思います。

事例毎の解答の方向性と振り返り

事例I

蕎麦屋でしたね。昨年の農業法人よりも与件は頭に入ってきました。
個人的には第3問が気になる所です。統合前に留意する事はたくさんあると思います。
敢えて与件に寄せたつもりですがどうなんでしょうか。

第1問
強み、弱みは正直、予備校の模範解答と比較するとうまく書けませんでした。後続の問題と連携して強みを活かして弱みを克服する事が理想かと思いますが後続の問題とうまく繋げられなかったのが反省点です。

第2問
顧客ターゲットを絞り、総花的なメニューを絞り差別化と経営資源を蕎麦に集中して商品の高付加価値化を図って収益拡大の流れで書きました。

第3問
あまり各予備校の模範解答になかったのですが、X社の正社員、アルバイトのモチベーションが低下して退職の相談が出ている事をまずは問題点として解答を構成しました。人材の散逸を防ぐ事を第一に統合を進めるとしました。

第4問
設問1
A社の接客リーダーの活用をベースとしました。社長からも信頼が厚く将来独立したいといった与件文と権限移譲を進めて仕事を委任したA社の成功事例に倣い、X社社員との目標共有や意思統一を進める事で組織統合を図る事としました。

設問2
やはり、独自の高品質の仕入れルートを活かして接客やサービスの質を上げて競合のチェーン店との差別化をベースとしまし、SNSを活用した若者や外国人観光客の集客、売上拡大も記載しました。

事例II

事例IIに苦手意識がある私にとってはスポーツ用品店、特に野球用品だったので与件は頭にすんなりと入ってきた印象。
ただ、色々と自由に書ける要素が多かった気がしたのでポエムにならないように与件からの解答を心掛けました。

第1問
昨年に引き続き3C分析。昨年は競合を見誤った感があったので今回は顧客をまず決めた上で競合と自社について記述。
単純に顧客、競合、自社を羅列するだけでなく現在の個々の市場動向も併せて記載する事を心掛けた。

第2問
設問解釈からサブスクリプションを一択。但し、これが保護者にニーズに合うのかは試験中はずっと半信半疑。
自社に提案力を活かして顧客の競合量販店への離反を防ぐ事を効果として記載。

第3問
正直、なんでも書けると思った設問ですがここで与件無視してぶっ飛んだ事を書くとポエムになると思い与件から、B社の強み、近郊の状況、住民の特性を考慮して記載。
ただし、誰に、何を、どのように、効果に沿えた解答にキレイになってないのが反省点。

第4問
ここも、正直なんでも書けると思いましたが与件でのニーズやB社の強みを活かせる内容にする事を意識して解答。
野球を始めたい子供の確保をニーズとして捉えて、野球を始めたい子供の保護者と各チームの監督との懇意な強みを活かした仲介での関係強化と野球を始めた子供の成長に合わせた用品需要の獲得での売上拡大を効果として記載しました。

事例III

製造業に身を置いてますので得意なはずの事例IIIですが、過去2回の受験結果はイマイチ。今年はどんな製造業が来るかと思ってましたがまさかの食品製造業と言う馴染みが薄い分野で正直焦りました。与件にあった設備のレイアウトの箇所で感染対策に触れられなかったのが最大の反省点です。

第1問
強みは、少量多品種の食品製造請負体制の確立と工場管理者の料理人経験としました。

第2問
販売先の料理長から口頭で指示されるレシピの内容を文書として整備する事で変更指示の抑制を図る事と作業の標準化とそれに沿った従業員教育による多能工化で増加する受注量に対応としました。

第3問
生産計画と生産現場の両面から書きました。生産計画面は短サイクル化で宿泊予約数の変動に対応して材料の発注を短サイクル化、生産現場面は経験による発注量の決定と入出庫記録を徹底する事で材料の欠品、過剰在庫、廃棄ロスを削減、納期遅れを回避して収益性の改善としました。

第4問
販売先からの顧客ニーズの収集、ホテルでの料理人経験のあるC社長や開発経験のある外部人材を活用したレシピの考案、料理人経験のある工場管理者による要求納期に対応できる製造対応を検討して企画開発を進めるとしました。

第5問
顧客である観光業、旅館、ホテルの稼働率が上がってきている中で生産能力を向上させる社長の構想は妥当性があると考えました。留意点は、作業の標準化で作業者の多能工化と専用設備の導入で負担を減らした新規採用者でも運用ができる体制の確立としました。

事例IV

全く時間が足りなかったです。振り返ればもっと出来たと思う問題が多かったです。
ただ、事例IVでこの感覚は過去2回の受験ではなかった。私の事例IV能力が上がったのか?否、易化したのだと思う。
今回の事例IVでは同じ印象の受験生が多いと思います。

記述式の書けた問題だけ。

第1問 設問2
悪化した指標の中で売上高営業利益率を選択。要因としては競合との競争激化、原材料価格の高騰、男性用アンチエイジング製品の開発による販管費の悪化としました。

第2問 設問3
売上高基準による共通費の配布の妥当性は無いとしました。
理由は実際の共通費の発生は製品毎に異なる為、売上高基準による配布では実際の収益性を把握出来ないため製品の改廃の意思決定に際しては誤った判断をする可能性があるとしました。

第4問 設問1
利点としては固定費削減による営業レバレッジ低下、売上高変動における利益への影響が小さくなる点を挙げました。

第4問 設問2
利点は内製による固定費化で営業レバレッジが増加、新製品による売上増加で利益への貢献が大きくなる事としました。

事例毎再現答案

事例I

第1問
強み:自前で打つコシの強い人気の蕎麦、固定客化した地域住民
弱み:重要な役割を担う正社員の離職、業務負荷の高まりと高い離職率

第2問
戦略は、メインの客層を地元ファミリー層に絞り込み、総花的なメニューを見直して蕎麦に絞ったメニューで差別化を図った。狙いは、経営資源を蕎麦に集中しこだわりの原材料で商品の高付加価値化を行い収益性の向上を図った。

第3問
助言は、X社の正社員やアルバイトのモチベーション低下に留意する事。A社の経験を基に現在の離職率の高さの改善策を説明し、現在の雇用条件を変えない事を明確にしてX社従業員の不安を取り除いて経営統合を進める事。

第4問
設問1
助言は、A社の接客リーダーをX社の接客リーダーに登用して権限移譲を進めて仕事を任せ、X社従業員とも目的意識の共有や意思統一を図って組織の一体感の醸成を図る事。

設問2
助言は、地元産の高品質な原材料を取り扱う食品卸売業者との取引を活用して商品の高付加価値化と接客やサービスを向上させて競合との差別化を図り、SNSを活用して外国人観光客や若者に訴求して口コミを誘発して売上拡大を図る事。

事例II

第1問
顧客は、近郊にある公立小中学校と各少年野球チームとそこで野球をする子供達の保護者で地域住民の野球熱は高い。競合は、近郊に出店した大型駐車場を備えてチェーン展開をしている大型スポーツ用品量販店で価格面での太刀打ちは難しく、自社は、品揃えと提案力に自信のある野球用品に特化して競合との差別化を図っている。

第2問
助言は、サブスクリプション価格の採用である。子供達一人一人の体格や技術、特性に応じた商品カスタマイズの提案力を活用して訴求し、金銭的負担を減らしたい保護者ニースに応え顧客の競合への離反を防ぐ事。

第3問
助言は、外部の女子野球チームを招待して河川敷の野球場で試合を開催する事。試合用ユニフォームとオリジナルバックを提供して加工技術や対応力を訴求して地域住民の野球熱の高さとの相乗効果を図る事。

第4問
助言は、野球をやりたい子供達の保護者に対して各野球チームの監督との緊密なコミニケーションで得た各チームの活動状況や野球用品に関する情報を発信する事。保護者と各チームとの仲介をする事で関係性の強化を図り、子供達一人一人の体格や技術、特性に応じた商品の提案力で成長に応じた野球用品需要を獲得する事。

事例III

第1問
多品種少量の食品受託製造体制の確立、工場管理者のホテルや旅館での料理人経験

第2問
対応策は、販売先料理長から口頭で指示される各製品のレシピを文書として整備して変更指示の抑制を図り、加工方法を標準化した上で両課長が指導をして従業員の多能工化を図って増加する注文量に対応する事。

第3問
対応策は、月度生産計画を週次生産計画とし宿泊予約数の変動に対応し、食材や調味料の発注頻度を短サイクル化し、経験値による発注量の見積もりを改め、入出庫記録を徹底して欠品や過剰在庫、廃棄ロスを抑制し納品遅れを回避して収益性の向上を図る事。

第4問
進め方は、販売先から顧客ニーズを収集し中堅食品製造業で製品開発経験のある外部人材を活用し高級ホテルの料理人経験のあるC社長とレシピを考案する。ホテルや旅館で料理経験のある工場管理者がX社の納品要求に応えられる製造体制を検討して企画開発を進める事。

第5問
助言は、感染症も落ち着き、観光客の増加によって販売先のホテルや旅館の稼働率が高くなり受注量が回復している中で生産能力の強化を図るC社長の構想は妥当性があると考える。留意点は、作業の標準化を進めて新規採用者を多能工化に育成し専用設備の導入で省人化を図って運用負荷を軽減する事。

事例IV

第1問
設問1
① a)売上高営業利益率  b)11.59%
② a)有形固定資産回転率 b)71.90回
③ a)当座比率  b)311.97%

設問2
悪化したのは売上高営業利益率である。原因は、同業他社との競争激化や輸送コスト、原材料の仕入原価の高騰、男性向けアンチエイジング製品の開発で販管費が増加したから。

第2問
設問1
(1)63.27%
(2)1143409.61千円
(3)3113012.82千円
(4)

設問2
(1)ない
(2)

設問3
共通費の発生は実際は製品毎で異なっており、売上高基準での配布では実際の製品の収益性が掴めず販売中止に関して誤った意思決定をする可能性があり妥当性は無いと考える。

第3問
設問1
1)(10000-4000-2200-2200)*(1-0.3)+2200=3320
3320*3.993+770*0.681+800*0.681-800*0.926-11000=2585万円
2)△5800万円
3)ある 70万円

設問2
1)
2)

第4問
設問1
利点は、固定費割合が減少し営業レバレッジが低下して売上の変動に対する利益への影響が小さくなる点。

設問2
利点は、新たな新製品の販売で売上増加が望め、営業レバレッジの上昇で利益が増加して収益性が工場する点。


まとめ

最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。

これで令和5年度の2次試験の供養も無事に終了する事ができました。
合否は発表のその日までどちらに転ぶかわからないのがこの試験なんでしばらくは一喜一憂の日々になりそうですが、それでも昨年よりは心静かに1/11を待てそうな気がします。

今年、1次試験を突破しましたので今年不合格でも2次試験の挑戦権は来年もあります。それも含めて暫くは色々と考えながらモラトリアム期間を過ごしたいと思います。

令和5年度、中小企業診断士1次試験、2次試験を受験した皆さま、お疲れ様でした。

結果発表を残すのみですが、一旦は令和5年度の中小企業診断士チャレンジは終了とします。




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